社会人ソフトエンジニア&オーオタ。
オーディオ沼に浸かり始めて数年。
解像度の高いイヤホンが特に好み。
聴く音楽はJ-POP・ロックが多め。
9mm Parabellum Bullet・King Gnu・宇多田ヒカル・福山雅治等々。iri Waver。
NiPO A200PRO レビュー スマホの背面が、据え置き級になる。 | サク見レビュー

スマートフォンの背面に、カセットテープのようなカードをぺたり。ただそれだけで、いつものイヤホンの見晴らしが一気に良くなりました。素直で、クリーンで、余計な色をつけない。イヤホンを挿し替えるたび、その個性がそのまま返ってくる DAC/AMP です。
NiPO A200PRO は、スマートフォンの背面に MagSafe で装着して使うカード型の DAC/AMP です。前作 A100 の思想を継承しつつ、DAC を AKM AK4497SVQ へ変更し、出力・電源設計・クロック精度・RF耐干渉性能を全面的にブラッシュアップしたモデルとなっています。3900mAh のバッテリーを内蔵しており、セルフパワーで 最大1620mW(4.4mm バランス) という据え置き級の出力を引き出せるのが最大の特徴です。
音は「素直でクリーン、ほんの少しウォーム」。解像度と分離感が高いながら、角の丸さと滑らかさがわずかに乗ることで、長時間でも耳が疲れない聴き心地に仕上がっています。味付けが濃くないため、繋いだイヤホンの個性がそのまま出てくるタイプです。
本記事では実際に購入した筆者が、Xperia 1 VI に装着して約1ヶ月使用した内容物・外観・使用感・音質のレビュー、iBasso Audio DC-Tonfa・FIIO BTR17 との比較について記載しています。
NiPO A200PRO まとめ
- NiPO A200PRO はどんな DAC?
-
- カセットテープを思わせるレトロデザイン。約112g・厚さ約11mmでスマホ背面にぴたりと収まる
- 3900mAh バッテリー内蔵。スマホ側の電力を消費せず、動作も安定
- 磁石がつく金属面ならどこにでも貼り付け可能。MagSafe 非対応スマホもメタルシールで対応
- 解像度が高く素直でクリーン、ほんの少しウォームで滑らか。長時間でも聴きやすい
- 味付けが薄く、イヤホンごとの個性がそのまま出る
- 4.4mm 最大1620mW(32Ω、片ch)の高出力
- 3.5mm / 4.4mm に加えてライン出力・同軸デジタル出力にも対応
- 専用アプリ不要。ゲイン・DACフィルター・EQ・出力・UACモードを本体だけで設定できる
- 向いている人
- スマホで手軽に、かつ本格的に音楽を聴きたい方
- 複数のイヤホンを持っていて、それぞれの違いを素直に聴き分けたい方
- 長時間リスニングでも疲れにくい音を求める方
- バスパワー型ドングルのスマホ電池消費・動作の不安定さに悩んでいる方
- 向いていない人
- 迫力・キレ・疾走感といった味付けの濃いサウンドを求める方
- くっきり・かっちりとした硬質な音が好きな方
- とにかく小型軽量なドングルが欲しい方
- Bluetooth 接続も使いたい方
今回比較している製品でレビューのあるものはこちらです。


