こんにちは ! 今回は先日購入した完全ワイヤレスイヤホン final ZE3000 SV のレビューです。本サイトでは final は有線イヤホンのレビューはしてきましたが、完全ワイヤレスイヤホンは初めてです。今回の ZE3000 SV は低価格ながらfinalらしく音はしっかりいい音を聴かせてくれるワイヤレスイヤホンでした。ぜひ最後までご覧ください。
本サイトでレビューしている final 製品はこちらです。
final ZE3000 SV おすすめポイント

- 重さは非常に軽く、軽いフィット感
- クリアで高い解像度・キレ、パンチのある中低音、広大な空間
- アプリでイコライザー調整可能
final ZE3000 SV 製品情報
音質に特化したZE3000の全てが進化
「コンフォートANC」搭載の新モデル進化した自社開発ドライバー「f-Core SV」搭載
筐体内部圧力の最適化する「f-LINKポート」搭載
音質と遮音性能を両立した「コンフォートANC」搭載
風ノイズを低減する「ウィンドカットモード」搭載
高音質コーデック「LDAC」対応 ワイヤレスでハイレゾ音源の再生が可能
「ゲーミングモード」搭載
マルチポイントに対応
※マルチポイントをONにすると、高音質コーデック「LDAC」は使用できません。ケースから取り出しやすい「簡単キャッチ設計」を採用
圧迫感の少ない快適な装着感
至上最高の装着感を実現するイヤーピース
IPX4の生活防水対応
専用アプリ「final CONNECT」に対応
片耳モード搭載
final https://final-inc.com/products/ze3000-sv-jp より
通信方式 Bluetooth® 5.3 対応コーデック SBC、AAC、LDAC 連続音楽再生時間 イヤホン本体:最大7時間 / ケース込み:最大28時間(ANC ON時) 充電時間 イヤホン本体 約1.5時間、充電ケース込み 約1.5時間
※イヤホン本体は急速充電に対応しており、10分の充電で約1時間の使用が可能バッテリー容量 イヤホン本体 40mAh、充電ケース 400mAh 防水性能 IPX4

final ZE3000 SV ギャラリー
付属品・本体

内容物はこちらです。
- 本体
- 充電ケース
- イヤーピース (final TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様) 5サイズ
- 他説明書等
シンプルな内容です。充電ケーブルも付属していないので充電には別途ケーブルが必要です。finalといえばイヤーピースのケースが付属していることもありますがこちらには付属していないのは惜しいですね。

付属のイヤーピースは単体でも販売されている final TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様 です。背が低め、傘が薄く柔らかいシリコンタイプのイヤーピースです。クセがなく使いやすいです。

ケースと本体はブラックでクールなデザインです。ケース・本体ともに表面は(final A5000と同様の)シボ加工がなされ、サラサラとした肌触りです。指紋も目立ちません。
コンパクトなサイズで非常に軽いのもポイントです。測るとケース+本体込みで39g, 片側のみで4gほどでした。有線イヤホンと比べても軽いです。(これにバッテリー・チップがそれぞれ入っているとは思えない軽さです。)


ケースは丸みを帯びたシンプルな形状です。自立はしないです。表面には小さいLEDインジケーターが一つ、底には充電用の Type-C ポートとボタンが一つあるます。ボタンは2回押しでペアリングモード以降、長押しで本体リセットができます。



本体も丸くワイヤレスイヤホンにしてはシンプルな形状です。表には final のロゴ、側面には final ZE3000SV の文字があります。
本体はタッチ操作で以下の各種操作をすることができます。
- R
- 1回タップ : 再生・停止
- 2回タップ : 音量を上げる
- 3回タップ : 次の曲へ
- L
- 1回タップ : ノイズキャンセリング・ながら聴き切り替え
- 2回タップ : 音量を下げる
- 3回タップ : 前の曲へ
- L/R 共通
- 長押し : ウインドカット
- 1回押し : 受話
- 2回押し : 終話
- 3回押し : 着信拒否
- 5回押し : 接続先の音声アシスタント
後にも書きますが、この操作はアプリで変更できないのでこれを覚えてこの通りで使う必要があります。final CONNECTアプリで取扱説明書を見て確認することもできます。
ちなみに片耳で使う場合は片方に音声がミックス(モノラル化)され、以下の操作ができます。
- L or R
- 1回タップ : 再生・停止・受話
- 2回タップ : 終話
- 3回タップ : 着信拒否
- 5回押し : 接続先の音声アシスタント

