こんにちは ! 今回は先日購入した final A6000 のイヤホンレビューです。final のイヤホンは本サイトでは A5000以来の2つ目になります。待ちに待った Aシリーズ の新作で購入し聴いております。finalらしくこれまた突き詰めた・極まったイヤホンです。ぜひ最後までご覧ください。
本サイトでレビューしている final製品はこちらです。
おすすめポイント
final A6000
- 軽くスッとフィットする本体
- 漏らさず再現する細かな音粒・滑らかで上品なサウンド・しっかり重みのある低域
- リケーブル対応 (0.78mm 2pin)
製品情報
自社開発ドライバー「f-Core DU」+ステンレスマウントフレーム採用
音の粒度が極めて細かく、一音一音の実在感が感じられる新たな音質
新設計「ソフト単結晶銅ケーブル」付属自社開発ドライバーユニット「f-Core DU」搭載
新開発「ステンレスマウントフレーム」を搭載した特殊筐体
質感と機能性を両立した「ハードグレイン加工」
新設計2PINソフト単結晶銅ケーブル
最適な装着感を実現するイヤーピース
final https://final-inc.com/products/a6000 より
筐体 ABS樹脂 ドライバー ダイナミック型(f-Core DU) コネクター 2PIN ケーブル ソフト単結晶銅ケーブル 感度 101dB インピーダンス 18Ω 質量 24g コード長 1.2m 音質 高い解像度と柔らかい質感を両立したサウンドを実現。音の粒度が極めて細かく、一音一音の実在感が感じられる音質
株式会社final の note に A6000 の開発秘話が掲載されています。 こちらもどうぞ。
ギャラリー
final A6000の付属品はこちらです。
- 本体
- ケーブル
- イヤーピース TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様 5サイズ
- イヤーフック(TYPE B)
- シリコン製キャリーケース
- 他紙類
final A5000と同様のセットですが、それぞれ細かい違い・変更点があります。
まずイヤーピースですが、有線イヤホンのA6000に完全ワイヤレス専用のイヤーピースが付属しています。間違いとかではなく、これはA6000の狙った音質にするためにあえてそうしているとのことです(先に紹介したnote【開発秘話】より)。さすがfinal、こだわっていますね。通常タイプよりも背が低めになっています。
付属のケーブルも、これまでのシルバーコートケーブルではなく、新しい単結晶銅ケーブルになりました。非常にしなやかでクセがなく使いやすいです。L字型になったのも個人的には嬉しいポイントです。
こちらが本体です。A5000同様、シンプルなブラック一色のデザインです。樹脂製ですが見た目からわかるように表面はザラザラとした加工がされています(ハードグレイン加工と呼んでいます)。
裏にはA5000と同様に、final A6000 と L/R 表記があります。画像からは分かりにくいですが文字はゴールドです。さりげなく高級感があります。
ケーブル接続は深めの溝のある0.78mm 2pinです。付属のケーブルと同じような溝のある0.78mm 2pinのケーブルが接続可能です。
A6000 と A5000 を並べたところです。形状は同じですね。ぱっと見はわからないのですが、表面が違っています。A5000のシボ加工は表面は滑らかですが、A6000のハードグレイン加工はザラザラとしています。
重さは A6000が3g、A5000が2g(片側本体のみ(イヤーピース・ケーブルなし))と、ほんのわずかA6000の方が重いです。(どちらもイヤホンとしては非常に軽いです。)
レビュー
(プレイヤーは NW-WM1AM2、ケーブル・イヤーピースは付属のものを使用)
装着感
3点保持でフィット
コンパクトな本体が耳にすっぽりと収まります。ただし、安定させるには少々コツがいるようでした。先に紹介した【開発秘話】にもあるように final A シリーズは耳の耳道(イヤーピース)・耳珠・耳ポケットの3点で保持することで安定するようになっています。そのため、奥までしっかり入れるというよりは耳の入り口でフィットさせるようにすると安定するとともに、イヤホンが狙ったサウンドで聴けるようですね。一度フィットすれば本体も非常に軽いため、楽に装着し続けられます。
付属は完全ワイヤレス専用仕様イヤーピース
今回の A6000 にはあえて 背の低い TYPE E 完全ワイヤレス専用仕様イヤーピースが付属しています。そのため耳の奥ではなく手前でフィットさせるようにすると特に高域がしっかりと広がり鮮やかなサウンドに聴こえました。
音漏れは問題ないですが、がっつり密着する感じでもないため遮音性はそこまで高くないように感じました。
音質
細部まで鳴らし切るような細やかな音粒・非常に高い解像度と分離感・どっしりとした低音と広がりのある中高域・左右に広いサウンドステージが印象的です。
細やかな音粒
まず一聴して驚かされたのが音粒の細かさですね ! 精密に鳴らしているようです。音粒を真面目に正確に鳴らすことを追求しているような印象です。(finalらしさでもある。)特にギター・チェロ・バイオリンといった弦を鳴らす様がリアルに感じられますね。生の楽器音にうっとりできます。
高い解像度・分離感