NiPO A200PRO 製品情報
A200PROはスマートフォンの利便性をそのままに、本格的なポータブルオーディオ再生を追求したMagSafe対応DAC/AMPです。前作A100が提案した「スマートフォンを本格再生機へ引き上げる」という思想を継承し、出力性能、電源設計、クロック精度、RF耐干渉性能、操作性、携帯性、拡張性を全面的にブラッシュアップしました。スマートフォンへ自然に装着できるカード型のコンパクトな筐体に、イヤホンからヘッドホンまで余裕をもって駆動するリニアリティの高い再生能力を凝縮。A200PROは音質と利便性を妥協しないユーザーのための真のスマートフォン用DAC AMPです。
主な特徴
- A100の思想を継承し、あらゆるシーンで高品位なサウンドを
- 耳に届いた瞬間にハッとする。音楽の純度を守るRF耐干渉設計
- DAC AK4497SVQを採用。自然で高解像度な音楽表現を追求
- 改良型CMMTカレントミラーI/V変換 ―AK4497SVQの電流出力を最大限に活かす
- 時間軸の精度を支えるAccusilicon AS318-Lite低位相ノイズクロック
- 最大1620mWの高出力とSGM8262×2が生む、余裕あるドライブ性能
- 原音忠実を支える電源ピュリフィケーション技術
- 3900mAhバッテリーと独立充電ポートによる快適な長時間再生
- N52マグネットによる安定した吸着と磁場干渉を抑える構造設計
- かさばらない、重くない、112gの軽量ボディと約11mmの薄型設計
- 装着先は思いのまま。MagSafe非対応でもご使用可能
- 主張しないスマートな専用両端L字Type-Cケーブル
- 0.87インチ高輝度OLEDと多彩な設定項目
- 様々な再生環境に対応するLO/同軸デジタル出力機能
- UAC2.0高音質モードとUAC1.0互換モードを切替可能
- クラシックに敬意を込めたレトロデザイン。ブラックとゴールドの2色展開
主な仕様
オリオラスジャパン https://audiopassion.jp/products/a200pro より
項目 仕様 形式 マグネット型USB DAC USBインターフェースチップ SPV5048PRO DACチップ AK4497SVQ OPAMP SGM8262 × 2 I/V変換・電圧増幅 改良型CMMT(特許番号ZL2023 2 2553353.1) 入力 USB Type-C 出力 3.5mm / 4.4mm / SPDIF 最大出力 4.4mm 最大1620mW(32Ω)/ 3.5mm 最大405mW SNR 125dB PCM 最大32Bit/768kHz DSD 最大 Native DSD512 DACフィルター 7種 EQ 6種 クロック Accusilicon AS318-Lite Series バッテリー 3900mAh 最大再生時間 約12時間 満充電時間 約2.5時間(5V/2A) サイズ 約94mm × 60mm × 11mm 重量 約112g
NiPO はフラッグシップ DAP「N2」などを手掛けるブランドで、A200PRO はその技術を小型筐体に凝縮したモデルにあたります。前作 A100 が ESS ES9039Q2M を採用していたのに対し、A200PRO は AKM AK4497SVQ へ変更。メーカー自身が「A100 の明瞭さやスピード感とは異なる方向性」「滑らかで自然な質感、音楽的な厚み、余韻の美しさを重視」と説明しており、同じシリーズながら狙っている音は明確に違います。
もうひとつの軸が RF耐干渉設計です。スマホの背面に貼り付けて使う以上、アンテナとの距離は約1mm。そこで生じる RF 干渉に対して、磁気ビーズを20種類以上比較検証し、出力部にアイソレーションと CLC 多重フィルタリングを採用、0.8GHz〜5GHz で最大55dB の減衰性能を確保したとしています。「スマホに貼り付ける」という形態を選んだからこそ必要になった設計で、この製品の性格をよく表している部分です。
なお国内正規代理店のオリオラスジャパン(audiopassion.jp)では、早期購入者向けキャンペーンとして「純正レザーケース」のプレゼント企画が実施されています。着弾報告や開封写真、使用感・音質レビューなどを SNS やレビューサイトに投稿し、専用応募フォームから応募するという内容です。筆者もこのキャンペーンに参加し、レザーケースいただきました。
ギャラリー
内容物


内容物はこちらです。
- 本体
- 両端L字型 Type-C ケーブル
- O型 / C型 メタルシール 各1枚
- マニュアル(中・英・日)
MagSafe 非対応のスマートフォンやケースでも、付属のメタルシールを貼れば使用できます。O型・C型の2種類が入っているので、端末側のカメラ配置やワイヤレス充電の可否に合わせて選べます。
付属のケーブルは両端が L字になっており、スマホと重ねて使ったときに外へ飛び出さないのがありがたいです。両端 L字のケーブルというのは少ないのでありがたいですね。
ただ、せっかくこの価格の DAC なのですから、ケーブルはもう少し太くてもよかったかなとは思いました。
本体


こちらが本体です。カラーはブラックとゴールドの2色展開で、今回筆者が購入したのはゴールドです。
カセットテープとほぼ同じサイズ感で、手に取ると懐かしい感じもあります。メーカーもレトロデザインを狙ったと明言していますが、サイズまで含めてカセットテープを思わせる仕上がりです。
ディスプレイ


ディスプレイは 0.87インチの OLED です。小さいですが、必要十分の視認性・明るさはあるので問題ありません。サンプリングレートやフィルター、音量値といった再生情報や設定状態を確認できます。
ボタン


