Maestraudio MA910SR DC レビュー 弦の余韻が広大な空間に溶け込む | サク見レビュー

4.5
Maestraudio MA910SR DC イヤホン・ヘッドホン

Maestraudio MA910SR DC は、天然の道南杉を採用した木製フェイスプレートと独自のSAHPテクノロジーにより、弦楽器サウンドの忠実な再現を追求した国産の有線イヤホンです。前作 MA910SR のサウンドキャラクターを継承しながら、道南杉の吸音特性を音響設計に組み込むことでさらに進化しました。

本記事では実際に購入した筆者が、内容物・外観・装着感・音質のレビュー、Maestraudio MA910SR・水月雨(MOONDROP) Starfield 2との違い、おすすめのイヤーピース・リケーブルについて記載しています。

今回比較しているイヤホンはこちらです。

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ゆーき

社会人ソフトエンジニア&オーオタ。オーディオ沼に浸かり始めて数年。解像度の高いイヤホンが特に好み。聴く音楽はJ-POP・ロックが多め。9mm Parabellum Bullet・King Gnu・宇多田ヒカル・福山雅治等々。

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Maestraudio MA910SR DC まとめ

Q
Maestraudio MA910SR DC はどんなイヤホン?
A
  • 天然の道南杉を使った美麗な木製フェイスプレート
  • 広いサウンドステージと高い解像度
  • 弦楽器・ボーカルの生々しさ、余韻、サステインを存分に楽しめる
  • キレのよい音粒でありながら耳馴染みのよい柔らかさも持つ
  • Pentaconn ear リケーブル対応
  • 向いている人
    • 弦楽器の響きや余韻、サステインを楽しみたい方
    • オーケストラ・ジャズ・ゲーム音楽などアコースティックな音楽を好む方
    • ゆったりと一音一音の美しさを楽しみたい方
  • 向いていない人
    • 低音重視の方
    • ハイテンポなロックやEDMをメインに聴く方
    • ボーカルを前に近く・濃く聴きたい方

以下では今回レビューしている MA910SR DC との比較も行っています。参考にどうぞ。

本サイトでレビューしている Maestraudio 製品はこちらです。

Maestraudio MA910SR DC 製品情報

~匠の技、弦の響き~
天然の道南杉を用いた独自のSAHPテクノロジーによる音響設計
弦楽器の音の忠実性をターゲットにした拘りのチューニング

『MA910SR DC』は、イヤホンとして最もリアリティのある弦楽器サウンドの再現を目的として、ブランド初となる天然の道南杉を用いた独自のSAHPテクノロジーを開発、初採用したIEMです。

セラミックスと木材、独自テクノロジーの採用
<RST(Reactive Sympathetic Tweeter)>
<SAHP(Sound Absorbing Honeycomb Pores)>
<天然の「道南杉」をフェイスプレート材に採用>

Pentaconn earコネクター採用ケーブルと高フィッティングイヤーピース

主な仕様
●形状:IEM型
●カラー:ワインレッド(シェル)
●ドライバー:ハイブリッド型
10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1
9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1
●インピーダンス:16Ω
●感度:106dB
●周波数特性:20Hz~40KHz
●ケーブル長:約1.2m(3.5mm3極 L字プラグ)
●ケーブル導体:シルバーコートOFC&OFCハイブリッド
●コネクター:Pentaconn ear(OFC)
●付属品:シルバーコートOFC&OFCハイブリッドケーブル、iSep02イヤーピース(S/MS/M/L)、本革コードリール、キャリングポーチ
●生産国:日本

株式会社アユート https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_5269.php#1 より

前作 MA910SR から最大の変化は木製のフェイスプレートと独自のSAHP(Sound Absorbing Honeycomb Pores)テクノロジーの採用です。道南杉の木目の向きにも音響的な意味があり、筐体の後気室の吸音レベルを最適化するよう配置されています。前作に搭載されていたHDSS(高性能音響補正デバイス)に頼らず、道南杉の自然な吸音特性でチューニングを実現した点がユニークです。数ある杉の中でも道南杉がSAHPに最適とのことで採用されています。

ギャラリー

内容物

内容物はこちらです。

  • イヤホン本体
  • シルバーコートOFC&OFCハイブリッドケーブル
  • iSep02イヤーピース(S/MS/M/L)
  • 本革コードリール
  • キャリングポーチ
  • 他紙類

前作 MA910SR と同様、有線イヤホンとしては標準的なセットです。キャリングポーチはイヤホン、ケーブル、イヤーピースがぴったり収まるサイズです。Maestraudio お馴染みのコードリールはケーブルの取り回しを便利にしてくれますね。

付属イヤーピース

Maestraudio MA910SR DC 付属イヤーピース
Maestraudio MA910SR DC 付属イヤーピース

付属の iSep02 イヤーピースは4サイズ付属しています。シリコンタイプでサラサラとした質感、軸は硬め・背は高めの形状です。サイズごとにカラーが異なり分かりやすく、クリアな音をダイレクトに通してくれます。前作に付属していた iSep01 とは別のモデルです。