細かさに付随して解像度・分離感は非常に高いです。余韻も余計に引っ張らずにスッとパッと淡々と鳴らすようです。クリアでサッパリと音源を鳴らしてくれます。ただし後に書く比較にあるように、音粒は鋭すぎずに滑らかさがあり、上品で聴きやすいサウンドになっています。
しっかりとした低域と広がりのある中高域
細かな音粒であっさりとしたバランスかと思いきや、低域もしっかりと重みがあります。(イヤーピースと付属のケーブルの素材によるところもあると思いますが)全くのフラットというよりは低域に重みが感じられました。これによりロックでも軽すぎることなく楽しく聴けています。一方、中高域は広がりがあります。高域は不快な刺さりなく聴けます。上への伸びは過度になくほどほどといったところですね。ボーカルもちょっと近いかなくらいで、あえて前に出しているような感じはなさそうです。低域に少し盛り上がりがあるくらいで他は素直に鳴らしている印象です。
左右への広がり
空間の広さとしては上下はそこそこに左右に広がりを感じました。これもまた重く深い沈み込みだとか突き抜けるような伸びといった感じはないですね。あくまでも味付けはほどほどに鳴らすようです。ただし左右への広がりはなかなかにあり、付属の3.5mmアンバランス接続でも広い空間を楽しめます。
あらゆるジャンルで楽しめる
何かに特化したというよりはあらゆるジャンルで楽しめるイヤホンだと思います。ボーカルありでもなしでもいいですし、ロックでもオーケストラでもいいです。あえて絞ると(先にも書きましたが)個人的には生の弦楽器がいいですね。
1音1音を漏らさすに鳴らすことを突き詰めながらも、聴きやすさも兼ね備えた、紳士のようなイヤホンではないでしょうか。
イヤーピース・リケーブル例
final A6000は付属のイヤーピースとケーブルでも十分良く、あえて変えなくても良いと思います。付属のものだとどうしても装着感が微妙だとか、もっと別のケーブルを試してみたい時に個人的おすすめのものです。
イヤーピースはELETECH BAROQUE にしました。付属のイヤーピース同様、背が低めですが、独自の形状でフィット感と音の広がりを強めてくれます。
ケーブルはまずは final シルバーコートケーブルがおすすめです。A5000 に付属していたものと同様で実際に聴いてみるとA6000とも合いました。解像度の高さと中高域・女性ボーカルの表現がリアルです。
もう一つ、final 以外で言うと SoundsGood Arianrhod が好みでした。すでに過去の記事でも紹介していますが、音の情報量の多さ・空間の広さが印象的なケーブルです。ケーブルの重さがあり取り回しにやや難ありですが、音のクオリティはピカイチです。
SoundsGoodのケーブルについてはこちらもどうぞ。
final A5000、有線ピヤホン5(Hi-Unit 003-pnk)との比較
今回は同じ final のA5000、価格の近い有線ピヤホン5(Hi-Unit 003-pnk)との比較です。それぞれのレビューはこちらです。
final A6000 | final A5000 | Hi-Unit 有線ピヤホン5 (Hi-Unit 003-pnk) | |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | ダイナミック型(f-Core DU) | ダイナミック型(f-Core DU) | ダイナミックドライバー(デュアル磁気回路) |
インピーダンス | 18Ω | 18Ω | 18Ω |
音圧感度 | 101dB | 100dB/mw | 108db |
再生周波数帯域 | メーカー情報なし | メーカー情報なし | 20-20,000Hz |
参考価格(e☆イヤホン 2024/11/23現在) | ¥59,800 税込 | ¥32,800 税込 | ¥57,200 税込 |
3つともダイナミックドライバー1基のイヤホンです。
聴き比べた印象です。
final A6000は低域に重みがありますが有線ピヤホン5ほどではありません。final A5000も同じく音粒が細やかなのですがA6000には滑らかさもあり、より上品に・聴きやすくなっていますね。細かな音粒と滑らかさのバランスがいいです。A5000ほどさっぱりしすぎていないため、やはり生の音の再現性が高いように思いました。
final A5000はこの中ではフラットなバランスです。他2本よりは低域も高域も満遍なく鳴らすようです。A6000同様、音粒が細やかですが、A6000よりも輪郭がキリッと鋭さがあります。好みによってはA5000の方がいい方もいると思います。
有線ピヤホン5はこの中で最も低域の沈み込み・重みがあり、迫力があります。特にドラムの弾むさま、アタック感はピカイチですね。解像度・分離感は(これでも十分ですが)finalの2本ほどではなく、余韻と広がり、空気感がより濃く感じられます。やはりロックを聴くなら有線ピヤホン5がより楽しく聴けるでしょう。また他2本よりも鳴らしやすいのも特徴的です。
まとめ
待ちに待った、final Aシリーズの最新作 A6000、いかがでしたでしょうか。単に正確に鳴らすだけではなく楽しさ・聴きやすさもあり、より幅広い音楽で聴けるイヤホンだと思います。ぜひ聴いてみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !