シングルダイナミックドライバー(1DD)の有線イヤホンは、1基のドライバーが全帯域を鳴らし切るというシンプルな設計にこだわった、潔さと凝縮感を持つカテゴリーです。ハイブリッド型とは異なり、帯域ごとの位相ずれが生じにくく、整合性のとれた一体感のあるサウンドが持ち味です。近年は振動板素材・磁気回路・筐体設計の進化により、1DDとは思えないほどの解像度・分離感・低域表現を実現するモデルが増えています。
本記事では筆者が実際に試聴した10本のシングルDD有線イヤホンを厳選して紹介します。価格帯は約1,760円〜57,200円と幅広く、ブランドも FIIO・SIMGOT・qdc・Agasound・水月雨(MOONDROP)・final・TAGO STUDIO・Acoustune・NUARL・Hi-Unit と多彩です。シングルDD有線イヤホンの購入の参考にどうぞ。
前回のハイブリッドイヤホンまとめはこちらです。

聴き込んでよかった シングルDD有線イヤホン10選 まとめ

FIIO JD10(約1,760円)
- 低域主役のパワフルなサウンド、1,000円台を超えるクリアな中高域
- 10mmポリマー複合振動板ダイナミックドライバー
- クリア樹脂の軽量ボディ(片側3.7g)
- 3.5mm Ver. はリケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- コストを抑えてしっかりした低域を楽しみたい方
- 気軽に使えるサブ機・入門機を探している方
- 向いていない人
- ボーカルを前に出してしっとり聴きたい方
- 開放的な音場・高域の伸びを重視する方
SIMGOT EW200(約7,500円)
- 価格をはるかに超えるバランスと解像度、ハイレゾ認証取得のエリート入門1DD
- 10mm高性能デュアルキャビティダイナミックドライバー(SCPシリコン結晶振動板)
- オールメタルキャビティの镖面仕上げ
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- コスパ重視で解像度の高いサウンドを楽しみたい方
- ボーカルが近くてハリのあるサウンドが好みの方
- 向いていない人
- 極端な低音強調を求める方
- 軽量コンパクトなイヤホンを求める方
qdc SUPERIOR(約11,900円)
- キレの良い低音と高い解像度、余韻控えめのスッキリしたニュートラルサウンド
- 10mm径シングルフルレンジダイナミックドライバー
- qdcおなじみのカスタムIEMライクなピタッとしたフィット感・高遮音性
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- キレと解像度重視のモニタリング志向の方
- 余韻少なめでスピーディなサウンドが好みの方
- 向いていない人
- 重厚な低域・濃いめのサウンドが好みの方
- 軽い装着感を求める方
Agasound Sublimation Burnout(約26,800円)
- 深く沈み込む重厚な低域と情感豊かなボーカル、アナログライクなサウンド
- 10mmシングルダイナミックドライバー(セラミックコート振動板)
- メイプルウッドのハウジングとカーボンファイバーフェイスプレートの唯一無二のデザイン
- マルチプラグ(3.5mm/4.4mm)対応、リケーブル対応(2Pin)
- 向いている人
- ライブ感・空気感と迫力のあるサウンドを楽しみたい方
- ロック・J-POPのボーカルを情感豊かに聴きたい方
- 向いていない人
- 高い分離感・モニタリング的なサウンドを求める方
- タイトでキレのある低域を好む方
水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light(約27,000円)
- 近くリアルなボーカルと弾力ある低音・伸びやかな高音が絡み合う濃厚サウンド
- マグネシウムリチウム合金+デュアル磁気回路ダイナミックドライバー
- ブルーとゴールドの煌びやかな外観
- USB Type-CケーブルとS4.4mmバランスケーブルが両方付属
- 向いている人
- J-POP・ポップスやロックでボーカルも低音もクリアに気持ちよく聴きたい方
- 煌びやかで濃いめのサウンドが好みの方
- 向いていない人
- フラットでモニタリング的なサウンドが好みの方
- 軽さ・長時間の快適装着を最優先にする方
final A5000(約32,800円)
- 透き通る解像度と非常に高い分離感、スッキリとしたクリアサウンド
- 完全新設計ダイナミックドライバー「f-Core DU」
- 超軽量コンパクトなABS樹脂ボディ(片側約2g)
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- 細かな音を聴きたい方・解像度・分離感重視の方
- クリアで爽やかなサウンドが好きな方
- 向いていない人
- 迫力や余韻を重視する方
- 派手めなサウンドが好きな方
TAGO STUDIO T3-02(約37,400円)
- フラットでバランスの良い全帯域、録音音源の素材をそのままに楽しめるナチュラルサウンド
- 10mmダイナミックドライバー
- 楓フェイスプレートの温かみある美しいデザイン
- 独自BOX-IN-BOX構造による高い遮音性
- リケーブル対応(独自MMCX端子)
- 向いている人
- フラットで滑らかなサウンドが好きな方
- ポップス・ジャズをゆったりとリスニングしたい方
- 向いていない人
- 迫力のある低域・ダイナミックなサウンドを求める方
- コンパクトで軽いイヤホンが欲しい方
Acoustune RS FIVE CLEAR(約43,776円)
- 繊細でクールなサウンドに程よい迫力、モニタリングもリスニングもこなすバランス
- 新開発Myrinx EL-B 9.2mmダイナミックドライバー(ベリリウム合金薄膜振動板)
- 高精度3Dプリントクリアシェル+ステンレスノズル+アルミフェイスプレート
- Pentaconn Ear Long-Type コネクター採用
- 向いている人
- モニタリング用途だがリスニングでも楽しみたい方
- ロック・ポップス・EDM で高解像度・高分離感を求める方
- 向いていない人
- しっとりとした余韻を重視する方
- クラシック・バラードをメインに聴く方
NUARL NX1 Chapter2(約49,500円)
- スピーディでキレキレの高解像度サウンド、交換ノズルで低域を大胆に変化させられる
- φ10mm単層カーボンナノチューブ振動板+7N OCCボイスコイルダイナミックドライバー
- マグネシウム合金筐体、全品100時間エージング済み出荷
- 交換ノズル4種付属(8dBの低域変化)、リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- ロック・ポップス・EDM・アニソンなど現代的な楽曲を楽しみたい方
- スピーディでキレのある音・ノズル交換で音質調整を楽しみたい方
- 向いていない人
- ゆったり・しっとり・滑らかに聴きたい方
- バラード・ジャズ・クラシックをメインに聴く方
有線ピヤホン5 Hi-Unit 003-pnk(約57,200円)
- 各帯域にわたる非常に高い解像度と迫力ある低音が共存する、ピヤホンの最高到達点
- デュアル磁気回路ダイナミックドライバー
- ブラックとゴールド・金継ぎモチーフの存在感あるデザイン
- リケーブル対応(0.78mm 2pin)
- 向いている人
- ロック・メタル・EDMで迫力ある低音と高解像度サウンドを楽しみたい方
- 各楽器の細かな表現まで聴き込みたい方
- 向いていない人
- 明るい女性ボーカルをポップに楽しみたい方
- フラットでモニタリング的なサウンドが好みの方
比較対象製品
今回ご紹介する10製品の詳細レビューはこちらです。










