こんにちは ! 今回は先日購入した有線イヤホン final S3000 のレビューです。final のイヤホンは本サイトでもいくつかレビューしてきましたがその中でもSシリーズは初めてです。BAドライバー1基ということで個人的には気になりつつも手持ちには少ない構成のイヤホンです。ぜひ最後までご覧ください。
本サイトでレビューしている final 製品はこちらです。
今回比較しているイヤホンはこちらです。
final S3000 おすすめポイント

- Qfinal S3000 のおすすめポイントは ?
- A
- コンパクトな円柱型、耳掛けも可能
- どこまでも滑らかで柔らかな音・高い解像度と自然な余韻・リラックスして聴くのにおすすめな棘のない音
- リケーブル対応 (0.78mm 2Pin)
final S3000 製品情報
final 公式ストアより
フルレンジBAドライバー1基のみのBAイヤホンです。本サイトではあまり扱わない、シンプルなカナル型形状です。独自のBAドライバーの固定方法、独自の形状のファンネルノズルがポイントです。
ギャラリー

内容物はこちらです。
- 本体
- ケーブル
- イヤーピース 5サイズ
- イヤーピースケース
- イヤーフック
- ダストフィルター
- キャリーケース
他の final 製品同様、充実したセットです。イヤーピースのケースも付属しているのはありがたいです。キャリーケースも他の final 同様、シリコン製のコンパクトなケースです。

イヤーピースは 単体でも販売されている定番の final TYPE E です。軸は硬め、傘は柔らかめのシリコンタイプイヤーピースです。5サイズと豊富で、他のイヤホンでも使いやすいイヤーピースです。

ケーブルは高純度OFCの 0.78mm 2Pin – 3.5mm ケーブです。シンプルな見た目で価格の割には質素すぎるかなとも思ってしまいますが、癖がなく使いやすいです。他の 0.78mm 2Pin ともリケーブルできます。

こちらが本体です。ブラックのシンプルなシックなデザインです。本体とケーブルは直角ではなく少し内側に角度がついた方向に付けられています。よりフィットしタッチノイズの軽減されます。

ステンレス切削による本体はサラサラとした質感です。重さは 4g(片側本体のみ) とそこまで重くはありません。

ケーブル接続は埋め込み型の 0.78mm 2Pin です。NICEHCKなどの 0.78mm 2Pin でも接続できます。


実際につけるとこのような見た目です。 本体はコンパクトで、あまりイヤホンを付けている主張が小さいですね。耳掛けでもそうでなくてもどちらでも使える形状なので気分で使い分けができます。
レビュー
装着感
形状からして基本イヤーピースで支えるのでそこまで密着はしないです。付属のイヤーピースの中から自分に合うものをつければ問題ないと思います。(インイヤーモニターよりかは)遮音性は低く、音漏れもしやすいです。この形状の利点として耳掛けしてもしなくても装着できるのはいいですね。耳掛けせずにさっとつけてながら聴きするのもいいです。
音質
個人的音質イメージはこちらです。
控えめな低音と伸びやかで刺さらない中高音・滑らかで優しげな、クリーンな音粒・解像度高くも緩やかな余韻が印象的です。
一聴して印象的なのはとにかく滑らかで優しげな音粒だということです。上から下まで柔らかで棘のない音が流れてきます。さらにはブレや荒さといった感じがなく、クリーンであるのもポイントですね。どこまでも刺さりや破綻のない音という印象です。
バランスとしては(BAということもあり)低音は必要十分なくらいです。先に滑らかと書きましたが十分なアタック感はあり、もたつくといった感じはなく全体を支えてくれます。迫力がないとかキレがないとも言えるのでロックやメタルには向かず曲の相性は選びますね。 一方、中高域はメインとばかりに伸びやかに響き渡ります。こちらも穏やかで棘がなく、どこまでも刺さりなく伸びていきます。ボーカルは前に出ているとかもあまりなくあくまでも他と同じくらいに感じました。主張は少なくゆったりと聴くのに向いています。
全体的に解像度は高く、楽曲中の音粒を捉えてくれますが、そのエッジは丸く余韻も多めに感じられます。結果、分離感は低めですね。自然な音の立ち上がり下がりでふわりとした空気感です。
音の広がりはそこまでないように感じました。あくまでも自然な印象ですが、個人的にはもっと広がりがあった方が好みでした。ナチュラルな音の再現性と聴きやすい音にフォーカスしたといった印象です。
相性があり万能とは言えないですがリラックスして聴きたい、長時間でも耳に優しいイヤホンを探している方にはいい選択肢になるでしょう。
水月雨(MOONDROP) Kadenz, AZLA NOIR BLANC との比較
価格の近い、この2つとの比較です。