成人男性が耳につけるとこのようになります。本体は丸くコンパクトで耳への収まりがいいですね。耳からの飛び出しも少なめです。
final CONNECT アプリ
ZE3000 SV はAndroid/iOSアプリ final CONNECT に対応しており、各種設定を変更したり、ファームウェアアップデートをすることができます。




できることは以下の通りです。
- ノイズコントロール OFF/ON(ノイズキャンセリング or ウインドカット or ながら聴き)
- 7バンドイコライザー
プリセットはなく、OFF or CUSTOM のみ。 - ゲーミングモード OFF/ON
- マルチポイント OFF/ON
- ファームウェアアップデート
- 他設定
- 音声ガイダンス言語(日本語 or English)
- 音声ガイダンス・電子音 OFF/ONN
- タッチセンサー OFF/ON
アプリに対応しているということでファームウェアアップデートで追加・改善される(見込みがある)のは嬉しいポイントです。(低価格では対応していないこともある)
(レビューでも書きますが)アプリに対応しているのにタッチ操作のカスタマイズができないのは惜しい(というか珍しい?)ですね。せっかくならできた方がありがたいです。
また、イコライザーにプリセットがない、CUSTOMも1つしか保存できないのは勿体無いですね。ちょっと変えてみたいと思った時にCUSTOMしかないのは不便かなと思いました。
レビュー
(Xperia 1 VI で使用。イコライザーはOFFで視聴。)
装着感 : しっかりフィット。しかも軽い。
ぱっと見丸い本体ですがいい感じに耳にフィットします。耳にしっかりと固定されつつも肌に触れる部分は少なめなので籠った感じもありません。なかなかいい装着感ですね。本体が非常に軽いこともあり長時間でも着けやすいと思います。音漏れもほとんどせず、遮音性もしっかり装着すれば高いです。
ノイズキャンセリング・外音取り込み : 音質を優先してかやや弱め。
(1万円台前半ということを鑑みると)価格相応かやや弱いかなくらいです。ノイズキャンセリングは中低域の定常的なノイズはしっかり抑えてくれますが、外では人の話し声、車の走行音等はカットされません。没入というよりはBGMのようです。音質への影響と圧迫感は抑えられているので、強いノイズキャンセリングが苦手な人にはZE3000 SVはおすすめですね。
外音取り込みも同じで、一応外の音は聞こえますが全体的に篭っています。価格相応といったところです。一応、人と普通に会話することはできました。
他機能面 : タッチ反応キビキビで良し。カスタマイズできないのは惜しい。
タッチ操作は平面のタッチでやりやすく、かつ反応も早いので使いやすいです。ノイズキャンセリングと外音取り込みは筆者は外で切り替えることが多いのですが、(他のイヤホンだと切り替えに時間がかかることがありますが)ZE3000 SV はワンタッチでスッと切り替えできます。だからこそ、かつアプリにも対応しているのにタッチ操作のカスタマイズができないのは惜しいですね。(覚えればいいのですが)
そのほか惜しいのは装着検出にも対応していない点です。まあ価格を考えると対応していないイヤホンも多いので仕方ないかもしれませんが、耳から外したら一時停止かつタッチセンサー無効になると良かったです。
もう一つ惜しい点はマルチポイントだとLDACが使えない点ですね。同じくらいの価格でもできるイヤホンはあるのでできれば対応して欲しかったです。(Androidスマホともう一台で使いたいといった需要は多いはず。)
とまあ機能面で足りない不満点もありますが、価格的には標準的とも言えます。
音質 : キレのいい音粒と広々とした空間がポイント。
個人的音質イメージはこちらです。