付属ケーブル

Maestraudio MA910SR DC 付属ケーブル
Maestraudio MA910SR DC 付属ケーブル

付属ケーブルはシルバーコートOFC&OFCハイブリッドのPentaconn earコネクターケーブルです。シンプルにしなやかな仕上がりで取り回しも良好です。ぱっと見は MA910SR 付属のものと似ていますが、L/Rの印字が追加されより分かりやすくなっています。

本体

Maestraudio MA910SR DC 本体
Maestraudio MA910SR DC 本体

こちらが本体です。天然の道南杉にロゴが焼印されたフェイスプレートが印象的です。落ち着いたカラーでおしゃれであり、本物の木材なので木目は個体ごとに異なります。木材のザラザラとした質感も触り心地がよく、金属と違って冷たくなりません。

Maestraudio MA910SR DC
Maestraudio MA910SR DC 本体

フェイスプレート以外の本体はクリアレッドの樹脂製です。前作 MA910SR と形状はほぼ同じで、木製フェイスプレートの分ごくわずか厚みがあります。

Maestraudio MA910SR DC
Maestraudio MA910SR DC 本体

ケーブル接続はPentaconn earコネクターです。

前作 MA910SR と並べると形状・サイズはほぼ同じで、フェイスプレートとケースのデザインが変わったくらいです。

装着時

Maestraudio MA910SR DC 装着
Maestraudio MA910SR DC 装着

実際に装着するとこのようになります。木製のフェイスプレートが温かみを添え、耳につけてもおしゃれな印象です。

レビュー

装着感 : ハート型フィットで軽快、長時間でも快適

形状は MA910SR と同じで、ハート型が耳にぴったりフィットします。木製フェイスプレートが耳馴染みを良くしてくれている感覚もあります(金属のように冷たくなりません)。イヤホンの中でも軽量な部類で、長時間つけていられます。遮音性もそこそこ高く、音漏れも気になりません。

音質 : 広大な空間に緩やかに溶け込む弦の余韻

個人的音質のイメージはこちらです。

比較対象製品
Maestraudio MA910SR DC
周波数特性
周波数特性グラフ Maestraudio MA910SR DCの周波数特性を比較したグラフです。横軸は低域から高域までの周波数帯域、縦軸は音の量を示します。 少ない 普通 多い 低域 中低域 中域 中高域 高域
音質評価
音の輪郭
鋭い 滑らか
空間の広さ
狭い 広い
余韻
少ない 多い
解像度
低い 高い
分離感
低い 高い
雰囲気
繊細 迫力
凡例
Maestraudio MA910SR DC

広いサウンドステージ

一聴してまず感じるのはサウンドステージの広さです。前作 MA910SR や MAPro1000 もそうでしたが、さすが Maestraudio、イヤホンで聴いているのに広々とした空間が広がります。軽量な本体も相まって、ストレスなく広い空間にいるような感覚で楽しめます。

弦楽器の生々しさとサステイン

前評判の通り、ヴァイオリン・コントラバス・アコースティックギターなど弦楽器の響きとサステインがよく鳴り、生々しさがあります。音の揺らぎや空気感を細かに丁寧に表現してくれます。オーケストラやジャズとの相性が特に良く、最近ではゲーム音楽でもオーケストラアレンジが多いですから、ゲーム音楽にもおすすめです。

ボーカルの揺らぎ・空気感

揺らぎや空気感は弦楽器だけでなくボーカルにもうってつけです。しっとりとしたバラードのボーカルが生々しく鳴ります。ただしボーカルが前面に出るわけではなく、全体のバランスの中に位置する印象なので、ボーカルを近くに感じたい方には向いていないかもしれません。

キレのよい音粒と緩やかな余韻

案外、解像度は高くキレのよい音粒なのもポイントです。もっともったりしているかと思いきや、ドラムやシンバルはスパッとパンチがあり全体的に軽やかです。ただキレはよくても耳馴染みのよい柔らかさが残っており、緩やかに伸びる余韻との相性がいい塩梅です。

明るく軽やかな中高域

バランスとしては低域もそこそこありつつ、中高域が強めに感じます。明るく軽やかな音が、広い空間の中をゆったりと流れていくようです。

まとめ : 余韻とサステインに浸れる一本

余韻・サステイン・響きを楽しむのにうってつけのイヤホンです。低音重視やハイテンポな曲よりは、ゆったりと一音一音の美しさを楽しむのに向いています。前評判どおり弦楽器の再現性は特筆ものです。

Maestraudio MA910SR / 水月雨(MOONDROP) Starfield 2 との比較

今回は同じ Maestraudio の MA910SR と、価格帯の近い 水月雨(MOONDROP) Starfield 2 との比較です。それぞれのレビュー記事はこちらです。