ボタンはこれまた懐かしさも感じるような、やや硬めに感じました。とはいえ、間違って押してしまうこともない硬さなので、良いと思います。
端子


端子は 3.5mm / 4.4mm のヘッドホン出力に加えて、オーディオ用の USB Type-C 端子と、それとは別の独立充電ポートを備えています。配置も特に問題なく、扱いやすいです。
スマホへの装着


実際に Xperia 1 VI(市販の MagSafe 対応ケースを使用)に装着するとこのように見えます。両端 L字ケーブルのおかげで、スマホと重ねてもすっきりと収まってくれます。
貼り付け先はスマホだけじゃない


そしてこの MagSafe、貼り付け先はスマートフォン以外でも可能です。N52 グレードのネオジム磁石はそれなりに強力で、磁石がくっつく金属面であればどこにでもぺたりと貼り付けられます。例えば画像のように PC ラックのスチールフレームに貼り付けるのもいいでしょう。ピタッとくっついてくれます。
デスクで使うときはこれが地味に便利で、机の上に置いておくよりもケーブルの取り回しがすっきりします。ラックの脚やスチールデスクの側面、PCケースの天板あたりに貼っておけば、定位置が決まって置き場所に悩まなくなります。据え置き DAC のような使い方をしたいときにも効いてきます。
MagSafe 非対応のスマートフォンやケースについても、前述の付属メタルシールを貼れば同じように装着できます。MagSafe 対応スマホでなければ使えないということもなく、自由に貼り付け先を選べるのはありがたいです。
純正レザーケース


こちらが早期購入者キャンペーンで入手した純正レザーケースです。本体をすっぽりと包み込むデザインで、本体のサイズ感をキープしつつ、保護してくれます。 このケースにも MagSafe 用の磁石が内蔵されており、スマホ背面に貼り付けた状態でもケースを装着できます。
試聴環境
- 試聴イヤホン
















- 接続デバイス: Xperia 1 VI(市販の Xperia 1 VI 用 MagSafe 対応ケースを併用)
- 再生アプリ: Xperia ミュージックアプリ、Qobuz、Apple Music
- 試聴ジャンル: ポップス、ロック、ゲーム音楽
- 試聴期間: 約1ヶ月
レビュー
使用感
まず感心したのがやはりこのサイズ感です。約94 × 60mm というカード型に厚さ約11mm、重さ約112g。MagSafe でスマートフォンの背面にぴたりと吸着し、一体感があります。N52 グレードのネオジム磁石ということもあって吸着はしっかりしており、手に持って歩く程度ではずれる気配はありません。
スマホと合わせると当然多少は重くなりますが、そこまで重いという感覚はなく、実際に外へ持ち出しても問題ありませんでした。(最近のスマホはそもそも重いというのもありますが。)
そしてバッテリーを積んでいるのも大きいですね。バスパワーで駆動する一般的なドングル型 DAC と比べて、スマホ側の電池を持たせられるのがまず利点です。加えて動作も安定しており、外出先で長時間使うときの安心感が違います。公称では 4.4mm バランス出力時で最大約12時間。オーディオ用の USB 端子とは別に独立充電ポートを備えているので、再生しながら本体を充電できるのも地味に効いてきます。
発熱については、数分再生しているとほんのりあたたかくはなります。ただ熱いと感じるほどにはならないので、スマホの背面に密着させて使っていても問題はありませんでした。
設定はすべて本体で完結する
そしてもうひとつ地味ながら効いてくるのが、各種設定を本体だけで変更できることです。専用アプリのインストールもスマートフォン側の操作も不要で、0.87インチの OLED とボタンだけで完結します。
本体から変更できるのは主に以下です。
- ゲイン (Low / Mid / High)
- DACフィルター (7種)
- EQ (ポップ / クラシック / ジャズ / ロック / ダンス など6種)
- 出力の切り替え (ヘッドホン出力 / ライン出力 / 同軸デジタル出力)
- UACモード (UAC2.0 / UAC1.0)
- 画面表示や自動電源オフなどの本体設定
イヤホンを挿し替えながらゲインを上げ下げしたり、フィルターを切り替えて聴き比べたりといった操作が、スマホを取り出さずにその場でできるのは快適です。筆者のように複数のイヤホンを聴き比べる使い方では特にありがたいところでした。
UACモードを本体側で切り替えられるのもポイントで、UAC1.0 にすればゲーム機など UAC2.0 で認識しにくい機器にも繋ぎやすくなります。接続先に応じた設定変更を、繋いだ機器側に頼らず本体だけで済ませられるのは扱いやすいです。
操作自体も、ボタンを押していけば項目を辿れる素直なつくりです。画面が小さいぶん一度に見える情報量は多くありませんが、迷うことはありませんでした。
ライン出力を試す