クリアでキレのいい音粒・余韻控えめでスッキリサッパリな雰囲気・広々とした音空間・パンチとキレのある低音と高音が印象的です。
一聴してまず感じたことは1音1音の立ち上がり下がりが早く、音粒のキレが良いですね。解像度・分離感が高く、1音を細やかに聴くことができます。このクリアさはこの価格以上に思いました。有線イヤホン同様、finalらしいクリアさですね。
音の空間もかなり広めに感じられます。特に横方向の広がりがやたらと広く感じられます。はっきりとした音粒がパラパラと広がって配置されているようですね。圧迫感のない装着感も相まって頭の周りに広々とした空間を感じることができます。
音のバランスとしては中低音と少し強めでパンチ・キレがあります。ドラムがバシッとなりますね。本体は軽いのですが音は案外濃いめ・重めです。ポップス・ロックをノリよく楽しく聴けるバランスですね。一方高音の伸びはほどほどで、高止まりを感じました。もちろんイコライザーで高音を強めることもできますが、無理に上げるとざらつきや棘を感じたりもしたので、高音の表現力はやや弱いところかなと思いました。
完全ワイヤレスイヤホンの中では価格が低めで機能面も少なめですが音質だけはしっかりとこだわられており、finalらしいイヤホンですね。

SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ との比較
今回は価格の近い SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ との比較です。SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ のレビューはこちらです。

final ZE3000 SV | SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ | |
---|---|---|
ドライバー | f-Core SV | MEMSドライバー + 12mmダイナミックドライバー |
対応コーデック | AAC,SBC,LDAC | AAC,SBC,LDAC |
連続再生時間(設定によって異なる場合があります) | イヤホン本体:最大7時間 / ケース込み:最大28時間(ANC ON時) | 最大6.5時間/ケース込み最大43時間 |
ノイズキャンセリング | 対応 | 対応 |
マルチポイント | 対応(LDAC併用不可) | 対応(LDAC併用不可) |
装着検出 | 非対応 | 非対応 |
ワイヤレス充電 | 非対応 | 非対応 |
アプリ | 対応 (タッチ操作カスタマイズ不可) | 対応 (タッチ操作カスタマイズ可) |
防水 | IPX4 | IPX4 |
参考価格(公式)(2025/01/25 現在) | ¥12,800(税込) (https://final-inc.com/products/ze3000-sv-jp) | ¥13,880(税込) (https://jp.soundpeats.com/products/capsule3-pro-plus) |
どちらも1万円台前半の完全ワイヤレスイヤホンです。機能面でも同じ面が多いです。
聴き比べた印象ですが、どちらも共通して音粒はくっきりとしてキレがあり、解像度が高いです。ただしその1音1音のノイズやざらつきのなさ、音の濃さは final ZE3000 SV の方が上で、より濃厚で綺麗な音だと言えます。
バランスも異なり、final ZE3000 SV は特に中低音が強く、SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ は低音と高音が強いです。高音の漏れのなさ、伸びは(MEMSドライバーのおかげか) SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ の方がありますね。
そのほか、final ZE3000 SV の方が空間が広く、余韻も少しですが多めに感じました。
音質以外ではノイズキャンセリングは final ZE3000 SV がやや強く、外音取り込みは SOUNDPEATS Capsule3 Pro+ の方が強めですね。Capsule3 Pro+ は耳にそこまで密着しないので元々の遮音性は低めです。
デザインと装着感でまず好みが分かれると思いますが、どちらかというと final ZE3000 SV の方が安定して使いやすいように感じました。
イヤーピース例
付属の TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様でも十分使いやすいですが、そのほかおすすめのイヤーピースです。
おすすめは同じ final の FUSION-G です。同じ final というだけあって付属のイヤーピースと形状は似ています。が、シリコンタイプとフォームタイプの中間のような、いいとこ取りのような、程よい弾力と厚みのイヤーピースです。これにより音のクリアさは保ちつつフィット感と遮音性を高め、低音をより厚く聴くことができます。物足りなかった外でのノイズキャンセリングをもう少し強めることもできます。しかし音の抜け感や高域の伸びはやや下がってしまうのでそこはトレードオフかなと思います。


他にも、ELETECH BAROQUE や LEPIC nuon 空間音響イヤーピース clear あたりも(音質的には中高域をよりクリアに聴きたい時には)おすすめです。しかし実際に試すと本体をしまう際に、蓋が最後まで閉まらないのでもし使うならそこだけ注意が必要です。


final ZE3000 SV まとめ
有線イヤホン同様、final ZE3000 SV は完全ワイヤレスイヤホンでも(かつ低価格でも)音質がしっかりと作り込まれた製品だと感じました。クリアでキレのある音、広い空間を感じたい方、そして価格を抑えた完全ワイヤレスイヤホンが欲しい方、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !




