SIMGOT EW300 は、10mm ダイナミック・6mm 平面磁気・PZT 圧電セラミックという3種のドライバーを組み合わせたトライブリッドイヤホンです。鏡面仕上げのフルメタルボディと、ノズル交換による2通りのサウンドチューニングが特徴で、SIMGOT らしい解像度の高さ・音の濃さをエントリー価格帯で実現した1台です。
本記事では実際に購入した筆者が内容物・外観・装着感・音質のレビュー、同シリーズの SIMGOT EW200 および qdc SUPERIOR との比較、おすすめのイヤーピース・リケーブルについて記載しています。
SIMGOT EW300 まとめ

- QSIMGOT EW300 はどんなイヤホン?
- A
- 鏡面仕上げの美麗なフルメタルボディ
- 解像度・密度ともに高い、迫力ある濃いサウンド
- タイトにキレる低域とシャキッとした高域のドンシャリ傾向
- ノズル交換でサウンドキャラクターを変化させられる
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- 解像度が高くキレのある音を楽しみたい方
- 迫力・密度のあるドンシャリサウンドが好みな方
- ノズル交換で音質の違いを体感したい方
- 向いていない人
- フラットで穏やかなサウンドが好みな方
- 高域の刺さりが苦手な方
- 軽量・小型イヤホンを求めている方
今回比較しているイヤホンはこちらです。


以下では価格の近い EW300 との比較を行っています。こちらも参考にどうぞ。


本サイトでレビューしている SIMGOT 製品はこちらです。




SIMGOT EW300 製品情報
三種の異なるドライバーの統合と融合を図り、EWシリーズの高いコストパフォーマンス戦略を継承し、エントリーレベル価格帯における製品モンスターを創出しました。イヤホンのシングルキャビティ人間工学デザインと、多ドライバーの内部キャビティ積層開発、多様な発音ユニットの組み合わせ、デュアルターゲットカーブの一致など、数々の難題を乗り越えています。科学的調整技術とリスニング体験の差異を埋めるべく、1年を超える精密な調整を経て、マトリックス音響構造のエントリーレベルHiFiモンスターを構築しました。異なるサウンドガイドチューブの太さにより、EW300 は HiFi 愛好者の卓越したリスニング体験とプロフェッショナルな音楽制作のニーズを満たすだけでなく、ゲームや FPS プレイヤー向けの特化型ゲームにも最適で、勝利への一歩をお約束します。
■1DD+1PLANAR+1PZT トライブリッドイヤホン
・10mm ダイナミックドライバー:独自開発の10mm類陶磁器複合振動膜により、低歪みと高解像度を実現。自然でリアルな臨場感と豊かなボーカルを提供します。
・6mm リング型平面磁気ドライバー:従来の小型バランスドアーマチュアに代わり、高音域表現のために平面磁気ドライバーを採用。低歪みと広帯域特性を持ち、自然で滑らかな高音質を実現します。
・カスタム多層PZT(圧電セラミック)ドライバー:超高域の表現を担い、3ドライバーによる緻密な帯域分担を実現しています。■2種類の交換可能ノズル
- シルバーノズル・赤リング(SIMGOT-Golden2023 曲線):三帯域均衡を維持しながら解析力を十分に発揮し、ボーカルを感情豊かに表現。高音域の空気感を強調し、さまざまな音楽ジャンルに対応します。
- ゴールドノズル・紫リング(H-2019 曲線):普遍的で汎用性が高く、正確な音場再現とバランスの取れた三帯域が特徴。プロの録音やミキシング用途にも適し、音源の質に関係なく安定した音響パフォーマンスを提供します。
■高密度合金の採用による堅牢な品質
ミラーフィニッシュ浅黒クロムメッキ工芸を採用。高密度合金とCNC精密加工技術により、耐圧性と信頼性を兼ね備えたフルメタルボディを実現。内部キャビティには微細な不均一面を設計し定在波を抑制することで、音の透明感と純度を高めています。■ドライバーの周波数調整
有限要素法を用いた音響シミュレーション技術を採用し、3種のドライバーの音色特性と周波数応答を統一。磁路・音響ダンピングの配置と圧電セラミックユニットの最適化をシミュレーションと試聴実験を繰り返しながら実現しました。■高純度無酸素銅銀メッキケーブル
e☆イヤホン https://www.e-earphone.jp/products/566039 より
0.78mm 2Pin コネクタの高純度無酸素銅銀メッキケーブルを搭載。太線径多芯設計により信号伝送の忠実性を保ちながら、音の分離度と解析力を強化。透明抗酸化PVCシースで軽量かつ耐久性に優れた設計を実現しています。
| ドライバー構成 | 10mm ダイナミックドライバー×1基 6mm リング型平面磁気ドライバー×1基 カスタム多層圧電セラミックドライバー×1基 |
| インピーダンス | 28Ω |
| 音圧感度 | 121dB(シルバーノズル・赤リング) 119dB(ゴールドノズル・紫リング) |
| 再生周波数帯域 | 20Hz〜20,000Hz |
| ケーブル仕様 | コネクタ:0.78mm 2Pin プラグ:3.5mm 線材:銀メッキOFC |
1DD + 1PLANAR + 1PZT という3種のドライバーを組み合わせたトライブリッド構成で、付属の2種類のノズルを交換することでサウンドキャラクターを変化させられます。ノズル交換に対応したイヤホンは他にも、水月雨(MOONDROP) Kadenz・SIMGOT EA500 LM などがあります。
なお、EW300 には USB-C ケーブル付属の EW300 DSP Ver.(マイク付き・¥13,860 税込) もラインナップされており、スマートフォンやPCでの使用をメインに考えている場合はそちらも選択肢に入ります。

