水月雨(MOONDROP) Kadenz は、10mm シングルダイナミックドライバーを搭載した Kシリーズのトップモデルです。”Kadenz(終章)” の名の通り、KATO から続く Kシリーズに華麗なフィナーレを飾る1台で、ta-Cダイヤモンドコーティング振動板と第2世代特許超線形ダイナミックドライバーを採用し、ブレのない透き通った純粋なサウンドを実現しています。
本記事では実際に購入した筆者が内容物・外観・装着感・音質のレビュー、前作 KATO・同価格帯の 星光 – Star Light・final A5000 との違い、おすすめのイヤーピース・リケーブルについて記載しています。
水月雨(MOONDROP) Kadenz まとめ

- Q水月雨(MOONDROP) Kadenz はどんなイヤホン?
- A
- ダイヤモンドのような面とマットな質感の高級感あふれるボディ
- 滑らかでブレのないクリーンな音粒・余韻と弾力のある音・伸びやかな中高域・近くリアルなボーカル
- 長さを微調整して音質を調整できる交換ノズル
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- アダプター付属で3.5mm/4.4mm/USB-C 全てに接続可能
- USB-C DACはアプリでイコライザー設定可能
- 向いている人
- クリーンで透き通ったサウンドが好みの方
- ボーカルを近くリアルに楽しみたい方
- あらゆる環境・ジャンルでバランスよく使いたい方
- 向いていない人
- 低音の迫力・パンチが欲しい方
- 分離感・解像度を特に最優先にする方
こちらの記事では同じ水月雨で同価格帯の 星光 – Star Light との徹底比較を行なっています。こちらも参考にどうぞ。

こちらでは今回レビューしている Kadenz との比較を行っています。こちらも参考にどうぞ。
2026/04/26 追加






本サイトでレビューしている水月雨(MOONDROP)製品はこちらです。




今回比較している KATO、星光 – Star Light、final A5000 のレビューはこちらです。



水月雨(MOONDROP) Kadenz 製品情報
Kadenz 「終章」
トップモデル10mmシングルダイナミックカナル型イヤホン
ta-Cダイヤモンドコーティング振動板+第2世代特許超線形ダイナミックドライバー卓越したドライバー構造設計と素材技術を駆使し、Kシリーズダイナミック型トップモデルに華麗なフィナーレを飾る
1年半をかけて設計・検証・改良を行い、新たに開発された第2世代特許超線形ダイナミックドライバー
ta-Cダイヤモンドコーティング振動板
再設計されたチャンバーと音響容積によりバランスの取れた音色が生み出されています
音響にこだわるリスナー向けに交換可能なノズル設計を採用
異なる外耳道の音響特性に対応する3種類のノズルを用意第3世代特許目詰まり防止フィルター
革新を遂げたシングルダイナミックドライバー
妥協を許さない卓越した音響性能を実現光と影の美学
ステンレスMIM製法と手作業仕上げの筐体
0.78mm 2Pinコネクタ、リケーブル可能
脱着式プラグ銀メッキ単結晶銅ケーブル付属
ECHO-Bバランスケーブル標準付属
HiFi音質4.4フルバランス出力端子
32bit/384kHz ハイレゾ再生対応USB Type-C有線接続
ロスレス音質、プラグアンドプレイ対応
PC、Android、iOSとドライバ不要で完全互換斬新なユーザー参加型DSP
無限のチューニングの可能性
「FreeDSP」とチューニングプロファイル共有より豊富で実用的なアクセサリー
水月雨 https://moondrop.jp/product/kadenz より
| インピーダンス | 35Ω±15%(@1kHz) |
| 音圧感度 | 122dB/Vrms(@1kHz) |
| 再生周波数帯域 | 8Hz〜21,000Hz |
| ケーブル接続 | 0.78mm 2Pin |
“Kadenz(終章)” の名の通り、水月雨(MOONDROP) Kシリーズ10mmシングルダイナミックラインの集大成に位置づけられており、1年半以上の開発期間をかけた第2世代特許超線形ダイナミックドライバーと ta-Cダイヤモンドコーティング振動板を擁する野心的なモデルです。長さが異なる交換ノズル・バランス接続ケーブルとUSB-C変換ケーブルの付属も特徴的で、あらゆる環境・ニーズに応えられる設計になっています。
ギャラリー
内容物・付属品


