こんにちは ! 今回は SIMGOT EA500 LM の購入・使用レビューです。SIMGOTといえば本サイトでは3つ目になります。価格的には EW200 と EA1000 の中間に位置します。毎度、価格以上の良さを見せてくれるSIMGOTですが EA500 LM はどんなものか、最後までぜひご覧ください。
他の SIMGOT 製品のレビューはこちらです。
おすすめポイント
製品情報
フレキシブルエッジ・リチウムマグネシウム合金ドーム振動板 3種類のチューニング・2 つのターゲットカーブ
フレキシブルエッジ・リチウムマグネシウム合金ドーム振動板
第二世代 DMDCTM 内外デュアル磁気回路デュアルチャンバー・ダイナミックドライバー
3 種類の交換可能な音響ノズル設計
精密で複雑なチューニング・システム
フラッグシップ HiFi の音響性能
高密度合金による頑丈な品質
銀メッキ高純度無酸素銅ケーブル
ゲームや映画鑑賞などオールラウンドに大活躍
快適で安定した装着感
主な仕様
ドライバー
地球世界 https://www.chikyu-sekai.com/?post_type=products&page_id=19410 より
第二世代 DMDC™ 10mm デュアル磁気回路
デュアルチャンバーダイナミックドライバー
振動板素材
リチウムマグネシウム合金複合振動板
周波数帯域
10Hz-50kHz
感度
123dB/Vrms(@1kHz 金色ノズル・赤色リング)
123dB/Vrms(@1kHz 銀色ノズル・赤色リング)
124dB/Vrms(@1kHz 銀色ノズル・黒色リング)
インピーダンス
21Ω±15%(@1kHz)
ケーブル
銀メッキ高純度無酸素銅
コネクタ
0.78mm 2Pin
名前にもありますが、過去の EA500 からさらに変更・改良されたのがこの EA500 LM ということになります。
大きなポイントは ノズル交換システムですが、以前レビューした SIMGOT EA1000 も同じようなノズル交換システムがありました。後述しますが全く同じということでもないようです。
ギャラリー
付属品はこちらです。
- 本体
- ケーブル (0.78mm 2pin 3.5mm)
- イヤーピース 3サイズ
- ノズル (本体に装着済みも含めて 3種)
- ノズルリング予備
- ケース
- 紙類
この価格帯では標準的なセットです。ケースはハードな作りで余裕のあるサイズなのがいいですね。
イヤーピースは SIMGOT EA1000 に付属のものと同じようです。
こちらが本体です。本体は全体が高密度合金メタルでツルツルピカピカな質感です。鏡面仕上げで映えますね。少しグレー味を帯びており、指紋・傷はそこまで目立たない色合いです。
重さは測ると 11g (片側のみ。ノズル込み、イヤーピースとケーブルは含まず) で重さはありますが耳につけると気にならないですね。
フェイスプレート以外もこのように合金メタルでピカピカです。裏側にはそれぞれベントがあります。
ケーブル接続は浅い窪みのある0.78mm 2pin です。特殊な形でもないので幅広いリケーブルが可能です。
付属のノズルは以下の3種です。
- ポップ:金色ノズル・赤色リング(真鍮製)
- クラシック:銀色ノズル・赤色リング(ステンレス鋼製)
- インストゥルメンタル:銀色ノズル・黒色リング(ステンレス鋼製)
レビューで触れますが、手で付け替えることでそれぞれ音質に違いが出ます。
ちなみに、SIMGOT EA1000 (レビューはこちら) も同じように 3種のノズルが付属していたのですが若干違うようです。SIMGOT EA1000 では以下でした。
- ポップ(銀色ノズル・赤色リング)
- クラシック(金色真鍮ノズル・クリアリング)
- インストュルメンタル(銀色ノズル・黒色リング)
なのでポップとクラシックの呼び名が逆のようです。
付属のケーブルは 銀メッキ高純度無酸素銅ケーブル です。細くしなやかで使いやすいです。ところどころブラックとゴールドで高級感があります。
レビュー
装着感
装着感は良好です。ぱっと見シンプルな形状ですが、程よい大きさが耳をしっかりとカバーしてくれます。qdc SUPERIOR だったりとよりカスタムIEMっぽくフィットするイヤホンほどではありませんが十分フィットし、遮音性も高めです。金属筐体なので振動が大きいといったこともなく、音漏れも問題ないですね。
音質
EA500 LM はノズル3種を付け替えることできます。まずは共通の印象からです。
高い解像度、すっきりとした空間、伸びやかな中高域、前に出過ぎずアタック感のある低域といった印象です。
さすがSIMGOTといったところでしょうか、解像度は価格以上に高いですね。EW200も低価格ながらも解像度が高いイヤホンですが、EA500 LM はさらに高く、より明瞭なサウンドです。特にボーカルがリアルで細かな息遣いを感じられます。高音寄りかつボーカルがリアルですが、サ行が刺さるといったことはありませんでした。
全体の印象としてははすっきりめ・あっさりめで余韻もほどほどです。音の輪郭はくっきりしていますが、棘があるほどではなく、ちょうどいい塩梅です。滑らかな音が好き、濃密な音が好きな方には響かないかもしれません。