ギャラリー
内容物

内容物は以下のとおりです。
- 本体
- イヤーピース(3サイズ)
- ケーブル
- ノズル 2種(シルバー・ゴールド)
- 予備リング
- 追加フィルター
- キャリングケース
ノズルが付属している点を除けば標準的な構成です。
付属イヤーピース

過去の SIMGOT 製品にも同梱されていたシリコンタイプのイヤーピースです。径が太め・背は低めで、サラッとした質感があります。
付属ケーブル

ブラック地にゴールドの編み込みが映える 0.78mm 2Pin – 3.5mm アンバランスケーブルです。やや癖は残るものの、過度に太すぎず扱いやすい仕上がりです。
本体

EW200 と同じくフェイスプレート・ノズルともフルメタルのボディです。”ミラーフィニッシュ浅黒クロムメッキ工芸” と称される落ち着いたトーンのシルバーで、光沢感とともに高級感が漂います。ただし、指紋や細かな傷が目立ちやすいため取り扱いには注意が必要です。

形状は EW200 と似通ったシンプルなシルエットです。フルメタルならではのしっかりとした重量感があり、片側本体(シルバーノズル装着時)で 10g でした。

ケーブルとの接続部は 0.78mm 2Pin で、約 1.5mm の窪みが設けられています。
付属ノズル

ノズルは指で回すだけで交換でき、工具不要で手軽に切り替えられます。
装着時

実際に装着した状態です。鏡面仕上げされたボディは耳元でも存在感を放ち、煌びやかな印象を与えます。
レビュー
装着感 : 耳にしっかりフィット、遮音性も良好
シェルが耳のくぼみに自然と収まり、イヤーピースとの組み合わせで安定したフィット感が得られます。耳の大きさを選ばないシルエットで、遮音性も十分に確保されています。音漏れも問題なし。フルメタルボディゆえのしっかりとした重みは感じますが、ずれや外れは気になりません。
音質 : 解像度高く濃密、ドンシャリで迫力あり
試聴環境: SONY NW-WM1AM2 で再生。ケーブル・イヤーピースはいずれも付属品を使用。
音質イメージグラフ
こちらが個人的音質イメージグラフです。
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
シルバーノズル(赤リング)の印象
圧倒的な解像度と音の濃さ
EW200 を聴いたときにも感じた「SIMGOTらしさ」が、さらに高い次元で展開されます。音全体に圧力があり、高い解像度とともに濃密な音粒が迫ってきます。余韻は短く分離感は高めですが、決してあっさりとした音ではなく、ズシッとした実在感が終始感じられます。3種類のドライバーが混在しながらも帯域間の違和感はなく、一体感のあるサウンドとしてまとまっています。
ドンシャリ傾向の帯域バランス
低域はぐっと力強く沈み込み、高域はシャキッとしたキレで前に出てきます。中域・ボーカルも埋もれることなく聴こえますが、両端の強さが全体の印象を主導するドンシャリ傾向です。とりわけ高域の解像力が際立っており、ハイハットやシンバルの細かな倍音成分まで丁寧に再現します。ただし高域の刺さりやシャリつきに敏感な方には、好みが分かれる可能性があります。
横方向に広がる音場
定位は明確で、音場は左右に大きく展開します。余韻を切り詰めた鳴らし方により、各音がクリアに分離して広がるため、窮屈さのないオープンな空間表現が得られます。
ゴールドノズル(紫リング)への変化
ノズルを交換しても音の性格が一変するわけではなく、バランスの微調整という印象です。中低域に厚みが加わり、ボーカルの距離感が縮まってドラムやベースの輪郭がより鮮明になります。低域の存在感がさらに増すため、ポップスやロックは特にのびのびと楽しめます。
高域の鋭さはゴールドノズルでもしっかり残りつつ、シルバーノズルと比べて刺さりやシャリつきは若干おさまります。高域への苦手意識がある場合はゴールドノズルへの切り替えを試してみると良いでしょう。
まとめ:高域の表現力で進化したトライブリッドの実力
トライブリッド構成により高域の再現力が底上げされており、解像度の高さと音の濃さというSIMGOTの持ち味が一段と磨かれた仕上がりです。2種のノズルで自分好みのバランスに調整できる点も実用的で、エントリー価格帯として満足感の高い選択肢です。
SIMGOT EW200 / qdc SUPERIOR との比較
同シリーズの EW200 と、価格帯が近い qdc SUPERIOR との比較です。