スペック比較表
| FIIO JD10 | SIMGOT EW200 | qdc SUPERIOR | Agasound Sublimation Burnout | 水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light | final A5000 | TAGO STUDIO T3-02 | Acoustune RS FIVE CLEAR | NUARL NX1 Chapter2 | Hi-Unit 有線ピヤホン5 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| ドライバー構成 | 10mmダイナミック(ポリマー複合振動板) | 10mm高性能デュアルキャビティダイナミック(SCPシリコン結晶振動板) | 10mm径シングルフルレンジダイナミック | 10mmシングルダイナミック(セラミックコート) | Mg-Li合金+デュアル磁気回路ダイナミック | ダイナミック(f-Core DU) | 10mmダイナミック | 9.2mmダイナミック(Myrinx EL-B ベリリウム合金) | 10mm単層CNT振動板ダイナミック | ダイナミック(デュアル磁気回路) |
| インピーダンス | 32Ω@1kHz | 16Ω±15%@1kHz | 16Ω | 20Ω | 15Ω±15%@1kHz | 18Ω | 32Ω | 32Ω | 16Ω | 18Ω |
| 音圧感度 | 105dB/mW@1kHz | 126dB/Vrms@1kHz | 100dB SPL/mW | 128dB | 123dB/Vrms@1kHz | 100dB/mW | 112dB SPL/mW | 110db(1KHz,1Vrms) | 108dB±3dB/mW | 108dB |
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜40kHz | 10Hz〜50kHz | 10〜40kHz | 10〜20kHz | 12Hz〜22kHz | メーカー情報なし | 20Hz〜20kHz | 20Hz〜40kHz | 10〜40kHz | 20Hz〜20kHz |
| プラグ | 3.5mm (0.78mm 2Pin) / USB-C | 3.5mm(0.78mm 2Pin) | 3.5mm(0.78mm 2Pin) | 3.5mm / 4.4mm (0.78mm 2Pin)(マルチプラグ) | USB-C / 4.4mm(0.78mm 2Pin) | 3.5mm(0.78mm 2Pin) | 3.5mm(独自MMCX端子) | 3.5mm(Pentaconn Ear Long) | 4.4mm(0.78mm 2Pin)+ 3.5mm変換ケーブル | 3.5mm(0.78mm 2pin) |
| 参考価格(e☆イヤホン. 価格は変動することがあります.) | ¥1,760 税込 | ¥7,470 税込 | ¥11,889 税込 | ¥26,800 税込 | ¥27,000 税込 | ¥32,800 税込 | ¥37,400 税込 | ¥43,776 税込 | ¥49,500 税込 | ¥57,200 税込 |
各製品の特徴
FIIO JD10 : 1,000円台でここまで鳴るか、低域主役のパワフルなクリアサウンド

