こんにちは ! 今回は HiFiGo JP 様より提供いただいた、Kinera Celest Relentless のレビューです。本サイトでも Kinera Celest のイヤホンは複数レビューしてきましたが、毎度個性的な印象です。今回の Kinera Celest Relentless も 1DD + 6BA と面白い構成です。ぜひ最後までご覧ください。
本サイトでレビューした、Kinera Celest のイヤホンはこちら。
おすすめポイント
製品情報
HiFiGo https://hifigo.com/products/kinera-celest-relentless より
先にも書いたように、1DD + 6BA のハイブリッドドライバーです。6BA は2種が含まれており、Celest Custom 29689 units x 2 (中高域) + Celest Custom 10012 balanced armature drivers x 4 (高域) の構成です。
ギャラリー
付属品はこちら。
- 本体
- ケーブル (0.78mm 2pin)
- 4.4mmバランスジャック、3.5mmアンバランスジャック
- ケース
- イヤーピース (3種)
- メタルブックマーク
- クリーニングツール
Kinera Celest ではお馴染みのメタルブックマークが Relentless にも付属しています。
イヤーピースも3種、ハードなケース、クリーニングツールも付属しており、付属品は多いです。
付属のイヤーピースは 3種です。左から、
- Celest 221 Vocal Eartips
- Celest 608 Balanced Eartips
- Celest Custom Foam Tips
です。左 2つは Kinera Celest Plutus Beast (レビューはこちら。)のものと同じですね。新しくフォームタイプも付属しています。フォームタイプのイヤーピースを同梱するイヤホンは多くないですね。それだけフォームタイプで聴いてほしいということかなと思います。
付属のケーブルは 3.5mm/4.4mm に切り替えることができます。上の画像のように、4芯のプラグを取り外して交換する形式です。1箇所窪みがあることで、どの方向で刺せばいいのかわかり、かつ、間違った方向だと最後まで刺さらないようになっています。わかりやすいですね。
こちらが本体のフェイスプレートです。暗めのブルーに鮮やかな模様で映えますね。Kinera Celest Plutus Beast に続き、こちらも手描きということで個体ごとに異なる精巧な模様になっています。
本体はフェイスプレートも含めてレジン製で滑らか・ツルツルとした質感です。イヤーフィンのような出っ張りが耳にフィットしてくれます。厚みは多少ありますね。
ケーブル接続はフラットな 0.78mm 2pin です。特殊な窪み・出っ張りなくフラットですので使いやすいですね。
レビュー
装着感
耳と触れる部分が滑らかなカーブで程よくフィットしてくれます。一度つければ耳に密着し一体感があります。
ですが、本体が厚く大きいため、耳が小さい方だったり、イヤホンはコンパクトな方がいいという方にはおすすめできなさそうです。耳が大きめな自分はピタッとハマっていますがイヤホンの存在感はありますね。大きい筐体で耳を塞ぐようなタイプで、少しはみ出ます。一度はめてしまえば遮音性は高く・音漏れも問題ありません。
音質
しっかりどっしりと沈む低音とそれに埋もれず存在感のあるクリアな中高域が特徴的です。
帯域のバランスとしては低域強めのドンシャリといったところです。空間の中心でグッと強めの低音が全体を支えるように鳴ります。これ以上強いと重い・濃いかなと思う手前でいい塩梅の量感です。下から支えるような低音のイヤホンは多々ありますが、Kinera Celest Relentless は頭の中心で低音が深く強くなっているような印象です。これまで聴いていた曲でも埋もれていた低音が引き出されたような感覚です。滑らかな音で広い低音です。
一方、中高域は低音に埋もれずしっかりと鳴っていますが、低音とは打って変わってクリアで見晴らしがいいですね。ボーカルも男性・女性ボーカルともにクリアで伸びやかに聴き取れます。水月雨やTANCHJIMといった高音キラキラなイヤホンに比べるとそこまでの伸びはありませんが、十分にクリアです。ですが、低域がやはり一番近く強く、中高域はそれより一歩引いたようなバランスに感じました。オーケストラは迫力があり、ロックはノリよく楽しく聴けます。
全体の解像度は十分に高く、空間も低音のおかげか、横に広く感じます。中高域には鋭さも感じますが、刺さるまではいかず、不快さを感じませんでした。解像感・分離感はそこそこで音数が多いとごちゃつくような印象もあったので、モニタリングというよりリスニングに向いていますね。
1DD + 6BA という構成ですが、チグハグ感なく各帯域しっかりと埋もれることなく鳴らし、迫力とクリアさをうまく共存させていますね。
カスタマイズ例
今回は Kinera Celest Relentless の 低音の良さを活かしつつ、より派手さ・華やかさを加えてみました。
イヤーピースは adius ディープマウントイヤーピース ZONE が好みでした。透明なイヤーピースで柔らかな傘がピタッと耳に吸い付いてくれます。低音を活かしてくれるので、Kinera Celest Relentless のように装着感がよく低音が強めにイヤホンにピッタリです。
リケーブルは BIGMANGO Undine が好みでした。見た目がすでに派手ですが、音質としても金メッキ・銀メッキで柔らかさと華やかさを足してくれます。
qdc SUPERIOR EX との比較
価格帯が近く、直近発売された qdc SUPERIOR EX と聴き比べてみました。
qdc SUPERIOR EX は購入して聴いており、後日レビュー記事を投稿予定です。
Kinera Celest Relentless | qdc SUPERIOR EX | |
---|---|---|
ドライバー | 1DD + 6BA | ダイナミック型(10mm径シングルフルレンジ) |
インピーダンス | 27Ω | 16Ω |
音圧感度 | 105gB | 100dB SPL/mW |
再生周波数帯域 | 20Hz ~ 20kHz | 10Hz ~ 40KHz |
参考価格 (Amazon.co.jp 2024/06/08現在) | ¥27,822 税込 | ¥29,700 税込 |
Kinera Celest Relentless は 7基(1DD + 6BA)、qdc SUPERIOR EX は 1基(1DD) とドライバー数が異なります。Kinera Celest Relentless はインピーダンス高めでよりパワーが必要、再生周波数帯域は狭めといった違いもあります。
聴き比べた印象です。Kinera Celest Relentless はここまで書いたようにやはり低域が強く、深さがあります。一方、それに比べて qdc SUPERIOR EX は低域に深さ・強さはありつつも、中域・ボーカルの方がさらに強く前な印象です。低音の深さ・強さ・迫力は Kinera Celest Relentless の方がややあります。
中高域のクリアさはさすが 6BA といったところでしょうか、Kinera Celest Relentless の方がよりクリアで鋭く感じられました。qdc SUPERIOR EX も十分クリアですが、中域と低域の方が量が多く、それに比べると高域が控えめな印象です。
全体のまとまり・一体感は qdc SUPERIOR EX の方があるように感じました。Kinera Celest Relentless と聞き比べると 1DDでローからハイまでまとまりがよく、より違和感なく聴きやすいですね。
まとめ
毎度個性的なイヤホンをリリースする Kinera Celest ですが、今回の Kinera Celest Relentless は1DD + 6BA のドライバーをそれぞれしっかり活かしたイヤホンだと思います。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !