こんにちは ! 今回は TANCHJIM ORIGIN のレビューになります。見た目もさることながら鳴らす音も美しいイヤホンです。さらにはノズルで音質も変えられるということでこれ一つで長く楽しめています。こちら購入して聴き込みしていますので、レビューを書いていきます。ぜひ最後までご覧ください。
おすすめポイント
TANCHJIM ORIGIN
- 2種のイヤーピースと3種のノズルで音質のカスタマイズが可能
- すっきりと晴れ渡る広い空間・美しい音粒・伸びやかな高域を楽しめる
- リケーブル可能(0.78mm 2pin)
製品情報
- TANCHJIMの第5世代DMTフラッグシップ・デュアル磁気回路・デュアルキャビティダイナミックドライバーを採用
- 柔軟性と剛性を両立した複合振動板
- 高品質音響学設計低歪ウエーブガイドパーツ
- ノズル交換可能設計
地球世界 https://www.chikyu-sekai.com/?post_type=products&page_id=19377 より
ドライバー 第 5 世代 DMT デュアル磁気回路デュアルキャビティダイナミックドライバー 振動板素材 複合振動板 再生周波数 2-48,000kHz THD <0.056%@1kHz94dB インピーダンス 16Ω±5% 感度 126dB/Vrms
第 5 世代 DMT は TANCHJIM PRISM(地球世界のページ)に搭載されてる 第4世代 DMT の後継です。改良がされ、THD(高調波歪率) は 第4世代の<0.15%から<0.056%に減少し、より再現性・定位感に優れているとのことです。
ノズル交換可能なこともポイントです。3つのノズルが付属し、音質を変えることができます。
ちなみに、過去同じようにノズルを交換することができるイヤホンといえば、SIMGOT EA1000 や EarFun EH100がありました。
ギャラリー
付属品はこちら。
- 本体
- ケース
- ケーブル
- ノズル (本体に付属 + 2種)
- イヤーピース 2種 3サイズ
ケースの質がよく、かつ他イヤホンの付属ケースと比べても大きいです。イヤホンに負担をかけずに保管できます。そのほかのものついては以下で詳しくみていきます。
こちらが本体。R側には TANCHJIM のロゴ、L 側には ORIGIN の文字があります。本体の素材は 304 食品グレードステンレス鋼 であり、ツルツルピカピカで美しいですすね。それなりの重みがあり、片側ノズル込みで13gでした。
使ってわかったのですがこのフェイスプレートは指紋・皮脂が目立ちやすいです。布で拭き取ればいいですが取り扱いには注意が必要です。
裏面にはTANCHJIM ORIGIN の文字と L/R 表記があります。さらにR側にはシリアルナンバーの記載もありました。なだらかな段差があり、この段差が耳にフィットします。
ケーブル接続は少し窪みのある 0.78mm 2pinです。ピンの近くにある穴は”ガイド付きリーケージバルブ構造”です。いわゆるベントのようなものでここで空気の流れを制御しています。適切に空気を逃すことで音の広がり、高域の抜けが良くなりそうです。
ノズルが3種類付属しています。このノズルはネジ式で簡単に交換することができます。
S・L・D の表記があり、それぞれ以下のノズルです。内部構造が異なるノズルを付け替えることで音質を変化させることができます。
- S : Standard 標準ノズル
- L : Light ライトクリアノズル
- D : Dynamic ダイナミックノズル
付属のイヤーピースはしっとりとして触り心地で質感がいいです。これは単品でも発売されている TANCHJIM T-APB 気圧バランスイヤーピース(eイヤホン販売ページ) です。その名の通り、内部に独特な窪みがあることで空気を逃し、疲れや音の偏りを軽減してくれます。以下で2種類あります。
- 左の径が狭い方が 低音エンハンスメント用
- 右の径が広い方が 高音エンハンスメント用
付属ケーブルは 0.78mm 2pin 0.35mmジャックです。素材は高純度6N無酸素銅銀メッキです。細くしなやかで使いやすいです。
レビュー
装着感
シンプルな形状ですが、しっかりと耳にフィットします。昨今の3Dプリント樹脂(e.x. qdc SUPERIOR(レビューはこちら))のイヤホンほどではないですが、すっぽりと耳にハマります。遮音性も高いですね。本体はステンレス鋼製でそこそこの重みがあり、安定感があります。そのおかげか音漏れも問題ないですね。安定感はありますが、重みはあるので長時間つけていると疲れてくることもありました。
音質
まずはStandardノズルで聴き込みました。
澄み渡る空間・音粒に艶があり美しい・特に高域が伸びやか、というのが印象です。
中高域・ボーカルが少し近くに感じられ、明るくクールな空間が広がります。音場・空間も広く、晴れ渡った広い草原のようです。余韻は余計に引っ張られることはなくそこそこです。
高域は鋭さはありつつも、不快な刺さりは感じませんでした。ギリギリ刺さらないかなという具合ですので、高域の女性ボーカルだと所々刺さり・ピーキーさを感じるかもしれません。一方低域は他よりも控えめで優しいタッチです。鋭さも高域に比べるとそこまでないですが、存在感はしっかりとあります。ですので、重低音の迫力 ! というはなく、裏から優しく支えてくれるような低音です。
