こんにちは ! 今回は先日購入した EarAcoustic Audio SPA-Hi End Ultra 有線イヤホンレビューです。EarAcoustic Audio は本サイトでは初めてのレビューです。
EarAcoustic AudioはTFZ/SUPERTFZを手掛けるShenzhen Jinse Huanian Industrial Co.,Ltdによって2024年に中国・深圳で設立されたHi-Fiオーディオブランドです。超高品質なオーディオビジュアル体験を提供するために尽力し、繊細かつ正確な音楽再生に重点を置いています。独自の音響哲学と最新技術、エレガントかつシンプルなデザイン、そして長年の製造で培われた絶妙な職人技を融合したハイクオリティな音響製品を展開します。
伊藤屋国際 https://www.itohya.jp/pages/earacoustic-audio より
筆者も SUPERTFZ のイヤホンは度々レビューしてきました。(レビュー) 新たに設立されたブランド EarAcoustic Audio からリリースされたのが今回の SPA-Hi End Ultra を含む SPAシリーズです。SUPERTFZよりもより上の価格のラインナップになっており、クオリティ高い製品が揃っているようです。実際に聴き込んでみたのでぜひ最後までご覧ください。
後に発売されている EarAcoustic Audio 製品もレビューしておりますのでこちらも一緒にどうぞ。
今回比較しているのは以下2つのイヤホンです。
EarAcoustic Audio SPA-Hi End Ultra おすすめポイント

- 煌びやかなデザイン
- 亜鉛合金製のボディが耳にしっかりフィットして遮音性が高い
- 迫力ある濃い音粒・深く沈み込む低音・それでいて高い解像度と分離感
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
EarAcoustic Audio SPA-Hi End Ultra 製品情報
SilverAngel SPA Serie
SPAは英語の”SPARK”に由来しており、火花のようにきらめくという意味を表し、ユーザーに非常にダイナミックでアンビエントな音楽体験をもたらします。
創造性とインスピレーションに溢れた作品群で、その高い音響性能、優れた解析力、精巧な仕上がりによって、人々の心を揺さぶる音楽の神秘的な魅力を情感豊かに伝える製品です。SPA-Hi End Series
SPA-Hi End Seriesは、究極の音質を追求するオーディオファイル向けに設計されています。非常に高いニーズに応え、臨場感と雰囲気にあふれた音楽体験を提供するように設計されています。静かな環境で様々なジャンルの楽曲を音質を最優先に楽しみたいというユーザーに最も適したシリーズです。強力な磁気回路
SPAシリーズには、磁束密度10,000ガウス超える強力なN52ネオジムマグネットを採用したデュアル磁気回路を搭載しており、従来のダイナミック型ユニット以上の駆動力、原音再生性能を発揮します。オーディオファイルの高い要求に応える音質
SPA-Hi Endシリーズには11.4mmチタンドーム+両面クリスタルシリコンエッジ複合振動板が搭載されています。高い磁束密度を持つN52マグネットを採用したデュアル磁気回路、最適なエアフローを実現するダブルキャビティ設計やベンチレーションホールにより、究極の音質を追求するオーディオファイルの高い要求を満たす優れたサウンドを実現しました。数百回にも及ぶ指向性シミュレーション
数百回の指向性シミュレーション実験を実施し、音楽の感情と見事な共鳴を実現するために、厳密かつ合理的な検証のもと、標準化された音響キャビティ構造を設計しました。本体カラーにマッチした美しいケーブル
SPAシリーズには銀メッキ無酸素銅リッツケーブルが付属しています。音質に加えてルックス的にも製品本体とマッチする最適なパートナーです。接続端子に2Pinを採用しているので、幅広いケーブルとの互換性もあります。伊藤屋国際 https://www.itohya.jp/pages/spa-hiend-series より
モデル SPA-Hi End Ultra 筐体 亜鉛合金 ドライバー φ11.4mm チタンドーム+両面クリスタルシリコンエッジ複合ダイアフラム デュアル磁気回路 デュアルキャビティユニット 感度 110dB インピーダンス 26Ω 再生周波数帯域 5-40,000Hz ケーブル φ0.78mm 2Pin 銀メッキ無酸素銅リッツケーブル 1.2m
EarAcoustic Audio SPAシリーズは今回の Hi End Ultra を含めて8種展開されています。それぞれのモデルについては公式のスプレッドシートが参考になります。
基本的には以下のようです。
- SPA-Pro シリーズがモニタリング向け
- SPA-Hi End シリーズがリスニング向け
の2シリーズがあり、それぞれで本体が以下のようになっています。順に価格が高くなっていきます。
- 無印は 3Dプリント 樹脂
- Ultraは 亜鉛合金
- MAX は 航空グレードアルミニウム合金
上記の計6種に追加して、さらに特別モデルの SPA-Limited Edition が 2種追加されて8種です。
#EarAcousticAudio 製品のスペックをまとめたスプレッドシートの内容を少し編集いたしました。
— 株式会社伊藤屋国際 (@itohya_info) February 19, 2025
ご好評いただいているSPAシリーズに続くSTAシリーズも発売に向けて準備を進めており、予価を掲示いたしましたのでご参考ください。https://t.co/zzAO3uZsUR pic.twitter.com/hzQXq6PvA6
今回はこの中の SPA-Hi End Ultra を購入しました。リスニング向け、金属ボディが好みでした。

ギャラリー

まずは外箱からです。イヤホンの箱にしては大きい立方体でした。

内容物はこちらです。
- 本体
- 0.78mm 2Pin – 3.5mm ケーブル
- イヤーピース 2種3サイズ
- レザー製キャリングケース
- SPA ブレスレット
- 他紙類
有線イヤホンとしては標準的なセットですね。珍しいですがブレスレットも付いてきました。

イヤーピースは2種ともシリコンタイプのものです。シンプルなイヤーピースです。
- 背が高め・軸が硬め・径が小さいタイプ
- 背が低め・軸が柔らかめ・径が大きいタイプ

ケーブルは 0.78mm 2Pin – 3.5mm で素材は銀メッキ無酸素銅です。煌びやかな本体とマッチする白い光沢が綺麗です。程よい太さでしなやかで柔らかいです。

こちらが本体です。まずフェイスプレートがキラッキラです。ストーンが散りばめられていますが表面は樹脂で覆われているのでツルツルとした肌触りです。デザインが蛇であるのは巳年を記念したロゴとのことです。

今回の SPA-Hi End Ultra のハウジングは亜鉛合金製です。滑らかでツルツルでキラキラです。ピヤホンシリーズ(レビュー)にもあるようなカーブが耳にフィットします。

ケーブル接続はフラットな 0.78mm 2Pin です。

筆者が耳につけるとこのようになります。耳につけてもこのキラキラしたフェイスプレートはサイズもそこそこ大きいこともあり、やはり存在感があります。
レビュー
装着感
やや大きめで滑らかな形状の本体はピタッと耳にフィットしてくれます。装着感は非常にいいですね。イヤーピースは小さめでも本体自体がしっかりと耳にはまってくれます。私自身は耳が大きめですが耳からの飛び出しは少なめです。遮音性も高く、音漏れもしにくいです。ただし本体が重め(片側 14g)ですので長時間軽々と..とはいかず、疲れてきます。
音質
個人的音質イメージはこちらです。

全体を通して高い解像度・鋭すぎずにはっきりとした濃い輪郭・余韻控えめで弾む音粒・グッと沈み力強い低音・・ボーカル、楽器ともに大きな偏りなく聴くことができるバランスが印象的です。
まずは全体の解像度が高さと音の濃さが第一に感じられました。亜鉛合金製のボディからはどっしりとした、それでいて解像度・分離感の高い、圧のある音が流れてきます。それぞれの音の輪郭ははっきりしているものの余韻も少しあり、鋭すぎず滑らかな音粒は細かな音も鳴らし分けてくれますね。どっしりとしつつも弾むような感じで、テンポがはやい曲ももたつくことなく聴かせてくれます。情報量の多さと迫力がうまく共存しているようです。
そして低音が深く沈み、パンチが強いことも印象的です。ドラムやベースの音が全体の中でも目立ってどっしりとして響きます。軽々しさよりも重厚な雰囲気です。低音が強いイヤホンだと篭るだとか、分離感が下がるといったこともあるのですが、この SPA-Hi End Ultra はそういったこともなく、低音はクリアさもありつつも深く沈むので迫力があります。ピタッとハマり遮音性も高いこともあり、低音をしっかりと聴きたい時におすすめですね。
中域・ボーカルも近く感じられますが低域の方がやや強く感じます。高い声よりは低い声の方がより相性が良いと思います。
一方、高域も十分出ていますが、低域・中域よりは控えめかなと思います。伸びやかではあるものの(後に書いていますが)他の高域が強めのイヤホンと比べると上への伸びは(不足はしていませんが)あまりないかなと思います。艶やかな音だとか、高く上へ伸びやかな音を求める場合には SPA-Hi End Ultra は向かないかなと思いました。
空間の広さはそこまで広いということもなく標準的かなと思います。低域は沈む深さがあり、高域が左右への広がりが感じられます。
ジャンル的にはどのジャンルでも楽しく聴けると思います。特にロック(男性ボーカル)・オーケストラ(ゲームBGM)が個人的には楽しいです。
煌びやかなデザインの本体とは裏腹にしっかりと、どっしりとしたサウンドです。濃い、でも解像度と分離感の高い音粒で迫力あるリスニングが楽しめます。

