こんにちは ! 今回は Astell&Kern の USB DAC AK HC2 と AK HC3 のレビューを書いていきます。筆者は迷いに迷って AK HC3 を購入したその日に AK HC4 が発表され、結局 AK HC 2/3/4 を購入してしまいました。。。AK HC4 が出てきても AK HC 2/3 にはそれぞれ良さがあったため記事にしておきたいと思います。ぜひ最後までご覧ください。
のちに発売された、AK HC4 のレビューはこちら。
おすすめポイント
製品情報
AK HC2
aiuto AK HC2 https://www.iriver.jp/products/product_226.php#2
AK HC2 AK HC3 DAC Cirrus Logic CS43198×2
(Dual-DAC)ESS Technology ES9219MQ×2
(Dual-DAC)対応サンプリングレート PCM最大 : 384KHz/32bit
DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオPCM最大 : 384KHz/32bit
DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ入力 USB Type-C / Lightning(付属変換コネクター使用) USB Type-C / Lightning(付属変換コネクター使用) 出力 4.4mm5極バランス出力 (GND接続あり) 3.5mmアンバランス出力 (CTIA規格4極マイク・コントローラー入力対応) アウトプットレベル バランス 4Vrms (無負荷) 2Vrms (無負荷) 周波数特性 ±0.011dB (20Hz~20kHz) バランス
±0.145dB (20Hz~70kHz) バランス±0.013dB (20Hz~20kHz)
±0.020dB (20Hz~70kHz)S/N比 122dB @ 1kHz, バランス 118dB @ 1kHz クロストーク -146dB @ 1kHz, バランス -130dB @ 1kHz 出力インピーダンス バランス 4.4mm (1.5Ω) 2Ω
AK HC3 https://www.iriver.jp/products/product_230.php#2 より
DAC chipは異なりますが、どちらもdual DAC構成です。
HC2 の CS43198 を採用しているものは他に
- FIIO KA5 (https://www.fiio.jp/products/ka5/)
- 水月雨 MOONRIVER2 (https://www.chikyu-sekai.com/?post_type=products&page_id=17644)
等があります。
一方、HC3 の ES9219MQ を採用しているものは他に
- FIIO BTR15 (https://www.fiio.jp/products/btr15/)
- iFi audio Uno (https://ifi-audio.jp/others/uno.html)
等があります。
AK HC2 は 4.4mm5極バランス専用・AK HC3 は 3.5mmアンバランス専用となっています。HC3 はマイク入力にも対応しています。
S/N比・アウトプットレベルは HC2 の方が高いため、わずかながらもノイズが少なくパワーがあるのはHC2とも言えますね。
ギャラリー
AK HC2・HC3 一緒に比べながら見ていきます。付属品はこちら。どちらもシンプルで、
- 本体
- USB type C to Lightning アダプター
の二つくらいです。(他、説明書等。) Lightning にも接続できるので iOSユーザーもすぐに使えます。
本体の形状は似ていますが、HC3 の方がより幾何学的な形状でちょっとスタイリッシュです。
出力はそれぞれ
- AK HC2 は 4.4mm バランス接続のみ
- AK HC3 は 3.5mm アンバランス接続のみ
と、シンプル。発売当時は今ほど3.5mm/4.4mm 両対応のドングルDAC は多くなかった (SHANLING UA5 https://musinltd.com/SHANLING/314.html はありましたが。) ので珍しくはなかったかも。
ケーブル一体型なので取れません。今となってはこれも着脱式の方が多い印象ですね。ケーブル自体は硬めでファブリックなので断線しにくくはなっています。
裏面はどちらも同じ、接続した時音量気をつけてね~ 的な英文。