空間はそこまで広くはなく、左右より上下が多少あるかなくらいです。
ノズルによって多少の違いはあるものの、帯域ごとのバランスとしては大きな偏りはなく、若干高域が強いかなくらいです。幅広く使いやすいバランスですね。低域はほどほどにアタック感があり、しっかりと支えてくれます。(個人的には、もっと中高域寄りかなと思いきや案外しっかりと低域が出て嬉しい誤算でした。)
以下はそれぞれのノズルで聞いた印象です。
ポップ:金色ノズル・赤色リング(真鍮製)
他2つに比べて音が柔らかめになります。(ただし、他のイヤホン(例えば、QoA Vesper2)に比べるとまだくっきりした音です。) 低域も他2つに比べて控えめなので全体的におとなしめでバランスの取れた音ですね。ポップノズルが最も長時間ゆったり聴くのにぴったりです。ローテンポな曲・バラードがいいですね。
クラシック:銀色ノズル・赤色リング(ステンレス鋼製)
一番さっぱりとダイレクトに音を出してくれるようです。ポップノズルよりは低域に強さとキレがあり、音全体が締まります。音粒も硬めにくっきりとしていて、キレと疾走感が強いですね。もっとも味気ないとも言えますが、一番標準的・モニタリング的に聴けるものとも言えます。
インストゥルメンタル:銀色ノズル・黒色リング(ステンレス鋼製)
このノズルは最もドンシャリのような感じで、低域と高域が色濃く強く感じます。クラシックノズルと同様、音は硬めですが、こちらの方がさらに低域と高域が強まり、全体的に派手で味が濃いめになりました。ただし、低域よりは高域の方がやはり前に来るので低音ゴリゴリとまではいかないですね。長時間ゆったり聴くには味が濃くて胃もたれしそうですが、楽しく聴くことができます。これならロックもいけますね。
イヤーピース・リケーブル例
今回はSIMGOT EA500 LM の解像度、艶感を活かすようにしてみました。
イヤーピースは 日本ディックス Pentaconn COREIR -ペンタコン コレイル- AL ALLOY にしました。アルミ合金のコアがあるイヤーピースですが、シャープさと艶感をもたらしてくれます。
リケーブルは SoundsGood Nuada にしました。こちらは 純度99.99% の 4N純銀線のケーブルです。高域がより伸びやかに艶っぽく聴くことできます。また、3.5mm/4.4mm/2.5mm に切り替えることができることでもおすすめなケーブルです。
水月雨 (MOONDROP) Aria 2との比較
今回は価格の近い、水月雨 (MOONDROP) Aria 2 と比べてみました。Aria 2 のレビューはこちらです。
SIMGOT EA500 LM | 水月雨 (MOONDROP) Aria 2 | |
---|---|---|
ドライバー構成 | 第二世代 DMDC™ 10mm デュアル 磁気回路・デュアルチャンバー ダイナミックドライバー | 特許構造ダイナミック TiNセラミックドーム 複合振動板 |
インピーダンス | 21Ω±15%(@1kHz) | 33Ω±15%(@1kHz) |
音圧感度 | 123dB/Vrms(@1kHz 金色ノズル・赤色リング) 123dB/Vrms(@1kHz 銀色ノズル・赤色リング) 124dB/Vrms(@1kHz 銀色ノズル・黒色リング) | 122dB/Vrms(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 10Hz-50,000Hz | 16Hz-22,000Hz (IEC61094,Free Field) |
参考価格(eイヤホン 2024/07/06現在) | ¥15,300 税込 | ¥15,300 税込 |
こうしてみると、スペSIMGOT EA500 LM の方が 再生周波数帯域は広いですね。
以下、聴き比べた印象です。
共通しているのはボーカルがよりリアル・近くに感じられること、高域が強く伸びやかであることです。どちらも特に女性ボーカルが映えるような中高域の伸びやかさがありますね。
帯域ごとのバランスとしては 水月雨 Aria 2 の方がより偏りがないバランスに感じました。SIMGOT EA500 LM は低域がやや控えめに感じますが、(ノズルによっては低域が強かったりもしますが) Aria 2 満遍なく鳴らすようですね。Aria 2 の方がオールラウンダーに使いやすいといえますね。
解像度はやはり SIMGOT EA500 LM の方がありますね。水月雨 Aria 2 も十分解像度はありますが、EA500 LM はさらにもう一段階クリアでした。音の輪郭も EA500 LM はくっきり、Aria 2 は滑らかですので、EA500 LM の方が曇りなく澄み渡っているようでした。
しっとり滑らかな Aira 2、くっきりキリッとした EA500 LM といった印象でした。どちらもいいイヤホンですので好みで選ぶといいと思います。個人的には解像度が高い方が好みですね。
まとめ
やはり SIMGOTはどの価格帯でもどこかに価格以上の良さを持っているなと思わされるイヤホンでした。まだSIMGOTを試したことがない方、おすすめです。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !