こんにちは ! 今回は Astell&Kern の USB DAC である AK HC4 のレビューを書いていきます。 筆者自身も AKサウンドが好きでしたがついに USB DAC のAKシリーズを購入できました。AK HC3を購入したその日に AK HC4が発表され、結局 AK HC2/3/4 を揃えてしまいました。A HC2/3/4 それぞれ良さがあるためそこも含めて書いていきます。ぜひ最後までご覧ください。
AK HC2/HC3 のレビューはこちら。
おすすめポイント
製品情報
DAC AKM AK4493S 対応サンプリングレート PCM : 384KHz/32bit
DSD : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ入力 USB Type-C (UAC 2.0 / UAC 1.0 切替可能) 出力 3.5mmアンバランス出力 (3極)
4.4mmバランス出力(5極GND結線)アウトプットレベル(無負荷) 2Vrms(アンバランス) / 3Vrms(バランス) 出力インピーダンス 0.9Ω(アンバランス 3.5mm) / 1.6Ω(バランス 4.4mm) 周波数特性 ±0.062dB (20Hz~20KHz), アンバランス / ±0.063dB (20Hz~20KHz), バランス
±0.066dB (20Hz~70KHz), アンバランス / ±0.067dB (20Hz~70KHz), バランスS/N比 118dB @ 1KHz, アンバランス / 118dB @ 1KHz, バランス aiuto https://www.iriver.jp/products/product_244.php より
- DAR(デジタルオーディオリマスター)テクノロジーで原音をより鮮やかに
- AKMのサンプルレートコンバーターAK4137EQを使用したリアルタイムアップサンプリング機能
- UAC 2.0/UAC 1.0切替機能を搭載によりゲーミングDACとして使用可能
後述しますが、AK HC2/3 よりも進化したポイントが多々あります。
(ケーブル着脱式・3.5mm/4.4mm両対応・ボリューム操作・UAC1.0・DAR)
中でも DAR は Astell&Kern のDAP (e.x. KANN ULTRA https://www.iriver.jp/products/product_242.php) に搭載されていたものをこちらに搭載したものです。Astell&Kern のDAPはどれもなかなかのお値段しますので、その一端だけでもより低価格で享受できるのはいいことですね。
DAC chip は AKM AK4493S 単体ということですが DAR で AK4137EQ も使っているようです。
ギャラリー
付属品はこちら。
- 本体
- USB type C to C ケーブル (高耐久デュアルノイズシールドケーブル)
- USB type C to Lightning ケーブル (高耐久デュアルノイズシールドケーブル)
大きいのはケーブルが着脱式になったことですね。使いやすくなりました。Lightningも付属しているのでiOSユーザーもすぐに使えます。ケーブルは硬めでファブリックで覆われており、頑丈な作りになっています。
本体はシンプルでクールなデザイン。カーブがあり、手に馴染みます。
3.5mm アンバランス/4.4mm バランス 両対応になったことも大きいです。
右側には以下2つがあります。
- ボリューム +/- ボタン (同時押しでUAC1.0への切り替えも可能)
- DAR (Digital Audio Remaster) ON/OFF スイッチ
ボリューム操作できるようになったのも進化ポイントです。ボリュームは後述しますが接続先と連動しています。
DAR スイッチは物理的なスイッチでパチっと切り替えできます。
(どうせなら再生・停止ボタンもあったらよかったかも。)
ケーブルは type C 一つの着脱式です。付属品以外のケーブルで使ってもOKです。
裏面には “Astell&Kern” のロゴ。AK HC2/3 にはありませんでした。
AK HC2/3 と同様、LEDインジケーターがあり、状態に応じて光ります。
- 接続時 : ホワイト
- PCM再生時 : レッド
- DSD再生時 : ブルー
- UAC1.0動作時 : グリーン
レビュー
使用感
接続
HC3 の仕様だった、DACだけ接続しても認識されないというのは HC4 ではありませんでした。(HC3からまた仕様変更したようです。) HC4 だけ接続してもスマホ・PC側では認識します。それ以外は基本接続して再生すればOKです。
UAC1.0 の接続もスムーズでした。Nintendo Switchで使ってみましたが、接続してボリュームボタン+/-を同時に長押しすればOKです。よりクリアに迫力のある音でゲームができます。ただし、このときボリューム操作は効かないようなので操作は本体で行う必要がありました。
ノイズ
他のUSB DAC (EarFun UA100、FIIO KA13) と比べると、 少しノイズが乗るときがありました。
(こちらでは Xperia 1 II で Youtube Music や Amazon Musicを使ったときに確認。プリインのミュージックアプリではノイズなし。Pixel3 で同じYoutube Music、Amazon Music ではノイズはなし。Macbook Pro でもノイズは気にならず。) 曲中の無音の区間で集中して聴くとギリわかるくらいですが、サーといったノイズです。そこまで気にはなりませんでしたが、室内の静かな空間で聴く・高感度のイヤホンで聴くと言った場合に気になるかも知れません。
AK HC2/HC3 は AK HCアプリが使えて回避できたのですが、HC4 では使えないので惜しいところです。
(他のDACにも言えますが、環境・接続先との相性によってはノイズが乗る可能性はあります。)
ボリューム操作
