こんにちは ! 今回は BQEYZ Audio Japan 様 より提供いただいた、BQEYZ Frostのイヤホンレビューです。BQEYZ は本サイトでは Cloud(レビュー)に続き2つ目の記事です。前回のCloudに続き今回のFrostもまたビジュアル・サウンドともに個性あるイヤホンになっています。ぜひ最後までご覧ください!
BQEYZ の記事はこちらです。
BQEYZ Frost おすすめポイント
- 霧のような美麗なデザイン
- ふわっとした空気感と高い解像度、艶のあるボーカル
- プラグは購入時選択可能(3.5mm/4.4mmバランス)
- リケーブル対応(0.78 2Pin)
BQEYZ Frost 製品情報
【10mmデュアルキャビティダイナミックドライバー】
PU+PEEK複合振動板を使用した、デュアルキャビティ構造を採用しています。
優れたダンピング特性を持つPU素材と、安定した剛性を備えたPEEK素材により、音の明瞭さと厚みが向上しています。
デュアルキャビティにより、ダイナミックな低域と、クリアで自然な中高域を実現します。【独自開発マイクロ平面駆動ドライバー】
一般的な平面駆動ドライバー構造を圧縮することで、音質を確保しつつ体積と重量を極限まで削減し、装着感を向上させました。
長方形のサウンドホールにより、中高域の歯擦音を減らすことで、より自然なクリアサウンドを実現しました。 また、ドライバー駆動も簡単で、ポータブルデバイスにも適しています。【クリスタルガラスフェースプレート】
霧をイメージしたデザインのガラスフェースプレートは、調和のとれた美しさと、不規則グラフィックスのユニークさと創造性を視覚的に兼ね備えています。
透明度の高いクリスタルガラスとアイスブルーのベースを組み合わせ、さまざまな角度から光を当てると宝石のような輝きを放ちます。透明な質感がFrostを生き生きと表現します。【強化されたCNCアルミニウム合金キャビティ】
Frost のキャビティは一体化され、筐体サイズを圧縮することで装着感がより高まりました。
アルミニウム合金シェルは陽極酸化処理され、耐腐食性と耐摩耗性を備えています。
金属キャビティは剛性と安定性に優れ、不要な共振を低減します。【単結晶銅銀メッキ同軸ケーブル】
e☆イヤホン https://www.e-earphone.jp/products/detail/1692360/2142/ より
自然な音を再現し、音の尖りや冷たさを防ぎます。高域の延伸性が向上し、ディテールを良好に保ちながらクリアに表現します。
同軸ケーブルは安定したインピーダンス特性を備え、伝送中の歪みを低減します。耐久性と抗干渉能力に優れ、信号の純度を維持します。
ギャラリー
(BQEYZ Frost は3.5mm/4.4mmバランスから選択可能ですが、今回は4.4mmバランスを提供いただきました。)
付属品はこちらです。
- 本体
- ケーブル
- イヤーピース(シリコンタイプ2種3サイズ・ウレタンタイプ1種1サイズ)
- ケース
- クリーニングツール
本体とケーブル以外は BQEYZ Cloud(レビュー) のものと共通ですね。
イヤーピースは左から以下の3種です。
- シリコンタイプ Atmosphere : 軸は高め・硬め、径は狭め
- シリコンタイプ Reference : 軸は低め・柔らかめ、径は広め
- ウレタンタイプ : 低反発で背が高め
BQEYZ Cloud の付属のものと同じものです。どれも安っぽさはなく、しっとりとした質感で付けやすいです。
付属のケーブルは本体に合わせたブルーの鮮やかなケーブルです。導体は単結晶銅銀メッキです。程よい太さと柔らかさで取り回しは良いですね。(単体で売っても良いのでは)
フェイスプレートは表面がガラスで霧を散りばめたような細やかなデザインです。見る角度によっては青くも黒くも見え、美麗なデザインです。耳につけても映えますね。
本体は金属製で、尖のない滑らかな形状をしています。多少重みはあり、測ってみると7g(片側本体のみ)でした。冬はひんやりしますね。ノズルは回しても取れません。
本体のケーブル接続はフラットな0.78mm 2Pinです。
レビュー
装着感 : そこそこ良い。シンプル形状・厚めのボディが耳にフィット
装着感はそこそこ良いといった感じです。本体の形状はシンプルなので(qdc SUPERIOR(レビュー)、AZLA HORIZONⅡ(レビュー)などのように)耳に完全に密着するとまではいかず、イヤホン本体とイヤーピースで支えるようになります。本体の厚みもそこそこありますのでコンパクトなイヤホンを求めている方にはおすすめできないです。十分遮音性もそこそこあり、音漏れもそこまでせず問題はありません。
(イヤーピースをウレタンタイプにすると安定感が向上します。しかし音質的には音の抜けは弱くなるのでどちらかというとシリコンタイプの方が好みでした。)
音質 : 冬の吐息のようなふわっとした空気感がポイント
高い解像度とふわっとした空気感の共存・優しくも存在感のある低音・クリアで伸びる中/高音、穏やかにのある空間が印象的です。