¥1,760(e☆イヤホン)/ 1DD 10mm / 約3.7g
FIIO JD10 は、10mmポリマー複合振動板ダイナミックドライバーを搭載した有線イヤホンです。今回の中では最も低価格です。 ハイレゾ認証取得・3.5mm Ver.はリケーブル対応(0.78mm 2Pin)、Type-C Ver.は独立DSPチップ内蔵で6種のサウンドプリセット対応と、1,000円台でありながら機能面も充実しています。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: 最大の特徴はその力強さです。パンチが強く適度な広がりもあり、ドラムのアタックやベースラインをしっかりと鳴らします。全体的に重心低めのどっしりとしたサウンドです。
中域・ボーカル: 1,000円台の価格を超えたクリアさで驚かされます。ただし低域の存在感が強い分、ボーカルが若干埋もれがちになる場面もあります。
高域: 余韻控えめでスッとサッパリ。音粒はキレよく切れていくため、テンポの速い楽曲や音数の多い楽曲でも粒が埋もれにくいです。
装着感: 約3.7gと非常に軽量でフィット感も良好。高い遮音性で音楽に没入できます。
付属品: 3サイズイヤーピース付属。Type-C Ver. はリケーブル非対応のためリケーブルを楽しみたい場合は3.5mm Ver.が必須です。
2千円以下ながらもリケーブル対応、ハイレゾ認証取得とコスパの良い1本です。サウンドは低音モリモリで癖はありますが、ハマる人にはハマる、普通とは違う音を楽しめます。

同じFIIOから JD1 もありますが、JD10の方がより低価格です。キレがよく、よりスピーディに感じられます。

SIMGOT EW200 : 値段をはるかに超えるバランスと解像度、エリート入門DD

¥7,470(e☆イヤホン)/ 1DD 10mm
SIMGOT EW200 は、両面気相堆積 SCPシリコン結晶振動板を採用した10mmダイナミックドライバー搭載の有線イヤホンです。アンダー一万円でありながら価格をはるかに超えるクオリティで発展当時大きな話題になりました。オールメタルキャビティによる高級感ある镖面仕上げ、リケーブル対応(0.78mm 2Pin)、ハイレゾ認証取得と機能面も充実。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: 力強い中低音が特徴的です。どっしりとした存在感がありながら全体のバランスを崩さない程よい量感です。EW300と比べるとよりフラットに近くマイルドな印象。
中域・ボーカル: ボーカルが近く感じられ、息遣いまで感じられるリアルな再現性。女性ボーカルとの相性が特に良く、くっきりとしたハリのある声を聴かせてくれます。
高域: 十分な伸びがあり、この価格以上に上の上まで出ているようでした。物足りなさを感じません。
全体バランス: 全帯域でバランス良く整ったサウンドですね。特定帯域に突出して特化した認よりは、絶妙なバランスで調整された高解像度サウンドです。一吉一円くっきりクリアなハリのある音を聴かせてくれます。
デザイン: 全体ピカピカキラキラの鏡面仕上げです。オールメタルキャビティで存在感があります。
1万円以下でリケーブル対応、メタルボディ、高解像度でキレのいい濃いサウンドとこちらもまたコスパ良すぎな1本です。 SIMGOTは個人的に好きなブランドで、他にも、EW300, EA500 LM, EA1000, Supermix4 などもありますが、その中でもEW200は最初の1本としてもおすすめです。