ボリューム操作が HC2/HC3 とは違い本体ボタンで操作できます。が、これは内部のボリュームではなく、接続先と連動します。ボリューム上げ下げの指示を接続先に送っているといった方が正しいかもしれません。なのでボリュームの調節は接続したOS上で行うのでそれより細かくはできません。わかりやすいし便利ではありますが FIIO KA13 (本サイトのレビューはこちら) のように独立して細かくできたらよかったかも。
((繰り返しですが)HC4 本体からボリューム操作を行うため, HC2/HC3 のボリューム調整で使っていた AK HC アプリには対応していません。)
音質
まずは解像度の高さ・低域の沈みこみ・高域の広がりはこれまでの HC2・HC3 同様いいですね。トラックの多い曲でも細かく聴け、ライブ音源の空気感をよく再現してくれますね。
HC2 と HC3 の中間だとか、いいとこ取りだと言った感想が多いようですが確かにそのように感じます。HC2 のキレキレクールな感じと HC3 のしっとりツヤツヤな感じをバランスよくとったところです。個人的に強いていうならHC3のナチュラルさ、HC2 のパワフルさ・左右の分離感・広がりを合わせもったように感じました。キレよりは艶・つながり、クールよりはウォームな印象です。
しかし、HC4 はこういった音源がいいよね、というよりは HC2・HC3 の良さをなるべく継承してより幅広く使いやすくしたように思いました。
さらにポイントは3.5mmアンバランス接続でも HC2 の良さを享受できることですね。いつも4.4mmで使うんだよねという方にも HC4 は 3.5mm で聞いてみて欲しいです。
DARスイッチをONにすると若干ですが、音(特にボーカル)に響きが乗り、より艶っぽく感じました。しかし、正直なところ大きな差はなく”若干”そのように感じたくらいのものでした。これも気分・好みで使えばいいくらいですね。
(説明書には書いていないのですが、https://www.iriver.jp/products/product_244.php を見るに、上の画像のように、緑色が見える側が DAR ON です。)
AK HC シリーズの比較
aiuto AK HC2 https://www.iriver.jp/products/product_226.php#2
AK HC2 AK HC3 AK HC4 DAC Cirrus Logic CS43198×2
(Dual-DAC)ESS Technology ES9219MQ×2
(Dual-DAC)AKM AK4493S 対応サンプリングレート PCM最大 : 384KHz/32bit
DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオPCM最大 : 384KHz/32bit
DSD最大 : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオPCM : 384KHz/32bit
DSD : DSD256(11.2MHz/1bit) ステレオ入力 USB Type-C / Lightning(付属変換コネクター使用) USB Type-C / Lightning(付属変換コネクター使用) USB Type-C (UAC 2.0 / UAC 1.0 切替可能) 出力 4.4mm5極バランス出力 (GND接続あり) 3.5mmアンバランス出力 (CTIA規格4極マイク・コントローラー入力対応) 3.5mmアンバランス出力 (3極)
4.4mmバランス出力(5極GND結線)アウトプットレベル バランス 4Vrms (無負荷) 2Vrms (無負荷) 2Vrms(アンバランス) / 3Vrms(バランス) S/N比 122dB @ 1kHz, バランス 118dB @ 1kHz 118dB @ 1KHz, アンバランス / 118dB @ 1KHz, バランス クロストーク -146dB @ 1kHz, バランス -130dB @ 1kHz -134dB @ 1KHz, アンバランス / -136dB @ 1KHz, バランス 出力インピーダンス バランス 4.4mm (1.5Ω) 2Ω 0.9Ω(アンバランス 3.5mm) / 1.6Ω(バランス 4.4mm) 参考価格
(eイヤホン)¥26,980 税込 ¥ 27,880 税込
-> 2024/1/31までセール
¥22,770 税込¥35,980 税込
AK HC3 https://www.iriver.jp/products/product_230.php#2
AK HC4 https://www.iriver.jp/products/product_244.php#2 より
意外にも HC4 だけ single DAC なんですよね。DAR で 別のchipを使うからかも。
HC4 は UAC 1.0/2.0 切り替えできるようになったのはいいんですが、3.5mmのマイク入力は対応していないのが惜しいところ。
他、大まかにはHC4 は HC2 と HC3 の間といったところですね。アウトプットレベル・S/N比は HC2 が最も高いです。
音質面でも述べたようにHC4 はこれまでの上位互換というよりは バランスをとって一つにまとめたというイメージの方がしっくりきました。使いたい場面に合わせて購入・使い分けをするのがいいのではないでしょうか。
高い解像度・沈みこむ低音と伸びる高音はベースにありますが、
- 分離感・広がり・分解能・キレに特化した HC2 (4.4mm バランス接続専用)
- 艶のある・ナチュラルな・生っぽさに特化した HC3 (3.5mm アンバランス接続専用)
- HC3のナチュラルさ、HC2 のパワフルさ・左右の分離感・広がりを合わせもった HC4 (3.5mm/4.4mm 両対応)
といった印象です。それぞれ良さはあり、値段もまあまあするので好みで試して選んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
HC2/HC3 を経て登場した HC4 は使いやすくしていいとこ取りしたDACだと思いました。これ一つであらゆる場面で使うのもいいですし、HC2/HC3それぞれを使い分けることもいいと思います。それぞれの良さはあるので、試してみてはいかがでしょうか。