聴き始めた瞬間から印象的なのがふわっとした空気感です。これが一番のポイントかなと思います。音粒の芯はしっかりとはっきりとしているのですがその周りで余韻がふわっと広がりがあるようです。その余韻も長々とは引っ張らずにスッと引き、次の音を邪魔しないような感じです。まるで冬の白い息のようですね。(“Frost”という名前からもっとキリッと、キンキンな音かと想像していました。しかし聴いてみると思いのほか優しさのある音でした。分離感高く1音1音を細かく聴くのには向いていませんがこれはこれで良いですね。)
音のバランスとしては中高域がやや前に感じます。ボーカルも近めではっきり・くっきりと、それでいて艶やかに伝わってきます。中音・中高音が次いで伸びやかに、先に書いた空気感も相まって広がりも感じます。低音はこれらよりも控えめですが十分に存在感があります。ドラムのアタック感もありますが優しげな音です。
全体の音粒には棘がなく、滑らかで耳馴染みの良いサウンドです。マイクロ平面駆動+ダイナミックのハイブリッドドライバーを搭載していますが、繊細な表現が特に上手いと思います。ゴリゴリのロックも滑らかで、聴き流しにも良い滑らかさです。滑らかで余韻も程よくありますが、解像度・分離感も十分にあり、ごちゃつくような感じはありません。そこがいい塩梅に調整されているようですね。迫力を求めるには物足りないかなと思いますが、楽しく聞けます。
余韻・空気感も相まって空間も広めに感じます。上下左右にふわっと広がりのある空間を演出してくれます。バランスで言うと低域はほどほどに、中・高域の広がりが特にありますね。
どのジャンルでも楽しく聴けますが、ポップス・オーケストラ・女性ボーカル曲あたりと相性が良いと思います。ライブ音源とも相性がいいですね。その場のリアルな余韻・空気感の再現性が非常に高いです。芳醇な空気感と艶のある、冬の吐息のような艶のあるサウンドが良いですね。
イヤーピース・リケーブル例
イヤーピースは AZLA SednaEarfit Crystal 2 が好みでした。耳に吸い付くイヤーピースで装着感を高めてくれます。AZLA SednaEarfit Crystal 2は3Dサラウンドに特化した設計がされていますが、Frostで聴くと特に低域の濃さ・解像度・広がりが高まりますね。
リケーブルは SoundsGood Chrysocollaが好みでした。本体の色とあっていると言うのもありますが、サウンド面でも好みでした。ボーカルをより近く、中低域をやや広げてくれます。
SoundsGood Chrysocolla を含むシリーズはこちらでレビューしていますので他のケーブルも参考にどうぞ。
BQEYZ Cloud、水月雨 (MOONDROP) 星光 – Star Lightとの比較
今回は同じ BQEYZ の Cloud、価格の近い水月雨 (MOONDROP) 星光 – Star Lightとの比較です。それぞれのレビュー記事はこちらです。
BQEYZ Frost | BQEYZ Cloud | 水月雨 (MOONDROP) 星光 – Star Light | |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | ハイブリッド型 (マイクロ平面駆動+ダイナミック) | 10mmダイナミック 6.8mmパッシブ振動板 | マグネシウムリチウム合金+ デュアル磁気回路 ダイナミックドライバー |
インピーダンス | 32Ω | 32Ω | 15Ω±15%(@1kHz) |
音圧感度 | 113dB | 110dB | 123dB/Vrms(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 5~40,000Hz | 7~40,000Hz | 12Hz-22,000Hz |
参考価格(eイヤホン 2024/12/19現在) | ¥29,250 税込 | ¥26,500 税込 | ¥27,000 税込 |
音の印象ですが、それぞれキャラクターは異なっています。分かりやすいのは余韻の量ですね。少ない順で BQEYZ Cloud << 水月雨 (MOONDROP) 星光 – Star Light < BQEYZ Frost です。この中では BQEYZ Cloud の余韻の少なさが目立ち、スパッとした音粒になっています。BQEYZ Frost が音粒に周りの余韻が最も多く、ふんわりとした空気感がやはり印象的です。聴いていて感じる空間の広さもBQEYZ Frostが最もあるように感じられます。
帯域のバランスではこの3つは似ていると思います。どれもボーカルが近く中高域が強めで、明るい印象です。ただし低域のアタック感・キレは水月雨 (MOONDROP) 星光 – Star Lightの方がより強く、BQEYZ Frostは優しめに思いました。水月雨 (MOONDROP) 星光 – Star Lightはよりギラギラとした濃い音ですね。一方、BQEYZ Cloudもボーカルは近いのですが、この中では最もボーカルを強く感じます。低・高域も十分ありますがボーカルが一番近くはっきりと聴かせてくれますね。
似ている部分はあるもののそれぞれキャラクターが異なる3本です。今回のBQEYZ Frostは特にその空気感が他とは違う個性として光る部分になっていますね。
BQEYZ Frost まとめ
ビジュアルもさることながらサウンドも個性的で楽しめるイヤホンと思います。冬の白い息のようなふわっとした空気に包まれてみたい方、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !