こんにちは ! 今回は先日購入した Maestraudio MA910SR DC のレビューです。以前レビューしたMA910SR もいい音でしたが、こちらもまたいい音です。ちょっとしたマイナーチェンジというよりはもはや変化・進化していました。ぜひ最後までご覧ください。
本サイトでレビューしている Maestraudio 製品はこちらです。
Maestraudio MA910SR DC おすすめポイント

- 天然の道南杉を使った美麗なフェイスプレート
- 軽い装着感で疲れにくい
- 広いサウンドステージ・解像度高くスパッとキレのよい音粒・緩やかに美しく伸びる余韻、サステイン・明るく軽やかな中高域
- リケーブル対応 (Pentaconn ear)
Maestraudio MA910SR DC 製品情報
~匠の技、弦の響き~
天然の道南杉を用いた独自のSAHPテクノロジーによる音響設計
弦楽器の音の忠実性をターゲットにした拘りのチューニング
『MA910SR DC』は、イヤホンとして最もリアリティのある弦楽器サウンドの再現を目的として、ブランド初となる天然の道南杉を用いた独自のSAHPテクノロジーを開発、初採用したIEMです。セラミックスと木材、独自テクノロジーの採用
<RST(Reactive Sympathetic Tweeter)>
<SAHP(Sound Absorbing Honeycomb Pores)>
<天然の「道南杉」をフェイスプレート材に採用>Pentaconn earコネクター採用ケーブルと高フィッティングイヤーピース
主な仕様
株式会社アユート https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_5269.php#1 より
●形状:IEM型
●カラー:ワインレッド(シェル)
●ドライバー:ハイブリッド型
10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1
9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1
●インピーダンス:16Ω
●感度:106dB
●周波数特性:20Hz~40KHz
●ケーブル長:約1.2m(3.5mm3極 L字プラグ)
●ケーブル導体:シルバーコートOFC&OFCハイブリッド
●コネクター:Pentaconn ear(OFC)
●付属品:シルバーコートOFC&OFCハイブリッドケーブル、iSep02イヤーピース(S/MS/M/L)、本革コードリール、キャリングポーチ
●生産国:日本

ギャラリー


内容物はこちらです。
- イヤホン本体
- シルバーコートOFC&OFCハイブリッドケーブル
- iSep02イヤーピース(S/MS/M/L)
- 本革コードリール
- キャリングポーチ
- 他紙類
前作の MA910SR と同様、優先イヤホンとしては標準的なセットです。キャンリングポーチはイヤホン、ケーブル、イヤーピースがピッタリ収まるほどのサイズです。

付属の iSep02イヤーピース は4サイズ付属しています。シリコンタイプでサラサラとした質感、軸は硬めで背は高めのイヤーピースです。サイズごとにカラーが異なりわかりやすいのと、クリアな音をダイレクトに通してくれます。使いやすいですね。ちなみに MA910SR に付属していたのは iSep01 ですのでそれとは別のものです。

付属のケーブルはシルバーコートOFC&OFCのPentaconn earコネクターケーブルです。見た目はシンプルにしなやかです。ぱっと見、MA910SR に付属のものと同じに見えますが、よく見るとL/Rの表記が追加され分かりやすくなりました。

こちらがフェイスプレートです。天然の道南杉にロゴが焼印されています。落ち着いたカラーでおしゃれですね。本物の木材ということで木目は個体ごとに異なっています。この向きの配置は意味があり、こうすることにより、筐体の後気室の吸音レベルが所望の音になるよう最適化されているとのことです(=「SAHP*」(Sound Absorbing Honeycomb Pores)テクノロジー(商標出願中))。数々の杉の中でも道南杉がSAHPに適しているということで採用されています。このSAHPにより MA910SR に搭載されていたHDSS(高性能音響補正デバイス)に頼らずにチューニングがされています。
フェイスプレートは木材のザラザラとした質感です。

フェイスプレート以外の本体はクリアレッドの樹脂製です。(木のフェイスプレートにはクリアだとかブラウンだとかもっと落ち着いた色の方が良かった気もしますが)映えるデザインです。

ケーブル接続はPentaconn earコネクターです。

成人男性がつけるとこのようになります。木のフェイスプレートだけあって耳につけてもおしゃれですね。


前作 MA910SR と並べてみました。形状はほぼ同じですね。MA910SR は金属のフェイスプレート、MA910SR DC は木のフェイスプレートということもあり、ほんのわずかですが厚めになっています。
レビュー
装着感
形状は MA910SR と同じであるので装着感も同様です。ハート型の形が耳にフィットし、案外装着感はいいですね。木製のフェイスプレートがさらに耳馴染みを良くしてくれています。(冷たくもならないですし。)イヤホンの中でも軽いので長時間つけていられます。遮音性もそこそこ高く、音漏れもそこまでしないですね。
音質
個人的音質のイメージはこちらです。