qdc SUPERIOR : キレとニュートラルを両立、カスタムIEMライクな装着感が光る1DD

¥11,889(e☆イヤホン)/ 1DD 10mm
qdc SUPERIOR は、qdcが手掛ける10mm径シングルフルレンジダイナミックドライバー搭載の有線イヤホンです。qdcブランドが持つカスタムIEMライクな極上のフィット感は本機でも健在で、ピタッとはまる密着感と高い遮音性が特徴的です。リケーブル対応(0.78mm 2Pin)で、4.4mmバランスケーブル(SUPERIOR Cable)もオプションとして展開されています。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: キレが良くスピーディです。重すぎることなく、余分な余韻がなく軽快に全体を支えます。輪郭が濃く、よりタイトにリズムを刻んでくれます。
中域・ボーカル: 際立ちすぎず引きすぎず、音源通りの素直な再現性に思います。余韻控えめでスッキリとした鳴り方です。
高域: 解像度が高く各音の輪郭がはっきりとしています。スピーディなキレ感があり、余韻は少なめでモニタリング志向。
解像度: 高い。余韻少なめでスッキリとしているため、各パートが明確に聴き取れます。キレと解像度を求める方にぴったりです。
装着感: qdcおなじみのカスタムIEMライクなフィット感です。ピタッとはまる密着感と高い遮音性が特徴です。その分耳への圧迫感もあるため、軽い装着感を求める方は向かないかもしれません。
デザイン: Piano Black / Vermilion Red / Azure Blue の3色が展開されています。
qdc からエントリーモデルがということで当時話題になりましたが、この価格でこの解像度・キレ・装着感は今でも十分に魅力的です。余韻少なめでスッキリとしたサウンドは、モニタリング志向の方や、キレと解像度を求める方におすすめです。 定番の1本として、長く愛されるイヤホンだと思います。
同じく qdc のエントリーモデルとしては FRONTIER もあります。こちらはDDではなくBA1基で全帯域をカバーしており、SUPERIOR とはまた違ったキャラクターでおすすめです。


Agasound Sublimation Burnout : 木の温もりが宿る、重厚さと暖かみが共存するアナログライクサウンド

¥26,800(e☆イヤホン)/ 1DD 10mm / 片側約4g
Agasound Sublimation Burnout は、Agasound Sublimation のウッドハウジングモデルです。メイプルウッドのハウジングとカーボンファイバーのフェイスプレートという唯一無二の組み合わせで、熟練の職人が一つ一つを完全手作業で研磨した個体のみが製品化されます。6N単結晶銅線マルチプラグケーブル付属でコストパフォーマンスも高いです。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: 深く濃く沈み込む重厚な低域です。ブーミーに膨らまず重厚さを保ちながらスピード感もあり、もたつかないのが印象的で、ライブで体感するようなドラムの空気感・ベースのうねりを生々しく感じさせます。
中域・ボーカル: 低域の存在感が高いにもかかわらず、ボーカルが埋もれることなくグッと近くに感じられます。暖かみのあるサウンドと相まって情感豊かです。J-POPを聴いたときのボーカルを味わえます。
高域: クリアで伸びやかですが控えめです。鋭さや刺さりはほとんどなく、しっとりとした質感です。聴き疲れしにくく長時間の試聴でもストレスなしです。
音場: 広く、特に低域とボーカルの広がりが印象的です。ふわっとした余韻が少しあり、空気感も豊かです。ライブ会場にいるような臨場感が特徴的です。
デザイン: Black Blue・Black Orange の2色展開です。同じ個体は二つとない完全オリジナルデザインです。
前作の Agasound Sublimation も1DDですが、個人的には Sublimation Burnout の方が低域の量感・迫力・空気感が増していて、より重厚な音楽を楽しめて好みです。木の温もりが宿る暖かみのあるサウンドは、アナログライクな音楽体験を求める方におすすめです。


