社会人ソフトエンジニア&オーオタ。
オーディオ沼に浸かり始めて数年。
解像度の高いイヤホンが特に好み。
聴く音楽はJ-POP・ロックが多め。
9mm Parabellum Bullet・King Gnu・宇多田ヒカル・福山雅治等々。iri Waver。
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF レビュー 洗練された蘭の正統後継機 | サク見レビュー

水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF は、次世代ガラスドーム複合振動板と内外複合型デュアルマグネット構造を採用した有線イヤホンです。前作 蘭-LAN のコンパクトな形状を踏襲しながら、音響構造を一新。スッと伸びやかな中高域と芯の残る控えめな低域が、1万円以下とは思えないバランスを実現しています。
本記事では実際に購入した筆者が内容物・外観・装着感・音質のレビュー、前作 蘭-LAN・同価格帯の final A2000 との比較、おすすめのイヤーピース・リケーブルについて記載しています。
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF まとめ


- Q水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF はどんなイヤホン?
- A
- コンパクトで軽く、耳馴染みの良い装着感
- スッと伸びやかでクリアな中高域、芯の残る控えめな低域
- 1万円以下で4.4mmバランス・3.5mmアンバランス・リケーブルに対応
- ガラスドーム複合振動板 × MIM製法ステンレスシェルの上質な仕上がり
- 向いている人
- 女性ボーカル・アコースティック・シティポップ・ジャズをすっきり楽しみたい方
- 長時間使っても聴き疲れしにくいイヤホンを探している方
- 有線イヤホン入門にも、気軽に使えるサブイヤホンにも
- 向いていない人
- 低音の量感・迫力を求める方
- ロック・EDM など低域が欲しいジャンルをメインに聴く方
今回比較しているイヤホンはこちらです。


本サイトでレビューしている水月雨(MOONDROP)製品はこちらです。










水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF 製品情報
内外複合型磁気回路 / ガラスドーム複合振動板搭載 / 超低歪み・リケーブル対応のカナル型HiFiイヤホン
2つのバリエーションが奏でる、異なる魅力
「蘭II」には、外観デザインとチューニングの方向性が異なる「蘭II—LAN II REF」と「蘭II—LAN II POP」の2種類をご用意しました。多彩なリスニングスタイルに応え、それぞれに独自の音楽体験をお届けします。
基準級HiFi性能を追求して誕生:革新素材と先端技術による新たな一歩:大口径ガラスドーム複合振動板、高効率な内外磁複合型デュアルマグネット構造ユニット、さらにMIM製法によるステンレス金属シェル。コストを惜しまぬ素材投入は、ただひとつ、「蘭」が築いてきた HiFiの新たな基準をさらに前へと押し進めるため。前作のコンパクトな筐体デザインを踏襲しつつ、装着感と使いやすさを維持。音響構造は一新されており、水月雨の経験豊富な開発チームが最新の音響測定システムを用いて科学的にチューニングを実施。「蘭-LAN」シリーズの持つ基準音質をさらに進化させた、新たなスタンダードモデルです。
次世代ガラスドーム複合振動:厚さわずか0.05mmのソリッドガラスドームは、高精度な金型と精密なガラス加工技術によって成形され、極めて高いヤング率と優れた内部損失係数を備えています。これにより、従来の振動板では実現が難しい高域の伸びと解像度を実現。超低歪み、広いダイナミックレンジ、そして極めて緻密な高域解像度を高次元で融合。
高効率な内外複合型デュアルマグネットドライバー:同心円状に配列された2枚のN52磁石による内外複合型磁気回路は、有限要素解析(FEA)を駆使して磁束分布を最適化。磁気ギャップにおいては1テスラを超える高密度かつ均一で対称的な磁束密度を実現。
MIM製法のステンレススチールハウジング:「蘭II」のコンパクトなボディは、MIM製法(粉末射出成形)を採用。成形と高温焼結によって、頑丈なステンレススチール製ハウジングを実現。
卓越した音響性能:「蘭II」は、VDSF Target Responseの振幅周波数特性に高いレベルで適合し、従来モデルを上回る優れた高音の伸びを実現。4.4mmバランスプラグのケーブルと3.5mmシングルエンド変換ケーブルが標準付属。ユニバーサル規格の0.78mm 2Pinコネクタを採用。
ユニバーサルリケーブル可能:ユニバーサル規格の0.78mm 2Pinコネクタを採用。音質向上のためのアップグレードはもちろん、マイク付きケーブルへの切替えや、Bluetoothアダプターを用いたワイヤレスリスニングにも対応。
高純度OFCケーブル標準付属:高純度無酸素銅ケーブルにより信号のロスを防ぎ、プロフェッショナルな使用環境から日常まで幅広く対応。
MOONDROP https://moondrop.co.jp/product/lan2 より
ドライバー構成 10mmデュアルチェンバー高性能ダイナミックドライバー インピーダンス 30Ω±15%(@1kHz) 音圧感度 118dB/Vrms(@1kHz) 再生周波数帯域 12Hz-60kHz(IEC61094, Free Field)
名前の通り、前作 蘭-LAN の後継機です。シルバーの見た目は共通していますが、振動板がベリリウムメッキドーム型複合振動板から次世代ガラスドーム複合振動板に変わったりと、内部の進化は大きいです。
さらには今回レビューする REF の他に、デザイン・チューニングの異なる POP バージョンも同時にリリースされています。今回は好みに近い REF を購入しました。
- REF : 中高域の楽器表現にこだわったチューニングで、空間の広がりを感じさせ、楽器の音色やクラシック音楽の魅力をより豊かに描き出します
- POP : 中低域とボーカル表現を重視したチューニングで、音楽全体を包み込むような豊かな雰囲気表現を重視し、人声やJ-POPの魅力を一層鮮やかに引き立てます
ギャラリー
内容物