広いサウンドステージ・解像度高くスパッとキレのよい音粒・緩やかに美しく伸びる余韻、サステイン・明るく軽やかな中高域が印象的です。
一聴して最初に感じたのは、(MA910SR や MAPro1000 もそうでしたが)サウンドステージが広いことですね。さすが Maestraudio、イヤホンで聴いているのに広々とした空間を演出してくれます。重さが軽いことも相まってストレスフリーで広々とした空間にいるようです。
前評判でも弦楽器音の再現性が歌われている通り、ヴァイオリン・コントラバス・アコースティックギターなどの弦楽器の響き・サステインが良く鳴り、生々しさがあります。音の揺らぎや空気感を細かに丁寧に鳴らしてくれているようです。弦楽器というとオーケストラやジャズなんかがやはり相性がいいです。最近ではゲーム音楽もオーケストラでやることも多いですから、 ゲーム音楽もおすすめです。
揺らぎや空気感というと弦楽器だけでなくボーカルにもうってつけです。ハイテンポな曲よりはしっとりとしたバラードのボーカルがまた良い生々しさで鳴らしてくれます。ただしボーカルは近くもなく、他と同じくらいの近さなのでボーカルメインで聴くには向いていないかなと思います。
案外、解像度は高くはっきりとしたキレの良い音粒なのもポイントですね。もっと滑らかでもったりしているかなと思いきや、ドラムやシンバルはスパッとパンチがあり、全体的には軽やかでそこまでもたつかないですね。キレはいいものの耳馴染みの良い柔らかさが残っており、かつ緩やかに伸びるサウンドが塩梅です。
バランスとしては低域もそこそこありつつも、中高域が強めに感じます。軽やかに明るい音が広々と流れていくようです。
余韻・サステイン・響きを楽しむのにいいイヤホンですね。低音が欲しい・ハイテンポな曲を聴くといったことには向いていないですが、ゆったりと一音一音の美しさを楽しむのに向いていますね。

Maestraudio MA910SR、水月雨(MOONDROP) Starfield 2との比較
今回は同じ Maestraudio の MA910SR、価格の近い 水月雨(MOONDROP) Starfield 2との比較です。それぞれのレビュー記事はこちらです。


Maestraudio MA910SR DC | Maestraudio MA910SR | 水月雨(MOONDROP) Starfield 2 | |
---|---|---|---|
ドライバー構成 | ハイブリッド型 10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1 9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1 | ハイブリッド型 10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1 9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1 | 10mm 超低歪みダイナミック型 |
インピーダンス | 16Ω | 16Ω | 15Ω±15%(@1kHz) |
音圧感度 | 106dB | 100dB | 122dB/Vrms(@1kHz) |
再生周波数帯域 | 20Hz~40KHz | 20Hz ~ 40KHz | 12Hz-24,000Hz |
参考価格(eイヤホン 2025/01/25現在) | ¥17,820 税込 | ¥15,840 税込 | ¥19,800 税込 |
Maestraudio MA910SR との聴き比べ
音の空間が広いことと中高域が明るいバランスは共通していますね。ですが音の印象は思ったよりも違いがありました。MA910SR は音にふわっとした余韻があり全体的に滑らかな音粒です。一方、MA910SR DC は音の輪郭がはっきりしてキレが良く、余韻もスリムな印象です。MA910SR よりも解像度を高め、1音の揺らぎ・空気感をより浮き立たせたようですね。この二つだと MA910SR DC の方がもたつかずに聴きやすいかなと思いました。
水月雨(MOONDROP) Starfield 2 との聴き比べ
Starfield 2 の方がよりボーカルが近く、低音のキレ・パンチがあります。それでいて中高域は伸びやかで、全体的に濃い音が鳴ります。音の輪郭もはっきりしており、解像度やや Starfield 2の方が高いかなと思います。特に女性ボーカルをぐっと近く聴くことができます。一方、MA910SR DC はやはり空間の広さと細かな音の丁寧さ・揺らぎの再現性の高さがStarfield 2 よりもありますね。より耳馴染みがよく疲れにくいです。ボーカルを強調せずに全体的にバランスが良く、ボーカルありなしによらず使いやすいですね。
Maestraudio MA910SR DC のイヤーピース・リケーブル例
イヤーピースは AZLA SednaEarfit Crystal 2 が好みでした。ペタペタとした質感で耳にフィットし、広い空間と濃い音で聴くことができます。

リケーブルは MA910SR と同様、Maestraudio MAW BOOTES がおすすめです。Pentaconn earコネクターで4.4mmバランス化ができます。MA910SR のポテンシャルを引き出すために開発されたとあって MA910SR DC にもぴったりです。解像度高く、音の広がりを高めてくれます。


Maestraudio MA910SR DC まとめ
前作の MA910SR もいい音でしたが、MA910SR DC はさらに弦楽器にフォーカスして研ぎ澄まされたイヤホンですね。音の広がり・サステインを存分に味わうことができます。ぜひうっとりしてみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !




