final の Aシリーズを代表する2モデル、A5000 と A6000 を実際に聴き比べて徹底比較します。どちらも自社開発ドライバー「f-Core DU」を搭載した有線ダイナミックイヤホンですが、価格差は約2万7千円です。その差はサウンドにどう反映されているのか、スペック・音質・装着感・付属品の観点から解説します。
本記事では final A5000 と final A6000 を実際に購入・試聴した筆者が、スペック比較・音質の違い・装着感・付属品の差・それぞれに向いている人について記載しています。
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final A5000 vs A6000 比較まとめ

- final A5000 : キリッとした輪郭の高解像度サウンドとスッキリ爽やかなクリアさが魅力
- 向いている人: クリアで解像度重視、スピーディな曲をキレよく聴きたい方
- 向いていない人: 迫力・余韻・艶を求める方
- final A6000 : 細やかな音粒に滑らかさと艶を加えた、上品で生々しいリアルサウンド
- 向いている人: 生楽器の再現性重視、あらゆるジャンルを上品に・丁寧に聴きたい方
- 向いていない人: 圧倒的なダイナミックな迫力を求める方
final A5000 vs A6000 スペック比較


| 項目 | final A5000 | final A6000 |
|---|---|---|
| ドライバー | ダイナミック型(f-Core DU) | ダイナミック型(f-Core DU)+ステンレスマウントフレーム |
| インピーダンス | 18Ω | 18Ω |
| 音圧感度 | 100dB/mW | 101dB |
| 再生周波数帯域 | メーカー情報なし | メーカー情報なし |
| 筐体素材 | ABS樹脂(シボ加工) | ABS樹脂(ハードグレイン加工) |
| ケーブル | ソフトシルバーコートケーブル | ソフト単結晶銅ケーブル(L字) |
| 付属イヤーピース | TYPE E 5サイズ | TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様 5サイズ |
| 重量 | 約22g | 約24g |
| ケーブル長 | 1.2m | 1.2m |
| ケーブル接続 | 0.78mm 2pin | 0.78mm 2pin |
| 参考価格(e☆イヤホン)(価格は変動することがあります) | ¥32,800 税込 | ¥59,800 税込 |
基本スペックは非常に近く、ドライバーも同じ f-Core DU です。大きな違いはA6000に「ステンレスマウントフレーム」が追加されている点と、付属ケーブルとイヤーピースの仕様変更、そして約2万7千円の価格差です。
外観・付属品の違い
デザイン

どちらもシンプルなブラック一色のデザインで、形状はほぼ同一です。ぱっと見では見分けがつかないほど似ていますが、表面加工が異なります。A5000 はサラサラとした「シボ加工」、A6000 はザラザラとした「ハードグレイン加工」です。見ただけではわからないですが、触ればどっちがどっちかすぐに分かります。
重量は片側本体のみで A5000 が約2g、A6000 が約3g と、実用上は両者ともに(有線イヤホンの中でも)非常に軽量です。こんなに軽いのにこんな音が出るのかと驚かされました。
付属ケーブルの違い

付属ケーブルに大きな差があります。共通してどちらも(他の有線イヤホンケーブルと比べても)非常に柔らかくしなやかです。
- A5000: ソフトシルバーコートケーブル。A5000のために新設計された、8芯のシルバーコートOFC線のケーブルです。しなやかで取り回しが良いです。ちなみに、4.4mm も販売されています。筆者が購入した時点ではI字プラグでしたが、final 公式では”※2023年10月27日(金)ご注文分より、プレーヤー側3.5mmプラグの形状が、I型からL型に仕様変更となりました。” とのことですので、L字の場合もあります。
- A6000: ソフト単結晶銅ケーブル(L字プラグ)。こちらも非常にしなやかでクセがない、新開発された単結晶銅のケーブルです。こちらは残念ながら 4.4mm は販売されていません。
付属イヤーピースの違い

A6000 には有線イヤホンにも関わらず、あえて完全ワイヤレス専用の背が低い TYPE E が付属しています。finalの開発秘話によると、A6000 の音質狙いに最適なイヤーピースとしてこれを選んでいるとのことで、音質面でのこだわりが感じられます。A5000 の TYPE E 通常仕様とは装着の感覚も音の広がりも変わってきます。開発秘話でもあるように、TYPE E だとイマイチな場合は、背の低い完全ワイヤレス用 TYPE E, もしくは final FUSION-G などの背の低いイヤーピースを試してみるのも良いでしょう。
finalの開発秘話はこちらから。