| final S3000 | 水月雨(MOONDROP) Kadenz | AZLA NOIR BLANC | |
|---|---|---|---|
| ドライバー構成 | フルレンジBAドライバー 1基 | 10mm-第2世帯ULT ダイナミック | ハイブリッド型 3BA+1DD / 4ドライバー(片側) |
| インピーダンス | 60Ω | 35Ω±15%(@1kHz) | 11Ω(±10%@1KHz) |
| 音圧感度 | 103dB | 122dB/Vrms(@1kHz) | 108 dB SPL/mW(@1KHz) |
| 再生周波数帯域 | メーカー情報なし | 8-21,000Hz | 10 – 20,000 Hz |
| 参考価格(e☆イヤホン 2025/05/18現在) | ¥29,800 税込 | ¥26,910 税込 | ¥33,000 税込 |
ドライバー構成の異なる、3万円付近のイヤホンです。S3000 だけインピーダンスが60Ωと高いです。
水月雨(MOONDROP) Kadenz と聴き比べると、どちらもクリーンで荒さがないといった印象は共通しています。その中では S3000 はナチュラルで優しげ、Kadenz は色濃くエネルギッシュなサウンドに感じます。Kadenz の方が低音の沈み込みもあり、音の輪郭ははっきりとして、鋭さもあります。分離感も Kadenz の方がありますね。その分、圧も感じます。 S3000 はあまり偏りがなくさらさらとシルキーな音を鳴らしてくれます。どちらも高水準ですが傾向が異なりますね。
AZLA NOIR BLANC と聴き比べるとこちらも傾向がことなり、NOIR BLANC はより中低音の押しが強くバシッとキレがあります。こちらのほうがやや迫力がありますね。NOIR BLANC も余韻があり自然な立ち上がり下がりですが S3000 の方がそれよりもより余韻があり緩やかです。空間の広がりは 同じかやや NOIR BLANC の方があるかなと思いました。ただし、細かな荒さやブレは(この2本なら) NOIR BLANC には感じられます。 S3000 はよりクリーンで柔らかく、そういった荒さを感じない滑らかさが良い点ですね。ここでもやはり S3000 の柔らかさとクリーンさが目立ちました。
おすすめイヤーピース・リケーブル
装着感を高めつつ、中高域をより豊かに聴くことができるような、おすすめのイヤーピース・リケーブルです。
イヤーピースは AZLA SednaEarfit XELASTEC II にしました。ピッタっと耳に吸い付く素材でより密着してくれます。今回のようなイヤーピースで支えるような場合におすすめです。音質的にも本体の音をよりストレートに鮮明に伝えてくれます。
リケーブルでは2つご紹介します。まずは final ソフトシルバーコートケーブルです。同じ final ですが、こちらは中高域をより伸びやかに、低音も少し深みを増し、より芳醇に聴くができます。柔らかくしなやかで使いやすいです。付属のケーブル同様、耳掛けしてもしなくても両方で使うことができます。

もう一つは NICEHCK LitzPS Pro です。こちらは4N8芯純銀のケーブルですがより低価格で中高域を煌びやかにしてくれます。コスパのいいケーブルでこちらもおすすめです。

final S3000 まとめ
BAドライバーでどこまでもいつまでもナチュラルに聴き続けられるイヤホンでした。いつもは迫力のあるイヤホンで聴いている方にもサブとしてでもおすすめしたいです。ぜひ、お試しください。
最後までご覧いただきありがとうございました。他の記事も参考になれば幸いです。それではまた次の記事で!