水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light : 生々しいボーカルと弾力ある低音が煌めく、水月雨らしい濃厚サウンド

¥27,000(e☆イヤホン)/ 1DD Mg-Li合金 デュアル磁気回路
水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light は、Starfield2 の後継機として日本限定で登場したモデルです。マグネシウムリチウム合金とデュアル磁気回路を採用したダイナミックドライバーに加え、内蔵DAC・DSPによるUSB Type-C接続と4.4mmバランスケーブルの両対応、さらにアプリ(MOONDROP LINK)でイコライザー調整可能と機能面も充実しています。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: 水月雨イコール高音キラキラのイメージを覆すほどしっかりとした量感です。深く重みのある低音が弾力を持って鳴り、ドラムのアタック感・ベースラインも十分な存在感があります。
中域・ボーカル: 最大の特徴はボーカルの近さです。歌声が目の前に降り注いでくる生々しいリアリティで、息づかいや細かな表情まで感じ取れます。特に女性ボーカルとの相性が抜群です。
高域: 綺麗に伸びやかに広がりますが、つんざくような刺さりはありません。水月雨らしいクールでクリアな明るさが中高域全体に漂います。
USB-C vs 4.4mm: USB-C接続の方が余韻・残響の表現が増し低音も強めです。アプリのイコライザーで曲や好みに合わせた調整も可能です。
同じ水月雨(MOONDROP)でほぼ同価格の Kadenz もまた1DD構成です。Kadenz はよりクリーンでシルキーなサウンドが魅力的です。個人的には 星光 – Star Light の方が濃いギラギラとしたサウンドで好みでしたので今回はこちらを選出しました。 ですが、Kadenz も非常に魅力的なイヤホンですので、好みに合わせて選ぶのが良いと思います。
また、価格が下の Starfield 2 も同じく1DD構成です。Star Light と同じくStarシリーズで少し価格は控えめに、ギラギラなサウンドを楽しめます。



final A5000 : f-Core DUが奏でる透き通る解像度と爽やかなクリアサウンド

¥32,800(e☆イヤホン)/ 1DD f-Core DU / 片側約2g
final A5000 は、final が完全新設計したダイナミックドライバーユニット「f-Core DU」を搭載した有線イヤホンです。超軽量コンパクトなABS樹脂ボディ(片側約2g)でありながら、透き通るような解像度と非常に高い分離感を実現しています。TYPE Eイヤーピース5サイズ・イヤーフック・シリコンケース付属と充実したセット内容です。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: やや濃いめで全体を支える存在感があります。ドラムのキックやベースラインもしっかりと鳴らし、楽曲に適度な重みを与えてくれます。
中域・ボーカル: クリアで前に出てきて聴きやすい。高域は伸びやかで煌びやかさもありますが、刺さることはなく心地よい範囲です。
解像度・分離感: 驚異的に細かな音粒と非常に高い分離感が最大の魅力。情報量が多い曲でも各パートが混ざりにくく整頓されて聴こえます。f-Core DUドライバーの実力を感じる見通しの良いサウンドです。
余韻: 少なめでスッキリ・サッパリ。ハイテンポな曲でもリズムを損なわず、もたつきなくEDMやロックとの相性も抜群です。
デザイン: Aシリーズお馴染みのシンプルなブラック一色。シボ加工で高級感があります。
final 自社開発ドライバー f-Core DU を搭載したイヤホンは、A5000 の他にも(私が購入したものだと) A6000, A2000 もあります。その中でも A5000 はいい意味でクセがなく、基準となるサウンドです。 個人的にも他イヤホンとの比較やイヤーピース・ケーブル・DACの違いを確認する際に、A5000 を基準として聴くことが多いです。解像度・分離感・クリアさを重視する方におすすめです。