A200PRO はイヤホン・ヘッドホンを直接鳴らすだけでなく、ライン出力と同軸デジタル出力にも対応しています。今回はライン出力を手持ちの iBasso Audio PB6 MACAW へ繋いで試してみました。
ラインアウト中は A200PRO 側の音量は固定されます。それ以外の操作は通常どおり行えるので、使い勝手で困ることはありません。A200PRO のクリーンで素直なサウンドを土台に、そこからさらにアンプ側で変化を楽しめるというのは面白いところです。
なお同軸デジタル出力は今回試していません。
あえて挙げる気になる点
不満というほどではありませんが、3点だけ挙げておきます。
ひとつは操作系です。本体側で再生・停止ができるので、それならば曲送り・曲戻しもできてほしかったところです。たとえば「+ボタン長押し」のような割り当てがあれば、スマホを取り出さずに完結できて便利だったと思います。
もうひとつは画面サイズです。0.87インチの OLED は表示内容としては必要十分なのですが、約94 × 60mm というフェイス面積に対してはかなり小さく、少し勿体無い気もします。デザイン上の狙いもあるのでしょうが、もう少し大きければ表示の余裕も出たはずです。
もうひとつは自動電源オフまでの時間です。再生を止めてから自動的に電源オフになるまでがおそらく5分ほどと短く、再び聴こうと思ったときにはいつの間にか電源が切れていた、ということがありました。その状態で再生するとスマートフォン本体から音が出てしまうため、再生前に A200PRO の電源が入っているか確認したほうがよいでしょう。
音質
比較対象製品
周波数特性
音の質感
グレーの点線は標準的な音(全項目が中央)の波形です。
音質評価
凡例
素直でクリーン、ほんの少しウォーム
第一印象は「解像度が高く、素直にストレートに、クリーンに鳴らしてくれる」でした。そのうえで、ややウォームな印象があります。
解像度・分離感が高いのですが、その上に少しだけ角の丸さ、滑らかさ、余韻が加わっている。この「少し」が絶妙で、情報量を落とさないまま長時間でも聴きやすい、耳馴染みの良い音になっています。結果として帯域間の繋がりも滑らかです。
元々余韻が少なめのイヤホンと組み合わせると、余韻や空気感を感じやすくなる印象がありました。ただしその付加は少量なので、イヤホンごとの音の輪郭や雰囲気の違いはしっかりと感じられます。
低域・中域・高域のバランス
低域は十分に出ていますが、力強いというよりは優しげです。濃すぎず・薄すぎず、元の音のままちょうどいい量感で鳴らしてくれます。
中域・ボーカルは、特別近いというわけではなく、他の帯域と同じか、ややうしろに位置します。前に出てくるタイプではないものの、クリアに、そしてしっとりと聴かせてくれる質感です。
高域は伸びやかです。高止まり感はなく、少し華やかな印象。こちらもまた棘がなく、聴きやすくまとまっています。
これらの量感のバランスは、本体の EQ(6種)である程度は変えることができます。
音場・定位
音場の広がりも感じられますが、どちらかというとそこまで大きくは広がらず、素直なコンパクトさを感じました。定位感は必要十分といったところで、各パートの位置は問題なく掴めます。
ノイズフロア・ゲイン・DACフィルター
高出力機で気になるホワイトノイズですが、水月雨(MOONDROP) Kadenz や AAW Z06 といった高感度なイヤホンで、各種再生アプリを通しても乗ることはありませんでした。
ゲインは Low / Mid / High の3段階から選べますが、今回試聴したイヤホンでは基本的に Low で足りていました。パワーが必要なイヤホンであれば Mid 以上を選ぶとよいでしょう。
DACフィルターは7種類搭載されていますが、正直そこまで大きな変化があるわけではありません。そのなかでは LDD(Low Dispersion Short Delay)が高域もよく出て、より自然に感じられたので気に入って使っています。
まとめ : 味付けの薄さが武器になるDAC
この素直さ・使いやすさは、個人的にはイヤホンの試聴用としても非常に良いと感じました。もともと試聴用の DAC を探していたこともあり、今回購入して正解でした。
逆に言えば、とにかく迫力 ! キレ ! 疾走感 ! 細やかな音 ! くっきり・かっちりした音 ! といった好みには応えられないタイプです。そういった方向性を DAC 側に求める方は別の製品を選んだほうがよいでしょう。
あらゆるイヤホン・楽曲で楽しめて、しかもその違いを感じられました。あえて言うなら、BA のイヤホンよりも DD のイヤホン、くっきりとした音よりも滑らかな音のほうが相性が良いと思いました。final A5000・MAKE MOD 1.1 のくっきりとしたサウンド、AAW Z06・SGENE Kaimei の滑らかなサウンドと、それぞれの個性はきちんと感じられるのですが、滑らかなサウンドのイヤホンのほうがより個性が活きる印象です。
iBasso Audio DC-Tonfa / FIIO BTR17 との比較
今回は同じくスマホと組み合わせて使えるこれらとの比較です。