それぞれLEDインジケーターがあり、接続した際に光ります。
- HC2 は接続した時点でホワイトに光るのみ。
- HC3 は状態に応じて以下のように光ります。
- スタンバイ時 ホワイト
- PCM再生時 レッド
- DSD再生時 ブルー
- MQA再生時 マゼンタ
レビュー
使用感
接続
基本挿して再生するだけです。が、AK HC3 だけ特殊なのはDACだけ接続しても認識されないようになっています。DACとイヤホン両方接続してから認識されて出力先に出てきます。なので、接続しても出てこない場合はDACとイヤホンの接続も確認が必要です。(AK HC2 は本体だけ接続しても認識されます。)
ノイズ
基本、気になるノイズはなく再生できました。しかし、(AK HC 2/3 両方)Androidとの接続ではノイズが気になるケースがありました。どうも、AK HC アプリを接続せずにAndroid 本体だけでボリューム操作して再生するとノイズが混ざってしまうようでした。
ノイズなく再生するには、AK HCアプリを接続し、Android 本体のボリュームはMAXにした上で(スマホ本体の音量操作でMAXにする)、AK HCアプリで音量を調節するといいです。この手順であればノイズなく再生できました。
AK HCアプリが使えないMacbook Proと接続しても特にノイズはありませんでした。(もちろん環境や機器との相性によってはノイズが入る可能性もあります。)
AK HCアプリは Android のみです。AK HC2/HC3 どちらも対応しています。
AK HCアプリもシンプルに音量を調節するだけのものです。(0~63) 試したところ、この数値は本体ではなくアプリ側に保存されるようです。(別のAndroid機器に接続した時には引き継がれない)
音量
(このDACに限らずですが、) 接続時にMAXになることがあるため注意が必要です。
そのほかにも AK HC3 だけですが、Macと接続時にメニューバーで音量をいじるとなぜか毎回左寄りになるようでした。(X で私もとコメントもいただきましたので筆者の個体問題でもなさそうです。)システム設定 -> サウンド でバランスを中央に戻すことで元に戻ります。また、音量操作をキーボードからすることで回避はできました。
とまあ、(発売から結構経っているので今言っても仕方ないですが、)接続に関しては若干の癖がありました。回避策はあるので大きな問題でもないです。
音質
AK HC2
HC2 を通して聴くと、解像度が上がり、音がスッキリするような印象を受けます。4.4mmバランス接続専用ということもあり、左右の分離感が強く、横に広くも感じます。バランス接続の音を極めたようなもので、バランス接続しか勝たん ! という人にはもってこいですね。
各帯域バランスよく出ていてどこがが弱い・足りないということはありません。さらにいうと、低域はさらに低く、高域はさらに鋭く高くといった印象です。ベースの低音の沈み込みがより深く、バスドラムやシンバルのアタック感・キレがより鋭くなったようでした。クールで硬い印象です。
1音1音がわかりやすくなるため、トラック数が多い曲をより分析的に聴くことにも適していそうです。
AK HC3
HC3 を通して聴くと、HC2 と同様、解像度は高いですが、こちらは音が艶っぽく、余韻が若干あり、空気感がよりリアルに、生っぽく感じました。ボーカルの声が出ている場の空気感であったり、各楽器を鳴らしている様がよりリアルに感じられ、うっとりできます。ASMRにもいいかも。
各帯域のバランスに関してはバランスよく出ており、低域・高域はより広がったように感じました。HC2 同様、低域はより深く沈み、高域もより高く出ているますが鋭さよりも余韻が残り、艶がありますね。HC2 よりもウォーム・ナチュラルな印象です。
HC2 とは打って変わってよりリアルに、艶っぽく聴くのに適しています。こちらはしっとりとした、あまりごちゃごちゃしていない曲の方がいいかも。
それぞれ4.4mmアンバランス専用・3.5mmアンバランス専用ですが、単純にジャックが違うだけでなく音質の傾向に違いがあり、好みで使い分けができそうです。
まとめ
AK HC2/HC3 それぞれ 3.5mm or 4.4mm 専用でボタン等もなくシンプルな見た目ですが音のクオリティは非常に高いですね。DAPキラーとも言われていましたが納得です。ジャックが違うだけでなく音の傾向も違っていますので、自分の音の好みに応じてどちらか、もしくは両方を使い分けてみてはいかがでしょうか。まずは、聴いてみてください !