TAGO STUDIO T3-02 : 楓フェイスプレートが温かみを添える、録音音源の素材をそのままに楽しめるナチュラルサウンド

¥37,400(e☆イヤホン)/ 1DD 10mm / 片側約10g
TAGO STUDIO T3-02 は、名作ヘッドホン T3-01 に続いてリリースされた有線イヤホンです。楓を使ったフェイスプレートと独自の「BOX-IN-BOX構造」(イヤホンの中にコアユニットを設ける2重構造)による高い遮音性が特徴的です。付属イヤーピースは SpinFit が3サイズ付属しています。リケーブルは独自MMCX端子を採用(純正専用ケーブルのみ対応)。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: そこまで深くはないですが、そこそこキレがあり軽快です。迫力よりも軽やかさを重視したサウンドで、ベースやドラムを過度に強調することなく楽曲全体のバランスを保ちます。
中域・ボーカル: 他の帯域と同じ自然な位置関係です。特段前に出るわけではなく、あくまでも音源の素材をそのままに再現します。
高域: そこそこ伸びやかで十分な情報量です。シンバルやハイハットの響きも美しく聴かせてくれます。水月雨のような極端な煌びやかさはなく、ナチュラル志向です。
解像度・音場: 解像度は十分に高く1音1音しっかりと聴き取れます。音場はなかなかに広く横・上下ともに開放的です。定位感も良好です。
質感: 滑らかでありながらクリア、かつそこそこのスピード感です。デジタルチックな冷たさがなく耳馴染みが良いです。長時間聴いても疲れないサウンドです。
見た目もサウンドも、ザ・ナチュラルを突き詰めたようなイヤホンです。この TAGO STUDIO サウンドは今でも他のイヤホンにはない独自の空気感がありますね。
水月雨(MOONDROP) とのコラボモデル、Harmon-SP もあります。


Acoustune RS FIVE CLEAR : リスニングもモニタリングも。繊細でクールな「リスニングモニター」

¥43,776(e☆イヤホン)/ 1DD 9.2mm Myrinx EL-B
Acoustune RS FIVE CLEAR は「リスニングモニター」をコンセプトに掲げたAcoustune MONITORシリーズ第3弾です。新開発のMyrinx EL-Bドライバー(ベリリウム合金薄膜成型ドーム振動板)を搭載し、医療グレード3Dプリントクリアシェル・ステンレスノズル・アルミフェイスプレートというこだわりの構造を採用。高品位ケーブルARM021とPentaconn Ear Long-Typeコネクターの組み合わせが信頼性の高いサウンド伝送を実現しています。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: やや多め・濃いめ・深めでタイトに引き締まっています。キレが良くスピーディ。ドラムのアタック感はスパッと鮮明で、量感だけでいうとやや低域が盛り上がっており純粋なフラットモニターというよりリスニングでも楽しめるバランスです。
中域・ボーカル: 強調されることなくクリアで濃い印象です。ボーカルの息遣いや表情がしっかり伝わり、全体のバランスの中で存在感を放っています。
高域: 十分上まで出ておりクリアですが、低域・中域と比べるとやや控えめに思います。刺さりもなく長時間聴き続けやすいです。
解像度・分離感: 非常に高いです。上から下まで細かい音もはっきり聴こえ、情報量が多い曲でもごちゃつかずしっかり分かれて聴こえます。モニタリングにも十分な描写力です。
質感: ドライでデジタルチックです。余韻は少なめでソリッドなサウンドです。元の楽曲のサウンド・クオリティに忠実で、上流機器の影響も受けやすい印象です。
モニタリングイヤホンとして有名な Acoustune RS シリーズの最新作です。その中でもRS FIVE CLEAR は、モニタリングだけでなくリスニングも楽しめるバランスの良いサウンドです。 また、上流の違い・音源のクオリティの違いが分かりやすいという点も特徴的です。非常にコンパクトで装着感も良く、長時間の試聴でも疲れにくいです。