| SIMGOT EW300 | SIMGOT EW200 | qdc SUPERIOR | |
|---|---|---|---|
| ドライバー構成 | 10mmダイナミックドライバー×1基 6mmリング型平面磁気ドライバー×1基 カスタム多層圧電セラミックドライバー×1基 | 10mm高性能デュアルキャビティダイナミックドライバー | ダイナミック型(10mm径シングルフルレンジ) |
| インピーダンス | 28Ω | 16Ω±15%(@1kHz) | 16Ω |
| 音圧感度 | 121dB (シルバーノズル・赤リング) 119dB (ゴールドノズル・紫リング) | 126dB/Vrms(@1kHz) | 100dB SPL/mW |
| 再生周波数帯域 | 20Hz ~ 20,000Hz | 10Hz-50kHz | 10 ~ 40,000 Hz |
| 参考価格(e☆イヤホン)(価格は変動することがあります) | ¥12,870 税込 | ¥7,470 税込 | ¥11,889 税込 |
vs SIMGOT EW200 : ドンシャリ感と解像度でひとランク上
共通して音の迫力・密度の高さという部分は通底していますが、帯域バランスに差があります。EW300 は EW200 に比べて低域と高域がより強調されており、迫力とキレがひとランク上に感じられます。EW200 はよりフラットに近く、低域・高域ともにマイルドな印象です。また、1音1音の輪郭の鮮明さや解像度・分離感も EW300 の方が上回っており、価格差に相応する差異が感じられました。ただし EW200 もその価格を考えると非常にコスパに優れており、過度に比較する必要はないでしょう。
vs qdc SUPERIOR : EW300 は力強く、SUPERIOR はスピーディでニュートラル
SUPERIOR とも同様に全体的な迫力のあるサウンドと、低域のパンチ感という共通点があります。EW300 はやや仰々しいほどの迫力感で、高域の存在感・キレは SUPERIOR を上回ります。SUPERIOR の高域も十分存在感はありますが、EW300 より一段穏やかで浮き出る感じは少ないです。全体的なキレとスピード感は SUPERIOR の方がやや上回る印象で、よりスピーディかつバランスの取れたサウンドをもっています。EW300 はより力強く高域が際立つ一方、SUPERIOR はよりニュートラルで正確という違いです。
SIMGOT EW300 におすすめのイヤーピース・リケーブル
解像度の高さと低域のタイト感を活かしながら、高域の刺さりをやわらげ全体のバランスを整えるイヤーピース・リケーブルの組み合わせ例です。
イヤーピース:AZLA SednaEarfit Crystal 2
軟質素材が耳に吸い付くように密着し、付属品では得られないフィット感を実現します。「3D サラウンド特化の音響設計」と「鮮明かつ濃い音色」を設計思想に掲げた点が EW300 との方向性と合致しており、元来の音の密度をさらに引き立てながらエネルギッシュなリスニングを楽しめます。
リケーブル:SoundsGood Stibnite
ダークなトーンが EW300 のクロームボディと見た目の相性が良く、サウンド面では中低域の輪郭をしっかりと引き締めてタイトな低域の再現性をさらに高めてくれます。

SoundsGood のケーブルについてはこちらも参考にどうぞ。







SIMGOT EW300 まとめ
- QSIMGOT EW300 はどんなイヤホン?
- A
- 鏡面仕上げの美麗なフルメタルボディ
- 解像度・密度ともに高い、迫力ある濃いサウンド
- タイトにキレる低域とシャキッとした高域のドンシャリ傾向
- ノズル交換でサウンドキャラクターを変化させられる
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- 向いている人
- 解像度が高くキレのある音を楽しみたい方
- 迫力・密度のあるドンシャリサウンドが好みな方
- ノズル交換で音質の違いを体感したい方
- 向いていない人
- フラットで穏やかなサウンドが好みな方
- 高域の刺さりが苦手な方
- 軽量・小型イヤホンを求めている方
解像度の高さ・音の濃さという SIMGOT らしさをトライブリッド構成で進化させた1台でした。ノズル交換によるチューニングの違いも面白く、価格に見合った満足感があります。SIMGOT を未体験の方にも、ぜひ手に取ってみてほしいイヤホンです。
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