内容物はこちらです。昨今のイヤホンの中でも充実した内容物です。
- 本体
- レザーケース
- イヤーピース 3サイズ × 2種
- 交換ノズル 3種
- ケーブル(0.78mm 2Pin – 4.4mm)
- 4.4mm to 3.5mm 変換ケーブル
- 4.4mm to Type-C 変換ケーブル(ECHO-B)
- 紙類
ベースが4.4mmバランスケーブルで、3.5mmおよびType-Cへの変換ケーブルが付属するため、3.5mm/4.4mm/USB-C のいずれの環境でも接続できます。バランス接続を軸にオーディオマニアをターゲットとした構成ですね。変換ケーブルは他のイヤホンにも使い回せるのもお得です。
付属イヤーピース

付属のイヤーピースは2種類が各3サイズで付属しています。
清泉 – Spring Tips は水月雨が単体でも販売しているイヤーピースです。傘がペタペタで柔らかめ・背は低めで、音質的には高域寄りの傾向があります。
もう1種はこれまでの水月雨製品に多く同梱されているタイプで、サラサラで硬め・背は高めです。どちらかというと低域寄りの音質です。
2種類が付属しているので好みや耳の形状に合わせて選べるのは嬉しいポイントです。
付属ノズル

付属のノズルはA/B/Cの3種で、それぞれ長さが異なります。実測で約0.5mmの差ですが、音の聴こえ方に微妙な違いをもたらします(詳細は音質レビューにて)。これまで素材が異なるノズルを交換できるイヤホンは多々ありましたが、長さが異なるノズルに交換できるイヤホンは珍しく、自分の耳に合ったフィット感とサウンドに調整できるのはKadenz独自の楽しさです。
本体

こちらが本体です。MIM製法(金属粉末射出成形法)による精密な形状に細かなカットが施され、見る角度で異なる反射を見せる美麗な仕上がりです。カラーはシルバー1色でシンプルながら、表面のザラザラとしたマットな質感が上質感を高めています。指紋も目立ちにくいです。

本体の裏面はさらに複雑な立体造形で、眺めていたいほど精巧な作りです。ケーブル接続は窪みのある0.78mm 2Pin です。

ケーブル接続は窪みのある0.78mm 2Pinです。

成人男性がつけるとこのような感じです。コンパクトですね。色も落ち着いています。

コンパクトなサイズで落ち着いたシルバーは普段使いにもなじみやすいです。KATOと並べると形状はほぼ同じで、主な違いは表面の質感(Kadenz:マット、KATO:ツルツル)と交換ノズルの仕様です。
MOONDROP Link アプリ