final A5000、 SIMGOT EA1000 との比較
今回は手持ちの中で価格の近い、final A5000、SIMGOT EA1000 との比較です。それぞれのレビュー記事はこちらです。



EarAcoustic Audio SPA-Hi End Ultra | final A5000 | SIMGOT EA1000 | |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | φ11.4mm チタンドーム+両面クリスタルシリコンエッジ複合ダイアフラム デュアル磁気回路 デュアルキャビティユニット | 6mmφダイナミックドライバーユニット「f-Core DU(エフコアDU)」 | 1DD(ダイナミック)+1PR(パッシブラジエーター) |
インピーダンス | 26Ω | 18Ω | 16Ω±15%(@1kHz) |
音圧感度 | 110dB | 100dB/mw | 127dB/Vrms(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 5-40,000Hz | メーカー情報なし | 10Hz~50kHz |
参考価格(e☆イヤホン 2025/02/28現在) | ¥36,800 税込 | ¥32,800 税込 | ¥39,600 税込 |
聴き比べた印象は以下の通りです。
final A5000 と比べると、音の迫力・濃さは SPA-Hi End Ultra の方がありますね。リスニング向きでより楽しいと思います。A5000 も低域にパンチはあるものの、SPA-Hi End Ultra の方がさらにパンチが強いです。A5000 はこの中ではよりフラットなバランスで、全体を余すことなく聴かせてくれるようです。物足りないというほどではないですが、SPA-Hi End Ultra の後にA5000 を聴くとあっさりしているように感じます。フラットな分、高域・シンバルといった金物の響きはA5000の方が豊かです。
SIMGOT EA1000 と比べると、どちらも低音に力強さはあるものの、SPA-Hi End Ultra の方がやはりより全体に濃さ・力強さ・迫力が感じられます。EA1000はより繊細ですね。一方、高域の伸びは EA1000 の方があり余裕を感じます。SPA-Hi End Ultra の高域は高止まり感を感じました。全体の空間の広がりも EA1000 の方がありますね。SPA-Hi End Ultra はどちらかというと深く濃くといった感じです。
イヤーピース・リケーブル例
今回は SPA-Hi End Ultra に音の広がりと音の情報量を増すようなイヤーピース・リケーブル例です。
イヤーピースは LEPIC nuon 空間音響イヤーピース clear にしました。本サイトで過去にも紹介しているイヤーピースで、空間の広がりと中高域を少しクリアにしてくれます。SPA-Hi End Ultra の少し足りない分を保管するイメージです。

リケーブルは SoundsGood Arianrhod にしました。SoundsGood も本サイトで過去に紹介していますが、その中でも Arianrhod はハイクラスのケーブルです。銅銀合金線48本(12本x4芯)+銀メッキ無酸素銅線456本(114本x4芯)という構成で中低域をしっかりキープしながらもこれもまた高域の情報量を増してくれます。音質優先のためケーブルは重く扱いにくいものではありますが、その分音質は非常にいいケーブルです。

そのほかのSoundsGoodケーブルのレビューはこちらをどうぞ。

EarAcoustic Audio SPA-Hi End Ultra まとめ
EarAcoustic Audio の SPA シリーズから SPA-Hi End Ultra を購入しましたが個人的には好みの迫力とクリアさが共存したサウンドでした。SPAシリーズは他にも出ていますのでこれ以外でもぜひお好みの1本を探してみてはいかがでしょうか。
ご覧いただきありがとうございました。それではまた次の記事で !