装着感の比較


形状も重さもほぼ同じですので、大きな違いはありません。どちらも非常に軽量コンパクトで、長時間装着しても疲れにくいです。コンパクトな本体が耳にすっぽりと収まり、耳からの出っ張りも少なくスッキリとした見た目です。
Aシリーズは final の「3点保持」(耳道・耳珠・耳ポケット)を意識した装着が推奨されており、奥まで差し込むよりも耳の入り口でフィットさせると高域がよく広がります。付属の背の低い専用イヤーピースも、この装着感を意識した設計です。
遮音性はどちらもそれほど高くはなく、がっつり密閉するタイプではありませんが、不思議と耳にスッとハマり、自然な装着感で音楽に集中できます。
音質比較 : スッキリ爽やかな A5000 vs 滑らかで上品な A6000
この2つの相対的な音質イメージグラフはこちらです。
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
共通する魅力 : f-Core DU ドライバーによる細やかな音粒と高い解像度
どちらも f-Core DU ドライバーによる「細かな音粒」と「高い解像度・分離感」が共通の魅力です。情報量が多い曲でも各パートが混ざりにくく、1音1音を漏らさず丁寧に鳴らしてくれます。余韻を余計に引っ張らず淡々と鳴らすクリアさも、両者に共通する final らしさです。
音の輪郭・質感の違い
ここが2本の最も大きな違いです。
A5000 は輪郭がキリッと鋭く、ドライでスッキリとした質感です。ですが刺々しさはなく、聴きやすくもソリッドなサウンドです。余韻は少なめで、粒断ちが良くサッパリとしています。クリアで爽やかで、EDM やロックなどテンポ感のある曲や、アニソン・ボカロといったトラックの多い楽曲でも情報量を落とさず、リズムを損ないません。A6000に比べるとデジタルチックな印象です。
A6000 は同じく高解像度でありながら、そこからさらに音粒に滑らかさと艶が加わっているように感じます。A5000 よりも少しの丸みがあり、上品に聴きやすくなっています。ギター・チェロ・バイオリンといった弦楽器の響きがリアルで、生の楽器音の再現性が特に高く感じられます。サッパリしすぎず、でも艶っぽくなりすぎずの絶妙なバランスです。A5000に比べるとアナログチックな印象です。
低域の違い
どちらも全体のバランスを保つ程度の低域を持っていますが、質感が異なります。
A5000 のはやや濃いめで存在感がありますが、迫力・重みよりもバランスを重視しているようです。深すぎず、タイトでスピーディです。
A6000 の低域は量はそこまで多くありませんが、やや重み・厚み・広がりがあり、生っぽく感じられます。ドラムのキック、ベースラインをより力強く鳴らし、ロックやポップスでも軽すぎることなく楽しめます。この低域の重みによって、全体的に音の濃さ・実在感が増しています。
中高域・音場の違い
中高域はどちらもクリアで広がりがありますが、A6000 の方が空間が広く感じられます。特に左右への広がり感は A6000 の方が豊かで、付属の 3.5mm アンバランス接続でも広い空間を楽しめます。A5000 も自然な音場を持っていますが、やや素直にまとまっている印象です。A5000 は広がりよりも伸びを感じます。煌びやかさ、キラキラ感は A5000 の方が強く感じました。
まとめ : どちらを選ぶ?
| 観点 | final A5000 | final A6000 |
|---|---|---|
| 音の輪郭 | キリッと鋭い | 滑らかで丸み |
| 質感 | ドライ・スッキリ・デジタルチック | 上品・艶あり・アナログチック |
| 低域 | バランス寄り | どっしりとした重み |
| 音場 | 自然にまとまる | 左右の広がり大 |
| 生楽器の再現性 | 高い | より高い |
| 向くジャンル | (オールジャンル楽しめるが特に)ロック・EDM・アニソン・ボカロ・スピーディな曲 | (オールジャンル楽しめるが特に)生楽器・あらゆるジャンル |
| 参考価格(e☆イヤホン)(価格は変動することがあります) | ¥32,800 税込 | ¥59,800 税込 |
どちらを選ぶべきか
クリアで爽やか、キレよく聴きたいなら A5000
「細かな音をキレよくスッキリと聴きたい」「スピーディなロックや EDMといった現代的な楽曲をテンポよく楽しみたい」「解像度・分離感最優先で、コストパフォーマンスも重視したい」という方には final A5000 が良いでしょう。約3万3千円という価格でこの解像度・分離感を実現しているのは非常に高コスパで、入門〜中級機として非常に優秀な選択肢と思います。
上品で滑らか、生楽器を本当にリアルに聴きたいなら A6000
「生楽器の響き・弦のリアルさを追求したい」「あらゆるジャンルを上品で聴きやすいサウンドで楽しみたい」「より豊かな低域と広い音場を求める」という方には final A6000 が良いでしょう。A5000 で感じる「もう一段の艶やかさ・深み」を求めるなら、A6000 は良い選択肢になります。
A5000 ユーザーが A6000 に移行すべきか
もし A5000 を使っていて「滑らかさ・艶が欲しい」「低域にもう少し重みが欲しい」「生楽器の再現性をもっと高めたい」と感じているなら、A6000 を買っても良いと思います。ただし「スッキリとしたキレが好き」「A5000 で満足している」という方はあえて買い替えなくても良いかもしれません。A5000 の時点でも十分良い音ですし、ここまで書いたように傾向には少なからず違いがあるため、必ず上とも言えません。一番は試聴してみて選んでみてもらえればと思います。
final A5000 vs A6000 比較まとめ
同じ f-Core DU ドライバーを搭載した final A5000 と A6000 ですが、ステンレスマウントフレームの追加・付属ケーブル・イヤーピースの変更などにより、サウンドは明確に異なります。A5000 はスッキリとしたキレと高い解像度、A6000 は滑らかさと艶を加えた上品な生々しさが最大の魅力です。
どちらも final らしい「細かな音粒を漏らさず鳴らす」という姿勢は共通しており、その上でどちらの味付けを好むか、予算とのバランスで選べば間違いありません。
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