付属の 4.4mm to Type-C 変換ケーブル(ECHO-B)は、水月雨の MOONDROP Link アプリと連携してイコライザーを調整できます。

アプリでは以下のことが行えます。
- プリセットから選択
- Hz・Gain・Q値を細かく設定・アップロード
- 公式提供のイコライザーをダウンロード
- ユーザー作成のイコライザーをダウンロード
ECHO-B経由であればKadenz以外のイヤホンでも使用でき、自分好みのサウンドを色々探求したくなります。
水月雨(MOONDROP) Kadenz レビュー
試聴環境: SONY NW-WM1AM2 にて、付属の清泉 – Spring Tips・付属の 0.78mm 2Pin – 4.4mm ケーブルで試聴しました。
水月雨(MOONDROP) Kadenz 装着感 : コンパクトボディがスッと耳にフィット
程よいサイズの本体が耳に(案外)スッとフィットします。本体自体が耳に当たり、しっかりと支えられる安定感が得られます。遮音性もそこそこ高めで、音楽への没入感は十分です。
ただし表面のザラザラとした素材は長時間装着で耳に触れる感覚があります。同形状の KATO はツルツルとしていたのでKATOの方が長時間はつけやすいかもしれません。耳への大きな圧迫感はなく、コンパクトな本体のおかげで扱いやすい装着感です。
水月雨(MOONDROP) Kadenz 音質 : 透き通るクリーンな音粒と伸びやかな中高域
音質イメージグラフ
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
ブレなく透き通った音粒が最大の特徴
ブレなく濁りなく透き通った音・滑らかで棘がなく弾力のある音粒・余韻がありなだらかな繋がり・やや近く息遣いがリアルなボーカル・伸びやかで広がりのある中高域が印象的です。
他のイヤホンと聴き比べた中で最も際立ったポイントは、流れる音にブレや濁りがなく透き通るような純度の高さです。KATOや星光 – Star Lightも美しい音ですが、Kadenzはさらに一段クリーンで滑らか──細かなフィルターで濾し取ったかのような透明感があります。ただし聴き比べて気付く程度のもので、Kadenz単体ではわかりにくいかもしれません。
ボーカルは半歩近く、中高域が伸びやかに広がる
バランスとしては低・高の大きな偏りはなく、ボーカルがやや近く中高域がちょい強め寄りです。他の水月雨同様中高域が伸びやかですが、突出した味付けではなくバランスよく仕上がっており万能に楽しめます。
音粒それぞれは滑らかで耳馴染みのよい質感です。解像度も十分ありますが、音のキレはあまりなく音の繋がりもそこそこあるため分離感はやや低めです。もっちりとした音がなだらかに流れ、長時間でも聴き疲れしにくいサウンドです。
音の広がりはやや多めで、低域は優しげに広がり中高域はさらにふわっと広がります。これもそこまで大袈裟ではなく、そこそこ広いかなくらいです。
ノズルによる音質の違いは?
ノズルA(短い)に変えると、高域に少し余裕が出て中高域の広がりが増します。ノズルC(長い)に変えると、音がよりダイレクトに届き低域がやや強まり音の密度が高まる一方、広がりは狭まります。個人的にはノズルCが好みでした。なお自分の耳の形状によっても最適なノズルは変わってくるので、3種試してみることをおすすめします。
まとめ : 透明感と弾力のある音粒でジャンルを選ばず楽しめる
Kadenz は味付けをそこまで施さず、音粒の純度を高めているサウンドです。低域の迫力や分離感という面では物足りなさを感じる場面もあるかもしれませんが、クリーンで滑らか・伸びやか・バランスよく聴きやすい点は多くのジャンルで活きます。一見すると味気なさを感じてしまいそうですが、よく聴くほどに味わいが増すサウンドです。
水月雨(MOONDROP) KATO/星光 – Star Light/final A5000との比較
Kadezと同じ水月雨(MOONDROP)で価格の近い、KATO、星光 – Star Light、追加でやや価格が上のfinal A5000との比較です。



