こんにちは ! 今回は 水月雨 梅 – MAY のレビューです。付属ケーブルが USB Type Cのもので、スマホに直差しができるほか、アプリでイコライザーのカスタマイズができる一風変わったイヤホンです。その上リケーブルもできるため、カスタマイズ性が高いです! 実際に購入して聴き込みましたのでレビュー書いていきます。ぜひ最後までご覧ください。
おすすめポイント
水月雨 梅 – MAY
- スマホアプリでお好みのイコライザー設定可能。ケーブルに保存してどこでも好きな音を楽しめる。
- アプリでユーザーが投稿してイコライザーをダウンロードして設定可能。自分で投稿することも可能。
- 近く・リアルなボーカル、しっとりとした低域が楽しめる。
- 0.78mm 2pin リケーブル可能
製品情報
サファイア全域ダイナミックドライバー+環状平面駆動高域ドライバー搭載 ユニバーサルリーケーブル可能なイヤホン
- カスタマイズされたオーディオチップ・最大32Bit/384kHzまでの高解像度PCMデコード
- 5つのプリセットチューニング 斬新なオンライン・インタラクティブDSP
- 医療グレード樹脂筐体の高精度3Dプリント構造 マルチモデルサンプル人間工学設計
- USB Type-C 有線接続
- ユニバーサルリーケーブル可能な設計
地球世界 https://www.chikyu-sekai.com/?post_type=products&page_id=19343 より
ドライバー構成 ハイブリッド型
(10mm サファイアダイナミック+ 6mm 環状平面駆動)感度 120dB/Vrms(@1KHz) インピーダンス 30Ω±15%(@1KHz 再生周波数帯域 7Hz-39,000 Hz
(IEC61094,Free Field)
ドライバーはハイブリッド構成で、一つはサファイア蒸着層複合フレキシブルサスペンション振動板というものです。これまたすごい名前ですが、新開発で”広帯域で滑らかなレスポンスと高速トランジェントの超低歪みを実現する”とのことです。
さらに特徴的なのが先述したように付属ケーブルはアプリでイコライザーを書き込める点です。これにより、どの接続先でもお好みの調整をした音を楽しむことができます。
USB Type C ですのでイヤホンジャックがないスマホにもそのまま挿してすぐに音楽を聴くことができます。
ギャラリー
水月雨といえば毎度のごとくイラストが美しいです。梅 – MAY は細かく書き込まれた可愛らしいデザインです。捨てられないですね。。
付属品は以下です。
- 本体
- イヤーピース (3サイズ)
- ケース
- ケーブル (0.78mm 2pin – USB Type C) (Lightning 端子への接続には別途変換アダプターが必要です。)
- 他紙類
昨今のイヤホンでは標準的なセットですね。イヤーピースはサラッとした質感の3サイズ入りです。
ケースは 水月雨 Aira2(レビューはこちら) のものと同じようです。
こちらが本体。お花が散りばめられた、美しい鏡面仕上げのフェイスプレートです。(画像は模様を見やすくするため黒く写っています。)ただし模様はプリントされたもので削ると取れそうなので注意が必要です。
本体は “医療グレード樹脂筐体の高精度3Dプリント構造” となっています。多くのイヤホンはレジンや樹脂でツルツルとしていますが、梅 – MAY はマットでサラサラとしており、高級感があります。耳への負担も軽いですね。
最近は多いですが3Dプリント構造で耳にフィットしてくれます。
ノズルはフィルター付きで本体から地続きのものです。ただしこのノズルが太めで、付属のイヤーピースをつけるのにも苦労します。付けられるイヤーピースも限られます。
ケーブル接続はほぼフラットは0.78mm 2pinです。特殊な窪みもないのでリケーブルしやすいです。
こちらが付属のケーブルです。0.78mm 2pin と USB Type C の組み合わせです。
R側にはマイク付きリモコンが付いており、以下の操作が行えます。
- 中央ボタン 1クリックで再生/停止/通話受話/終話、2クリックで曲送り/拒否、3クリックで曲戻し
- +ボタンで Volume UP
- -ボタンで Volume DOWN
ケーブルの見た目は水月雨 Aria2(レビューはこちら)に付属のものと似ており、材質も同じものと思われます。
ちなみに、このケーブル単体でも 水月雨 Free DSP として販売されています。イヤホン本体は不要でより手頃にこのケーブルとアプリだけ試してみたい方は単体でも購入可能です。
レビュー
アプリ
アプリのダウンロードはこちらから。
画像のように MOONDROP LINK でできることは以下の通りです。
- プリセットの中からイコライザーを設定
- 自分で一からイコライザーを調整し作成、投稿も可能
- 公式のイコライザーをダウンロードして適用する
- 他のユーザーが投稿したイコライザーをダウンロードして適用する
イコライザーを一から作ることもできるのですが、入力する項目が多く、かつ手入力でやる必要があるので正直とっつきにくいです。(せめてグラフを直接いじれるとやりやすいのになあ..)ですので、まずは公式や他のユーザーのものを色々ダウンロードして試してみるのがいいですね。特に他のユーザーのものはIE900だとかFW10000だとか、色々投稿されていて面白いです。ダウンロードして設定すれば音の印象が毎度ガラリと変わります。
アプリはiOSでは使えず、Androidでイコライザーを設定した後であればケーブルに保存されているため他の機器でも設定したイコライザーで楽しむことができます。