3機種を並べてみると、A200PRO が最も薄いことがよく分かります。厚さは A200PRO が約11mm、DC-Tonfa が15mm、BTR17 が約16.3mm。A200PRO はフェイス面積こそ最も大きいものの、スマホの背面に重ねて使う前提で考えると、この薄さがそのまま扱いやすさに効いてきます。
| NiPO A200PRO | iBasso Audio DC-Tonfa | FIIO BTR17 | |
|---|---|---|---|
| タイプ | MagSafe対応 スマホ背面装着型 DAC/AMP (バッテリー内蔵) | USB接続 ドングル型 DAC/AMP (MagSafe対応ケース付属) | Bluetooth / USB DAC/AMP (バッテリー内蔵) |
| DAC | AK4497SVQ | 8ch R2R DAC (フルバランス・フル差動) | ES9069Q × 2 |
| USBインターフェースチップ | SPV5048PRO | メーカー情報なし | XMOS XU316 |
| 対応サンプリングレート | PCM 最大32Bit/768kHz / DSD 最大 Native DSD512 | PCM 最大768kHz / DSD 最大DSD512 | PCM 768kHz/32bit / DSD512(Native)/ MQAフルデコード対応 |
| Bluetooth | 非対応 | 非対応 | QCC5181 / Ver.5.4 AAC/SBC/aptX/aptX Adaptive/aptX Lossless/aptX HD/LDAC/LC3 |
| 入力 | USB Type-C | USB Type-C | USB Type-C / Bluetooth |
| 出力 | 3.5mm / 4.4mm / 同軸デジタル(SPDIF) / ライン出力 | 3.5mm / 4.4mm / SPDIF出力 | 3.5mm / 4.4mm |
| 最大出力 | 4.4mm 最大1620mW(32Ω、片ch)/ 3.5mm 最大405mW | 4.4mm 800mW+800mW@32Ω(歪率<0.5%) 3.5mm 219mW+219mW@32Ω(歪率<0.1%) | バランス 650mW(32Ω、THD+N<1%) シングルエンド 280mW(32Ω、THD+N<1%) |
| S/N比 | 125dB | 4.4mm 122dB / 3.5mm 118dB(AES17-20K A特性) | ≥126dB(USB入力時、デスクトップモード、A特性) |
| フィルター・EQ | DACフィルター7種 / EQ 6種 | NOS + 独自開発デジタルフィルター4種 | 10バンド PEQ |
| ディスプレイ | 0.87インチ OLED(前面強化ガラス) | 0.96インチ OLED | 1.3インチ 400×240ピクセル IPSパネル |
| バッテリー・再生時間 | 3900mAh / 最大約12時間(充電 約2.5時間・独立充電ポート搭載) | バッテリー非搭載(USBバスパワー駆動) | 最大約8時間(LDAC使用時)/ 充電 約2時間 |
| サイズ | 約94 × 60 × 11mm | 61 × 34.6 × 15mm | 約16.3 × 41.2 × 86.6mm |
| 重量 | 約112g | 45g | 約73.4g |
| カラー | ブラック / ゴールド | ブラック / ブルー / レッド | ブラック / ブルー |
| 参考価格(e☆イヤホン)(価格は変動することがあります) | ¥89,980 税込 | ¥54,450 税込 | ¥32,499 税込 |
最大出力の数値は3機種で表記の基準が異なります。A200PRO の1620mW はメーカー説明で「片チャンネル最大」と明記されているもの、DC-Tonfa は「800mW+800mW」と両チャンネル合計での表記、BTR17 は650mW(32Ω)です。
vs iBasso Audio DC-Tonfa : 素直さか、ノリの良さか
機能的には、ともに 3.5mm / 4.4mm の両方に対応した USB DAC という点で同じ立ち位置です。DC-Tonfa は e☆イヤホンと iBasso Audio の共同開発モデルで、8ch R2R DAC を積んでいるのが最大の特徴になります。