Maestraudio
MA910SR DC
Maestraudio
MA910SR
水月雨(MOONDROP)
Starfield 2
ドライバー構成ハイブリッド型
10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1
9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1
ハイブリッド型
10mm径グラフェンコートダイナミックドライバー×1
9mm径RST(Reactive Sympathetic Tweeter)×1
10mm 超低歪みダイナミック型
インピーダンス16Ω16Ω15Ω±15%(@1kHz)
音圧感度106dB100dB
122dB/Vrms(@1kHz)
再生周波数帯域20Hz~40KHz20Hz ~ 40KHz12Hz-24,000Hz
参考価格(価格は変動することがあります)¥17,820 税込¥15,840 税込¥19,800 税込

vs Maestraudio MA910SR : キレと解像度でさらに研ぎ澄まされた進化

音の空間の広さと、中高域の明るいバランスは共通しています。ただ音の質感には思ったよりも差がありました。MA910SR はふわっとした余韻と滑らかな音粒が特徴です。一方 MA910SR DC は音の輪郭がはっきりしてキレがよく、余韻もスリムな印象です。解像度も MA910SR DC の方が高く、1音の揺らぎや空気感をより浮き立たせるようになりました。この2つでは MA910SR DC の方がもたつかずに聴きやすいと感じます。

決して MA910SR が劣るわけではなく、ふわっとした余韻と滑らかさが好みの方には MA910SR も良い選択肢になるでしょう。

vs 水月雨(MOONDROP) Starfield 2 : 空間の広さで包むか、ボーカルに迫るか

Starfield 2 はよりボーカルが近く、低音のキレやパンチが強いです。中高域も伸びやかで全体的に濃い音が鳴ります。音の輪郭もはっきりしており、解像度はやや Starfield 2 の方が高い印象です。特に女性ボーカルをぐっと近くで楽しめます。一方 MA910SR DC は空間の広さと、細かな音の丁寧さ・揺らぎの再現性の高さで上回ります。耳馴染みもよく疲れにくく、ボーカルの有無を問わず使いやすいバランスが魅力です。

Maestraudio MA910SR DC におすすめのイヤーピース・リケーブル

弦楽器の空気感をさらに存分に味わうための、イヤーピース・リケーブルの組み合わせ例です。

イヤーピース: AZLA SednaEarfit Crystal 2

イヤーピースは AZLA SednaEarfit Crystal 2 が好みでした。ペタペタとした独特の質感で耳にしっかりフィットし、広い空間と濃い音で聴くことができます。付属の iSep02 よりも密着感が増し、MA910SR DC の広がりある音場をより引き立ててくれます。

リケーブル: Maestraudio MAW BOOTES

リケーブルは Maestraudio MAW BOOTES がおすすめです。Pentaconn earコネクターに対応しており、4.4mmバランス接続が可能になります。MA910SR のポテンシャルを引き出すために開発されたケーブルとあって MA910SR DC とも相性ばっちりです。解像度と音の広がりをさらに高めてくれます。

Maestraudio MA910SR DC + MAW BOOTES + AZLA SednaEarfit Crystal 2
Maestraudio MA910SR DC + MAW BOOTES + AZLA SednaEarfit Crystal 2

リケーブル: Maestraudio MAW VIRGO

もう一本、後にリリースされた Maestraudio MAW VIRGO もおすすめです。こちらもPentaconn earコネクターに対応し、4.4mmバランス接続が可能です。BOOTES と同じ MAWシリーズの2つ目です。こちらも購入してみましたが BOOTESとは打って変わって低域・中域がググッと深み・厚みが増し、ボーカルもグッと近く感じられ、濃厚な空間に様変わりします。

・VIRGO=密度と沈み込み、空間的な厚みを楽しみたいユーザーに。
・BOOTES=シャープで明快な定位と高解像度を求めるユーザーに。

株式会社アユート https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_5939.php より

とあるように、2つのケーブルそれぞれ持ち味が違ってどちらも良いケーブルです。

Maestraudio MA910SR DC + MAW VIRGO
Maestraudio MA910SR DC + MAW VIRGO

Maestraudio MA910SR DC まとめ

Q
Maestraudio MA910SR DC はどんなイヤホン?
A
  • 天然の道南杉を使った美麗な木製フェイスプレート
  • 広いサウンドステージと高い解像度
  • 弦楽器・ボーカルの生々しさ、余韻、サステインを存分に楽しめる
  • キレのよい音粒でありながら耳馴染みのよい柔らかさも持つ
  • Pentaconn ear リケーブル対応
  • 向いている人
    • 弦楽器の響きや余韻、サステインを楽しみたい方
    • オーケストラ・ジャズ・ゲーム音楽などアコースティックな音楽を好む方
    • ゆったりと一音一音の美しさを楽しみたい方
  • 向いていない人
    • 低音重視の方
    • ハイテンポなロックやEDMをメインに聴く方
    • ボーカルを前に近く・濃く聴きたい方

前作の MA910SR もいい音でしたが、MA910SR DC はさらに弦楽器にフォーカスして研ぎ澄まされた一本です。音の広がりとサステインを存分に味わえる、他にない個性を持ったイヤホンです。弦楽器ファンの方や、ゆったりと音の揺らぎを楽しみたい方にはぜひ一度試していただきたいです。

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