| 水月雨(MOONDROP) Kadenz | 水月雨(MOONDROP) KATO | 水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light | final A5000 | |
|---|---|---|---|---|
| ドライバー構成 | 10mm-第2世帯ULT ダイナミック | 10mm-ULT ダイナミック | マグネシウムリチウム合金+ デュアル磁気回路 ダイナミックドライバー | ダイナミック型 |
| インピーダンス | 35Ω±15%(@1kHz) | 32Ω±15%(@1kHz) | 15Ω±15%(@1kHz) | 18Ω |
| 音圧感度 | 122dB/Vrms(@1kHz) | 123dB/Vrms(@1kHz) | 123dB/Vrms(@1kHz) | 100dB/mw |
| 再生周波数帯域 | 8-21,000Hz | 10~45,000Hz | 12Hz-22,000Hz | メーカー情報なし |
| 付属品 | ・イヤーピース(S/M/L)各1ペア×2種 ・4.4mm to 3.5mm 変換ケーブル ・4.4mm to Type-C 変換ケーブル ・レザーケース ・ノズル3種 | ・イヤホンケース ・イヤーピース(S/M/L)各1ペア×2種 ・交換用ノズル | イヤホンケース ケーブル(Type-C) ケーブル(4.4mmプラグ) イヤーピース(S/M/L)各1ペア | シリコン製キャリーケース イヤーピース(TYPE E 5サイズ) イヤーピースケース イヤーフック TYPE B(ロック機構付き) |
| 発売日 | 2024/12/13 | 2021/11/5 | 2024/09/27 | 2022/12/16 |
| 参考価格(eイヤホン)(価格は変動することがあります) | ¥26,910 税込 | ¥25,443 税込 | ¥27,000 税込 | ¥32,800 税込 |
4製品ともダイナミックドライバー搭載です。KATOはKadenzと同じKシリーズの前作(2021年発売)で、星光 – Star Light(2024年)と final A5000(2022年)はほぼ同価格帯です。
vs 水月雨(MOONDROP) KATO : KadenzはよりクリーンでKATOはよりパンチがある
KATOにはノズルが2種(真鍮・ステンレス)あり、それぞれで聴き比べました。
真鍮ノズルのKATOはKadenzよりも余韻が締まりスッキリ目です。低音はよりパンチ・キレ・スピード感があり、分離感も高めです。音の粒の荒さ・ブレ・ざらつきはKadenzの方がクリーンで滑らか。KadenzはKATOよりも全体のバランス・起伏がなだらかで優しげに聴こえます。
ステンレスノズルのKATOはさらにキレが増し低音のパンチも強め。中高域の伸びはKadenzの方がまだ余裕があります。
低域のキレと分離感を重視するならKATO、透明感と伸びやかな中高域を重視するならKadenzという選び方になるでしょう。前作が好みだった方・物足りなかった方それぞれで選択肢が変わります。
vs 水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light : 星光は濃い音、Kadenzはクリーン
星光 – Star Light はKadenzよりもボーカルが近く、音の輪郭がはっきりした濃い・力強い音です。中高域は同じく伸びやかですが、細かなノイズ感・ブレはKadenzよりも感じます。星光 – Star Lightは聴いていてとにかく楽しいサウンドですが、音のクリーンさでいえばKadenzが勝ります。
勢いと熱量で楽しみたい方に星光 – Star Light、透き通った純粋なサウンドで楽しみたい方にKadenzという使い分けができます。
vs final A5000 : A5000は繊細でキレ、Kadenzは余韻と伸び
final A5000 をKadenzの後に聴くと、音のキレの良さと余韻の少なさが目立ちます。全体の雰囲気はKadenzよりも繊細で、スラスラっと整然と音を並べていくようなサウンドです。低域のパンチとキレはA5000の方があり、音の細やかさや網羅性もA5000がわずかに上に感じます。
一方でKadenzはより余韻と伸びがあり表情豊か、音粒のクリーンさはKadenzが勝ります。A5000はモニター寄りで整然としたサウンド、Kadenzはよりナチュラルで表情豊かというイメージです。
水月雨(MOONDROP) Kadenz おすすめのイヤーピース・リケーブル
Kadenzの透明感を活かしつつ、音の輪郭をより濃く・ボーカルをさらにはっきり感じたい方向けのカスタマイズ例です。
イヤーピース: ELETEC BAROQUE
イヤーピースは付属の清泉 – Spring Tips も十分ですが、ELETEC BAROQUE も好みでした。音の輪郭を全体的に濃く引き立て、中高域の伸び・広がりをやや高めてくれます。Kadenzのクリーンさを軸に、音に少し彫刻を加えるようなイメージです。
リケーブル: SoundsGood Cassiterite
リケーブルは手持ちの中では SoundsGood Cassiterite が好みでした。中高域の解像度を特に高め、ボーカルをさらにはっきりと感じることができます。Kadenzの持ち味であるクリーンな音粒と伸びやかな中高域をさらに引き出してくれます。
SoundsGoodのケーブルについてはこちらも参考にどうぞ。






水月雨(MOONDROP) Kadenz まとめ
- Q水月雨(MOONDROP) Kadenz はどんなイヤホン?
- A
- ダイヤモンドのような面とマットな質感の高級感あふれるボディ
- 滑らかでブレのないクリーンな音粒・余韻と弾力のある音・伸びやかな中高域・近くリアルなボーカル
- 長さを微調整して音質を調整できる交換ノズル
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- アダプター付属で3.5mm/4.4mm/USB-C 全てに接続可能
- USB-C DACはアプリでイコライザー設定可能
- 向いている人
- クリーンで透き通ったサウンドが好みの方
- ボーカルを近くリアルに楽しみたい方
- あらゆる環境・ジャンルでバランスよく使いたい方
- 向いていない人
- 低音の迫力・パンチが欲しい方
- 分離感・解像度を特に最優先にする方
Kadenz はノズル交換で音質を微調整でき、3.5mm/4.4mm/USB-C それぞれに接続でき、アプリでイコライザー設定もできるという懐の深いイヤホンです。そして何より、ブレなく澄み切った透明感のある音粒はKシリーズの集大成にふさわしい完成度です。純度の高いクリーンなサウンドを求める方、ボーカルを近くリアルに楽しみたい方にはぜひ試してみていただきたい1本です。
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