大きく違うのはバッテリーの有無です。DC-Tonfa はバッテリー非搭載のバスパワー駆動なので、その分スマホ側の電力をより消費します。
一方で DC-Tonfa も付属ケースが MagSafe に対応しており、スマホにくっつけて使える点は共通しています。ただし A200PRO のほうが薄いため、スマホとの一体感という意味では A200PRO に軍配が上がります。
音質面では、DC-Tonfa は全体的に滑らかで、中・低域が厚く濃く、ノリよく楽しめるサウンドです。滑らかであることは両者に共通していますが、DC-Tonfa のほうがより滑らかです。重厚でありながらもたつかず、テンポ良く楽しめます。味付けは濃いめで、よりノリ良く重厚に鳴らしてくれるタイプです。
対して A200PRO は、滑らかながらもよりスッキリと見晴らしが良いです。味付けが薄く、繋いだイヤホン本体の違いがわかりやすいタイプです。ノリの良さを DAC 側から足してほしいなら DC-Tonfa、イヤホンの素の音を素直に聴きたいなら A200PRO、という選び分けになりますね。
vs FIIO BTR17 : 落ち着いたナチュラルか、パワフルなキレか
BTR17 はまず Bluetooth 受信に対応しており、さらにデスクトップモードで駆動力を引き上げられるなど、さすが FIIO、機能が非常に豊富です。10バンドPEQ やアプリ連携も含め、価格の割に「できることの多さ」では3機種で頭ひとつ抜けています。
音質面では、BTR17 は全体的に音の輪郭が濃く、キレが良いサウンドです。解像度・分離感ともに高く、明るく鳴らしてくれます。
A200PRO と比べると雰囲気は対照的で、A200PRO が滑らか・ナチュラルなのに対して、BTR17 はキレキレでデジタルといった印象。落ち着いた A200PRO に対して、パワフルな BTR17 という関係です。
こちらもまた方向性の違いですが、色々なイヤホンを落ち着いて聴き比べるという用途であれば、音質的には A200PRO の素直さのほうが向いていると感じました。逆に、DAC 側からキレや明るさを足してほしい方、そして Bluetooth も使いたい方には BTR17 が良い選択肢になるでしょう。
NiPO A200PRO まとめ
- NiPO A200PRO はどんな DAC?
-
- カセットテープを思わせるレトロデザイン。約112g・厚さ約11mmでスマホ背面にぴたりと収まる
- 3900mAh バッテリー内蔵。スマホ側の電力を消費せず、動作も安定
- 磁石がつく金属面ならどこにでも貼り付け可能。MagSafe 非対応スマホもメタルシールで対応
- 解像度が高く素直でクリーン、ほんの少しウォームで滑らか。長時間でも聴きやすい
- 味付けが薄く、イヤホンごとの個性がそのまま出る
- 4.4mm 最大1620mW(32Ω、片ch)の高出力
- 3.5mm / 4.4mm に加えてライン出力・同軸デジタル出力にも対応
- 専用アプリ不要。ゲイン・DACフィルター・EQ・出力・UACモードを本体だけで設定できる
- 向いている人
- スマホで手軽に、かつ本格的に音楽を聴きたい方
- 複数のイヤホンを持っていて、それぞれの違いを素直に聴き分けたい方
- 長時間リスニングでも疲れにくい音を求める方
- バスパワー型ドングルのスマホ電池消費・動作の不安定さに悩んでいる方
- 向いていない人
- 迫力・キレ・疾走感といった味付けの濃いサウンドを求める方
- くっきり・かっちりとした硬質な音が好きな方
- とにかく小型軽量なドングルが欲しい方
- Bluetooth 接続も使いたい方
¥89,980 という価格は正直に言って高いです。ただ筆者としては買ってよかったと思えました。MagSafe 対応であること、このサイズ感、サウンドの表現力の高さとクリーンさ・素直さ、そしてバッテリー内蔵であること。この5点が効いています。
スマホの背面に貼り付けるという形態でありながら、出力も音質もきちんと本格的です。そして何より、味付けを足しすぎない素直さが心地よい一台でした。イヤホンを何本も持っていて、その一本一本の違いをきちんと感じ取りたい方には特におすすめできます。筆者のように試聴用の DAC を探している方にも、ぜひ候補に入れてみてください。
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