内容物はこちらです。
- 本体
- ケーブル(4.4mm)
- 4.4mm – 3.5mmプラグ変換ケーブル
- イヤーピース 3サイズ
- ポーチ
1万円を切る価格帯でありながら、4.4mmバランスケーブルと3.5mm変換ケーブルが揃って同梱されているのは珍しいです。購入直後からバランス・アンバランスどちらでも聴き始められるのは嬉しいです。
付属イヤーピース


シンプルなシリコンタイプで、触れるとしっとりした手触りです。軸の剛性が高く、開口部は広めに設計されています。S/M/L の3サイズが揃っています。
付属ケーブル


黒と銀のツートーンで落ち着きのあるルックスで、コネクター部分にもさりげなくロゴが入っています。細身で柔軟性が高く、取り回しがしやすい仕上がりです。
前作 蘭-LAN では3.5mmシングルエンドのみでしたが、蘭 II からは4.4mmバランスが標準付属となりました。変換プラグも同梱されており、この価格帯でバランス・アンバランスどちらもすぐ楽しめるのは大きなアドバンテージです。
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF 本体


シルバーのハウジングに「蘭」のロゴがプリントされた、シンプルながら品のあるルックスです。輪郭を丸く落とした長方形に近い形状で、ゼンハイザー IE シリーズを連想させるコンパクトなシルエットです。


素材はMIM製法(粉末射出成形)で成形されたステンレススチール。手に持つとずっしりとした剛性感が伝わります。実測9gは最近のイヤホンと比べると少し重い部類に入ります。


ケーブル接続は窪みのある 0.78mm 2Pin です。
装着時


装着するとこのような見え方になります。シルバーのコンパクトなボディは耳に自然に馴染み、過度な主張がありません。ハウジングが耳にすっぽり収まり、外側への突出もほとんどないのがわかります。
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF レビュー
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF 装着感 : コンパクトで耳馴染みが良い
一見いたってシンプルな形ですが、耳に当てると自然に位置が決まりぐらつきもありません。ぴったり密着するタイプではないため遮音性は中程度ですが、その分圧迫感が少なく長時間でも疲れにくいです。ハウジングはやや重めですが耳に入ってしまうと重さを意識する場面はほとんどなく、耳の大きさを問わず馴染みやすい形状です。
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF 音質 : スッキリ伸びやか、聴き疲れしにくいREFサウンド
試聴環境: SONY NW-WM1AM2 で再生。ケーブル・イヤーピースは付属のものを使用。女性ボーカル、アコースティック、シティポップ、ジャズを中心に試聴しました。
音質イメージグラフ
こちらが個人的音質イメージグラフです。
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
聴き始めてすぐに気づくのは、中高域のすっきりとした抜け感です。華やかに飛び出してくる派手さはなく、各帯域が穏やかに整えられていて、どんな曲でもそのまま受け取れる自然さがあります。
スッと伸びる中高域
中高域は滑らかな伸びがあり、引っかかりや刺激感がありません。ハイハットやストリングスは輝きを持ちながらも耳に押しつけてくる感じがなく、長く聴いていられる耳触りです。全帯域を通じて視界がひらけたような透明感があり、素っ気なさはあるものの、音の細部はきちんと彫刻されていてニュアンスが読み取りやすいです。ボーカルは前面に出るよりも、楽器群と横並びになるバランス配置です。
低域は控えめ、でもキックの芯は残る
低域はボリューム控えめですが、欲しいときに必要な量はきちんと出ています。打感はやさしく、極低域まで沈み込む迫力はないものの、キックドラムのアタック芯はしっかり残っているので底が抜けた感じはしません。ベースもほどよい線の細さで、上の帯域の邪魔にならずに全体を下支えしています。
自然なつながりと聴き疲れしにくさ
音の立ち上がりはゆるやかで、残響も短めです。テンポを押し切るような勢いはありませんが、その穏やかさが何時間聴いても疲れない理由でもあります。価格帯を考えると解像度は高く、各音がはっきり認識できます。分離感もよく整っており、サラッとした粒感で音が流れていきます。
音場・定位と音量耐性
ステージは左右にやや広め。超ワイドという感触ではなく、不自然に引き伸ばした感じもなく、実際の演奏空間に近い自然なスケールです。音量を上げると全体が素直に大きくなり、特定の帯域が暴れることなくまとまっているのも安心感があります。
相性の良いジャンル
女性ボーカル曲、アコースティックギター、シティポップ、ジャズとの相性がよく、空気感をナチュラルに再現してくれます。一方、ドラムとベースで押し出すロックや電子低音が肝のEDMは、低域の量が追いつかず物足りなさを覚えるかもしれません。
まとめ : 自然なまとまりと聴き疲れしにくさが魅力
伸びやかな中高域と、控えめながら芯を失わない低域が、丁寧に引き合わせられたサウンド。誇張も強調もなく、ただ音楽を気持ちよく届けてくれる「REF」の名にふさわしいチューニングです。
水月雨(MOONDROP) 蘭-LAN / final A2000 との比較
前作 蘭-LAN と、価格の近い final A2000 との比較です。