NUARL NX1 Chapter2 : ノズル交換で変幻するスピーディサウンド

¥49,500(e☆イヤホン)/ 1DD 10mm CNT振動板
NUARL NX1 Chapter2 は、交換ノズル4種で約8dBの低域変化を楽しめる画期的なシングルDD有線イヤホンです。φ10mm単層カーボンナノチューブ振動板+7N OCCボイスコイルのダイナミックドライバーをマグネシウム合金筐体に搭載し、全品100時間エージング済みで出荷。NUARL初の0.78mm 2pin接続対応で、高品位な銀メッキ7N OCC 8線撚り4.4mmバランスケーブルが付属します。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域 (オレンジ長軸ノズル): タイトに締まりスピーディです。重たくなく軽快にリズムを支えてくれます。
低域 (グリーン長軸ノズル): 一気にガラッと変わり厚みのある重厚なサウンドへ。8dBの差は想像以上の変化で低音好きにも刺さります。
高域: 本機最大の個人的な特徴で、非常に解像度・分離感が高くキレキレです。かなり上までしっかり伸びるギリギリを攻めた伸びやかさです。曲や好みによっては刺さりが気になる場合も。 解像度・分離感: 上から下まで非常に高く、スピーディで情報量が多いです。音源にある全ての音粒を露わにするような表現力です。
装着感: マグネシウム合金筐体でコンパクトです。ピタッとハマる装着感と高い遮音性です。
全体を通して、解像度・分離感が非常に高く、スピーディで情報量が多いサウンドが好みでした。ノズルで低域の量感がガラッと変わるのも良いですね。 その他にも、ケーブル・イヤーピース等、付属品のクオリティも高く、100時間エージングを行い安定化してから出荷される点もNUARLの拘りが見られ、魅力的です。
同じ NURAL の Overture もまた、1DD構成です。より価格が上で、サウンドには生っぽさが加わり、付属するノズルの数も多く、より細かな調整が可能です。 (残念ながら、Overture は現在販売終了となっています。)


有線ピヤホン5 (Hi-Unit 003-pnk) : ピヤホンの最高到達点、迫力と解像度が両立した極まったサウンド

¥57,200(e☆イヤホン)/ 1DD デュアル磁気回路
有線ピヤホン5(Hi-Unit 003-pnk)は、クラウドファンディングで1億円の支援を集めた有線ピヤホン3の経験を活かし、ピヤホンシリーズ最高峰の音質を追求したモデルです。デュアル磁気回路ダイナミックドライバーを搭載し、まるでライブ会場にいるような立体感というコンセプト通り、迫力とリスニング性能を両立しています。ブラックとゴールドの金継ぎモチーフのデザインは圧倒的な存在感を放ちます。
音質イメージグラフ:
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
低域: 最も特徴的なのは低音寄りのバランスで迫力があることです。デュアル磁気回路によりパワーとキレが増され、ドラムのアタック感・ベースラインがしっかりと響きます。この低音の迫力と全体の解像度の高さが見事に共存している点が絶妙です。
中域・ボーカル: 各パートがくっきりと描かれ、ドラム・ベース・ボーカル・シンバルそれぞれの存在感がしっかりあります。広がる低域と直線的に伝わってくる中高域のコントラストも特徴的です。
解像度: 非常に高く、下から上まで漏らさず鳴らしてくれます。有線ピヤホン3からさらに研ぎ澄まされたサウンドです。
余韻: 低音はやや多め、中高域はあるかなくらいのスッキリした音の並びですが、低音の迫力があるおかげで味気なさはゼロです。
デザイン: ブラックとゴールドのアルミ合金製ボディは高級感があります。片側7gです。
今回の中では最高金額のイヤホンです。 本サイトでも何度もレビューしている有線ピヤホンシリーズでも最も価格が高いモデルです。ピヤホンの最高到達点と言わんばかりのクオリティ・バランス・迫力・解像度を兼ね備えています。 ロック、ライブ音源を聴くにはもってこいです。 これを超えるピヤホンが出てくるのか、楽しみでもあります。