ボーカル曲はもちろん合いますし、加えてピアノの音が特に綺麗に感じられます。ゴリゴリのロックは他に任せたほうがいいですが、生の楽器音を聴くのにもってこいですね。とにかく美しく鳴らしてくれます。
Dynamicノズル に変えると低域のアタック感・曲全体の迫力が増します。高域寄りのバランスだったのが低域もキレ良く、前に出るようになり、低域も高域と同じくらいの存在感になります。Standard ノズルだと何か物足りない場合はこちらがいいですね。
Lightノズル に変えるとより高域が伸び、さらにもう一歩高域の空間が広がります。ORIGIN の特徴をより伸ばしたようです。個人的にはこちらの方がTANCHJIM ORIGIN の得意分野に特化していて好みでした。
(さらにイヤーピースは2種ありますが(高音エンハンスメント用と低音エンハンスメント用)、どちらかと言うとノズルを変えたことによる変化の方が大きく感じられます。)
全く別のイヤホンになるほどではないですが、ノズルを変えることで確かに音の傾向は変わります。イヤーピースとも合わせていろんな組み合わせを試してみるのもいいですね。
カスタマイズ例
今回はより華やかさを高めたくカスタマイズしました。
ノズルは Light ノズルにしました。
イヤーピースは ELETECH BAROQUE にしました。低域・高域をキープしつつ華やかな音で聞きたいときにおすすめです。
リケーブルは NICEHCK LitzPS Pro にしました。素材は 4N 8芯純銀 でより高域を高めてくれます。しなやかで使いやすいのも好ポイントです。
他イヤホンとの比較
今回は同じ3万円台で購入した final A5000、SIMGOT EA1000 と聞き比べてみました。
それぞれのレビュー記事はこちら。
TANCHJIM ORIGIN | final A5000 | SIMGOT EA1000 | |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | 第 5 世代 DMT デュアル磁気回路デュアルキャビティダイナミックドライバー | 6mmφダイナミックドライバーユニット「f-Core DU(エフコアDU)」 | 1DD(ダイナミック)+1PR(パッシブラジエーター) 第ニ世代 DMDC™ デュアル磁気回路・デュアルチャンバーダイナミックドライバー |
インピーダンス | 16Ω±5% | 18Ω | 16Ω±15%(@1kHz) |
音圧感度 | 126dB/Vrms | 100dB/mw | 127dB/Vrms(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 2~48,000Hz | N/A | 10Hz~50kHz |
参考価格(eイヤホン 2024/03/23現在) | ¥37,800 税込 | ¥32,800 税込 | ¥35,100 税込 |
以下が聞き比べた印象です。
TANCHJIM ORIGIN はすっきりとした空間で、やはり高域の伸びが特徴的ですね。この3つの中では一番高域の広がりが感じられました。一方低域は他イヤホンよりも控えめで優しい印象です。派手ではないものの、しっとりと丁寧に鳴らしてくれるというのが、他よりも特徴的なポイントです。
final A5000 もすっきりとした空間ですが、こちらはとにかく漏らさず鳴らす、かつバランスよく均等に鳴らす印象です。他と比べると高域がしっかり出ているにも関わらず低域の重み・アタック感もしっかり十分に感じられます。空間・音場の広さでは他よりは狭め・コンパクトに感じました。やはりfinalの音というのは他とは異なる方向性ですね。
イヤホン本体が非常に軽いのも他2つとの大きな違いです。
SIMGOT EA1000 もまたすっきりした空間です。ノズルが3種あり切り替えられますが、基本的には低域もしっかりと沈み込みがあるのが TANCHJIM ORIGINとの違いです。高域の広がりもありますが ORIGIN よりは控えめです。高域がしっかりと出ている一方、低域はORIGIN の Dynamicノズルより少し強めかなという印象です。音粒の美しさはTANCHJIM ORIGINともにありますが、よりダイナミックなのはSIMGOT EA1000 ですね。
どれもすっきり系の音ですが、その中でもバランス・ダイナミックさ・繊細さで方向性の違いが感じられました。その中でも TANCHJIM ORIGIN は万能型よりかは高域特化型な印象です。
まとめ
TANCHJIM ORIGIN は晴れ渡る空間ですっきりとした美しい音を鳴らしてくれ、かつイヤーピース2種・ノズル3種でカスタマイズもできるイヤホンです。これ一つで聴き比べるもよし、リケーブルとイヤーピースでさらにカスタマイズするもよしな、色々と楽しめるイヤホンですね。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。それではまた次の記事で !