| 水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF | 水月雨(MOONDROP) 蘭-LAN | final A2000 | |
|---|---|---|---|
| ドライバー構成 | 10mmデュアルチェンバー高性能ダイナミックドライバー(ガラスドーム複合振動板) | 10mm デュアルチャンバー ダイナミック型 (大型ベリリウムメッキドーム型複合振動板) | ダイナミック型(f-Core DU) |
| インピーダンス | 30Ω±15%(@1kHz) | 32Ω±15%(@1kHz) | 19Ω |
| 音圧感度 | 118dB/Vrms(@1kHz) | 120dB/Vrms(@1kHz) | 99dB |
| 再生周波数帯域 | 12Hz-60kHz(IEC61094, Free Field) | 15Hz-37,000Hz | メーカー情報なし |
| 参考価格(e☆イヤホン)(価格は変動することがあります) | ¥8,550 税込 | ¥7,200 税込 | ¥9,800 税込 |
1万円未満でダイナミックドライバー搭載のイヤホン達です。前作 蘭-LAN と並べると形状は同じですが細かなデザインに違いがあります。
相対的な音質イメージはこちらです。
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
vs 水月雨(MOONDROP) 蘭-LAN
同じ水月雨ブランドでも、並べてみると予想以上の差があります。蘭-LAN は低域も余韻も豊かで、全体に肉付きのいい濃厚なサウンドです。対して蘭 II – REF はスリムに整理されており、分離感・解像度ともに一段洗練されています。どちらも十分な完成度ですが、コク重視なら蘭-LAN、スッキリと精度を楽しみたいなら蘭 II – REF、という使い分けになるでしょう。
vs final A2000
A2000 は解像度と分離感が一枚上で、音のエッジがくっきり立った鋭利なサウンドです。フラットバランスで再現性は高い反面、高域が少し神経質に感じる場面もありました。蘭 II – REF は解像感でわずかに譲るものの不満のないレベルで、音の粒の角がほどよく丸く、聴き続けてもストレスが積み重なりません。精密な分析向きは A2000、体に馴染む心地よさ重視なら蘭 II – REF という棲み分けです。
水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF おすすめイヤーピース・リケーブル
スッキリしたサウンドをお手軽により楽しむイヤーピース・リケーブルの例です。
イヤーピース : 水月雨(MOONDROP) 清泉 – Spring Tips
同ブランドの清泉 – Spring Tips を合わせると、薄くしなやかな傘が耳にしっかり沿いながら圧迫感を抑えてくれます。音への影響は明るさと透明感が増す方向で、もともと澄んだ蘭 II – REF の中高域がさらに気持ちよく伸びます。
リケーブル : SoundsGood Brigit
リケーブルは SoundsGood Brigit がよく合いました。手頃な価格で見た目も洗練されており、装着した姿のまとまりも良いです。中高域に豊かな倍音が乗り、音場も少し広がって、蘭 II – REF の強みである抜けの良さをさらに引き出してくれます。


水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF まとめ
- Q水月雨(MOONDROP) 蘭 II – REF はどんなイヤホン?
- A
- コンパクトで軽く、耳馴染みの良い装着感
- スッと伸びやかでクリアな中高域、芯の残る控えめな低域
- 1万円以下で4.4mmバランス・3.5mmアンバランス・リケーブルに対応
- ガラスドーム複合振動板 × MIM製法ステンレスシェルの上質な仕上がり
- 向いている人
- 女性ボーカル・アコースティック・シティポップ・ジャズをすっきり楽しみたい方
- 長時間使っても聴き疲れしにくいイヤホンを探している方
- 有線イヤホン入門にも、気軽に使えるサブイヤホンにも
- 向いていない人
- 低音の量感・迫力を求める方
- ロック・EDM など低域が欲しいジャンルをメインに聴く方
さすが水月雨、この価格でもいいバランスです。お手頃価格で一通り揃っているので有線イヤホン入門としても、気軽に使うサブイヤホンとしてもおすすめです。今回レビューした REF の他に POP もありますので、お好みでお試しください。
最後までご覧いただきありがとうございました。それではまた次の記事で!よければSNSフォローもどうぞ。