どの製品を選ぶべき?
予算で選ぶ
- ~2,000円: FIIO JD10 — 低域強めのパワフルなサウンド。1,000円台ながらリケーブル対応でコスパ良好。
- ~7,500円: SIMGOT EW200 — 1万円以下でコスパ最高峰。ハイレゾ認証取得、力強い中低音と高解像度のバランス実力。
- ~12,000円: qdc SUPERIOR — qdcのカスタムIEMライクなフィット感とキレのあるニュートラルサウンド。モニタリング志向の方に。
- ~30,000円: Agasound Sublimation Burnout または 水月雨 Star Light — Burnout は重厚でアナログライクなサウンド。Star Light はボーカル重視の煌びやか系。好みで選択。
- ~35,000円: final A5000 — 透き通る解像度と高分離感。超軽量でクリアに楽しみたい方に。
- ~40,000円: TAGO STUDIO T3-02 — フラットでナチュラル。楓の美しいデザインで、ポップス・ジャズをゆったり楽しみたい方に。
- ~50,000円: Acoustune RS FIVE CLEAR または NUARL NX1 Chapter2 — RS FIVE はモニタリングも兼ねる繊細クール系。NX1 はスピーディかつノズル交換で大胆に変化を楽しめる。
- ~60,000円: 有線ピヤホン5 — 迫力と解像度を両立したピヤホンシリーズの最高到達点。
サウンドの好みで選ぶ
低域重視・パワフルに楽しみたい → FIIO JD10 1,000円台でパワフルな低域と軽快なキレ感を楽しめる。
コスパ重視、力強い中低音と高解像度 → SIMGOT EW200 1万円以下でメタルボディ。力強い中低音とクリアなボーカルを絶妙なバランスで楽しめる。
キレとニュートラル、モニタリング志向 → qdc SUPERIOR カスタムIEMライクな抜群のフィット感と余韻控えめのスピーディサウンド。解像度重視の方に。
重厚でアナログライク、空気感・臨場感重視 → Agasound Sublimation Burnout 深い低域と近いボーカル、ウッドハウジングの暖かみが生む唯一無二のサウンド。ライブ音源との相性が抜群。
ボーカル重視・J-POP向けの濃厚サウンド → 水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light 近くリアルなボーカルと弾力ある低音。J-POPやポップスを生々しく楽しみたい方に。
解像度・分離感重視、爽やかなクリアサウンド → final A5000 細かな音粒と非常に高い分離感。スッキリとした余韻少なめのクリアサウンドが好みの方に。
フラットでナチュラル、ゆったりリスニング向け → TAGO STUDIO T3-02 録音音源の素材をそのまま味わえるサウンド。楓フェイスプレートのデザインも唯一無二。ポップス・ジャズ向け。
モニタリングも兼ねる繊細クール系 → Acoustune RS FIVE CLEAR ドライでデジタルチック。高解像度・高分離感で制作にも日常使いにも使えるバランス。
スピーディでキレキレ、ノズルで大胆に変化 → NUARL NX1 Chapter2 現代的な楽曲を気持ちよくキレキレで楽しみたい方に。交換ノズルで全く異なる低域キャラクターを楽しめるのは唯一無二。
迫力と解像度の両立、ロック・EDM・メタル向け → 有線ピヤホン5 低域の迫力と各帯域の高解像度が共存。ピヤホンシリーズの最高到達点として、本格的に聴き込みたい方に。
ジャンルで選ぶ
- J-POP・ポップス全般: 水月雨 Star Light、Agasound Sublimation Burnout
- ロック・EDM・アニソン: NUARL NX1 Chapter2、有線ピヤホン5
- ライブ音源・臨場感重視: Agasound Sublimation Burnout
- ボーカル重視: 水月雨 Star Light、Agasound Sublimation Burnout
- 幅広く楽しみたい: final A5000
- ポップス・ジャズ・ゆったりリスニング: TAGO STUDIO T3-02
- モニタリング・制作兼用: Acoustune RS FIVE CLEAR、qdc SUPERIOR
- 入門・コスパ重視: FIIO JD10、SIMGOT EW200
聴き込んでよかった シングルDD有線イヤホン10選 まとめ
10本のシングルDD有線イヤホンを振り返ると、1DDというシンプルな構成でありながら、それぞれの個性が際立っていることに気づきます。どれも「聴き込んでよかった」と思える1本ですが、自分の聴くジャンルや求めるサウンドによって最適な選択肢は大きく異なります。
- 低コストでパワフルな低域を楽しみたい → FIIO JD10
- コスパ最重視、力強い中低音と高解像度 → SIMGOT EW200
- キレ×ニュートラル×カスタムIEMフィット感 → qdc SUPERIOR
- 重厚でアナログライクな空気感を体感したい → Agasound Sublimation Burnout
- 生々しいボーカルと濃厚なJ-POPサウンドが欲しい → 水月雨 Star Light
- 透き通る解像度と高分離感のクリアサウンド → final A5000
- フラットでナチュラル、ゆったりリスニングに → TAGO STUDIO T3-02
- モニタリングも兼ねる繊細クール高解像度系 → Acoustune RS FIVE CLEAR
- スピーディ×ノズル交換で遊びたい → NUARL NX1 Chapter2
- 迫力と解像度の両立、本格リスニングに → 有線ピヤホン5
各製品の詳細レビューもあわせてご覧ください。










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