アプリで設定したイコライザーはケーブルに保存しているため、0.78mm 2pin のイヤホンであればどれでも使うことができます。例えば、水月雨 Blessing3(レビューはこちら) にこのケーブルを接続してイコライザー調整を楽しむなんてことも可能です。(もちろん水月雨以外のイヤホンでも使えます。)
装着感
耳にピタッとハマり、装着感は良好です。本体がピタッとはまってくれるのでイヤーピースが小さめでも良いですね。サイズはそこまで大きくなく、耳からあまり飛び出さないです。遮音性も高く、音漏れも問題ありません。
音質
(イコライザーはデフォルトの “Standard” で聴いた印象です。)
深くパワーのある低域・2歩くらい前に出た近くリアルなボーカル・控えめながらもキラキラな高域というのが印象です。
まず一聴して驚いたのが意外にも深くアタック感のしっかりした低音です。可愛い顔して案外パンチが強いです。バスドラムやスネアのドスッとした音が力強く鳴ります。この低域が一番印象的でした。
さらにボーカルが近いのも特徴的です。他の音源よりも2歩くらい前に出たような印象でかなり近く感じました。「ボーカルが近い」イヤホンは多々ありますが、その中でもより近く感じます。近いこともあり、ボーカルのリアルさ、生々しさ(特に女性ボーカル)はさすがの水月雨といったところでいい塩梅です。
低音・ボーカルが前に来るので高音は控えめに感じますが、きちんとキラキラした高音が十分残っているようでした。
(もちろん上記の印象はアプリでイコライザーを調整すれば全然変わるものですので、あくまでもデフォルトの印象ということになります。)
音場の空間はそこそこ縦に広く、解像度は(ワンランク上の3万円台イヤホンと比べると少し劣りますが)十分にあります。
次に試しに、ケーブルを色々変えて 梅 – MAY の音を聞いてみました。
付属ケーブルのイコライザーなしだと先ほどの 傾向は抑えめになり、バランスよく聞きやすい印象です。低音は落ち着き優しく、ボーカルは少し引いたもののまだ近く、高域は少し前に出たようです。水月雨 Aira 2 (レビューはこちら) では均等にバランスがいいとレビューしましたがそれよりかは低域とボーカルが近いです。リケーブルして初めて本体の音の傾向がわかりました。
このように、メインはアプリでイコライザーを変えて楽しむものですが、リケーブルして 梅 – MAY 本体の音を楽しむのもありですね。
カスタマイズ例
ノズルが太いため、イヤーピースは柔らかめのものがおすすめです。
低音の良さを活かすため、radius ディープマウントイヤーピース ZONE にしました。柔らかく透明度が高く綺麗です。柔らかなフィット感と独自の形状で特に低音をキープしやすいです。
梅 – MAY はイコライザーで調整して楽しむものなのですが、リケーブルも可能です。今回はBIGMANGO Amber が好みでした。全体的に底上げしてくれるようで使いやすいケーブルに思います。
他イヤホンとの比較
付属のケーブルはアプリで音の傾向は変わります。本体の音の傾向の参考として、今回は上記のカスタマイズしたもので比べてみました。比較対象は手持ちの中で価格と音の傾向が近い、QoA Vesper 2 と EarFun EH100 です。
水月雨 梅 – MAY | QoA Vesper 2 | EarFun EH100 | |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | ハイブリッド型 (10mmサファイアダイナミック+6mm環状平面駆動) | 中低音域:10mm ダイナミックドライバ 高域:Knowlesバランスドアーマチュアドライバ 合計2ドライバハイブリッド | 同軸DD×2 + BA×1 |
インピーダンス | 30Ω±15% (@1KHz) | 23Ω | 16Ω |
音圧感度 | 120dB/Vrms (@1KHz) | 114db | 103dB/1KkHz |
再生周波数帯域 | 7Hz-39,000Hz (IEC61094,Free Field) | 20Hz~20kHz | 16Hz-40kHz |
参考価格(eイヤホン 2024/03/30現在) | ¥11,070 税込 | ¥12,480 税込 | ¥12,980 税込 |
聴き比べた音の印象は以下の通りでした。
水月雨 梅 – MAY は中低域寄りですが、この中では一番高域のキラキラ感がありますね。そのおかげかボーカルが近いながらも全体的には明るい空気で聴くことができます。
QoA Vesper 2 は音粒が滑らかで余韻が多めです。この中では特に横に空間が広く、上品でまろやかな音で包み込んでくれます。帯域ごとのバランスとしては若干低域よりかなぐらいで、そこまでの偏りはない印象でした。万人におすすめしやすいですね。
EarFun EH100 は低域が深く重く、ボーカルが近いです。先述した 梅 – MAY の “Standard” イコライザーに近いですね。しかし EH100 の低域の方がより深く重くより響く低音で、凄まじい迫力があります。
今回は中低域寄りなイヤホン達で聴き比べてみました。梅 – MAY は水月雨らしく、高域の明るさを改めて感じさせられました。
まとめ
アプリでイコライザーを書き込めるケーブルという、あまりなかったイヤホンの 梅 – MAY でした。本体もイヤーピースとリケーブルでカスタマイズを楽しめますし、付属のケーブルを別のイヤホンにつけてイコライザーを変えることもできます。これ一つ買えばこのイヤホンでも、お手持ちのイヤホンでも楽しめる、面白い製品です。試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !