こんにちは ! 今回は 水月雨(MOONDROP) Kadenz の購入イヤホンレビューです。水月雨(MOONDROP) は度々購入してきましたが、今回は KATO 以来のKシリーズです。KATOもいまだに聴いていますが今回のKadenzはどう進化したのか、他の水月雨とはどう違うのか。ぜひ最後までご覧ください。
本サイトでレビューしている水月雨(MOONDROP)製品はこちらです。

今回比較している KATO、星光 – Star Light、final A5000 のレビューはこちらです。
水月雨(MOONDROP) Kadenz おすすめポイント

- ダイヤモンドのような面とマットな質感の高級感あふれるボディ
- 滑らかでブレのないクリーンな音粒・余韻と弾力のある音・広がりのある中高域・近くリアルなボーカル
- 長さを微調整して音質を調整できる交換ノズル
- リケーブル対応(0.78mm 2Pin)
- アダプター付属で3.5mm/4.4mm/USB-C 全てに接続可能
- USB-C DACはアプリでイコライザー設定可能
水月雨(MOONDROP) Kadenz 製品情報
Kadenz 「終章」
トップモデル10mmシングルダイナミックカナル型イヤホン
ta-Cダイヤモンドコーティング振動板+第2世代特許超線形ダイナミックドライバー卓越したドライバー構造設計と素材技術を駆使し、Kシリーズダイナミック型トップモデルに華麗なフィナーレを飾る
1年半をかけて設計・検証・改良を行い、新たに開発された第2世代特許超線形ダイナミックドライバー
ta-Cダイヤモンドコーティング振動板
再設計されたチャンバーと音響容積によりバランスの取れた音色が生み出されています
音響にこだわるリスナー向けに交換可能なノズル設計を採用
異なる外耳道の音響特性に対応する3種類のノズルを用意第3世代特許目詰まり防止フィルター
革新を遂げたシングルダイナミックドライバー
妥協を許さない卓越した音響性能を実現光と影の美学
ステンレスMIM製法と手作業仕上げの筐体
0.78mm 2Pinコネクタ、リケーブル可能
脱着式プラグ銀メッキ単結晶銅ケーブル付属
ECHO-Bバランスケーブル標準付属
HiFi音質4.4フルバランス出力端子
32bit/384kHz ハイレゾ再生対応USB Type-C有線接続
ロスレス音質、プラグアンドプレイ対応
PC、Android、iOSとドライバ不要で完全互換斬新なユーザー参加型DSP
無限のチューニングの可能性
「FreeDSP」とチューニングプロファイル共有より豊富で実用的なアクセサリー
水月雨 https://moondrop.jp/product/kadenz より

ギャラリー
内容物・付属品


付属品は以下です。昨今のイヤホンの中でも豊富な付属品達です。
- Kadenz 本体
- レザーケース
- イヤーピース 3サイズ x 2種
- ノズル3サイズ
- ケーブル 0.78mm 2Pin – 4.4mm
- 4.4mm to 3.5mm 変換ケーブル
- 4.4mm to Type-C 変換ケーブル (ECHO-B)
- 他紙類
ケーブルの導体は銀メッキ単結晶銅です。そのケーブルが 4.4mm をベースにさらに変換ケーブルをつけているところがポイントですね。バランス接続を楽しむオーディオマニアをターゲットにしていると思われます。3.5mm/USB-C にも対応できるのであらゆる環境で接続できます。Kadenz以外にも使えるのでお得です。

付属のイヤーピースは 2種です。
- 左は清泉 – Spring Tips は単体でも発売されている水月雨のイヤーピースです。ペタペタで柔らかめ・背は低めです。どちらかというと高域寄りの音質です。
- 右はこれまでの水月雨イヤホンにも付属しているいつものイヤーピースですね。サラサラで硬め・背は高めです。どちらかというと低域寄りの音質です。

付属のノズルは長さが異なる3つのノズルA/B/Cが付属しています。これまで長さが同じで素材等が異なるノズルを交換できるイヤホンは多々ありましたが、(e.x. 水月雨(MOONDROP) KATO(レビュー)、 DUNU HAYABUSA ULTRA(レビュー)、TANCHJIM ORIGIN(レビュー)、SIMGOT EA1000(レビュー))、長さが異なるノズルに交換するのは珍しいですね。実際測ると0.5mmほどの違いですが自分にある長さを選ぶことができます。後のレビューで記載しますが聴こえ方は微妙に変わってきます。

こちらが本体です。MIM製法(金属粉末射出成形法)による本体は細かなカットが施され、見る角度で違った反射を見せる美麗な本体です。全体はシルバー1色でシンプルです。表面はざらざらとした触り心地で指紋は目立ちにくいです。

本体の裏面はさらに複雑な形状をしています。いろんな角度から眺めていたいほど精巧な造りをしています。

ケーブル接続は窪みのある0.78mm 2Pinです。

成人男性がつけるとこのような感じです。コンパクトですね。色も落ち着いています。

Kシリーズの前作、KATOと並べてみたところです。実物を見るとKadenzとKATOの形状はほぼ同じですね。ただし表面は異なり、Kadenzはザラザラ、KATOはツルツルとしています。交換できるノズルもKadenzは長さが異なる3つですが、KATOはステンレスと真鍮の2種です。
MOONDROP Link アプリ




Kadenzに付属の4.4mm to Type-C 変換ケーブル (ECHO-B)は水月雨 MOONDROP Link アプリでイコライザーを調整することができます。(KadenzではなくECHO-Bとして認識されています。)

以前レビューした梅 – MAY と同様、以下のことが行えます。
- プリセットから選択
- 自分で Hz, Gain, Q値を細かく設定、アップロード
- 公式が提供しているイコライザーをダウンロード
- 他のユーザが作成したイコライザーをダウンロード
Kadenz以外もECHO-Bに接続して使うことができます。(Xperia 1 VI Android15 で使ったところ若干接続が不安定なところもありますが)色々いじってみると自分のイコライザーを探求したくなってきます。
レビュー
(NW-WM1AM2 イヤーピースは付属の清泉 – Spring Tips、ケーブルは付属の2Pin – 4.4mmで視聴)
装着感
程よいサイズの本体が耳に(案外)フィットします。本体自体が耳に当たりしっかりと支えられます。ただし本体はざらざらとした質感なので長時間つけるには向いていないかなと思います。(KATOは同じ形状でもツルツルとしているのでKATOの方がつけやすいかも) 音漏れはあまりせず、遮音性もそこそこ高めです。
音質
Kadenz の個人的音質イメージはこちらです。

ブレなく濁りなく透き通った音・滑らかで棘がなく弾力のある音粒・余韻がありなだらかな繋がり・やや近く息遣いがリアルなボーカル・伸びやかで広がりのある中高域が印象的です。
後にもあるように他のイヤホンと聴き比べた中でKadenzの一番のポイントは、流れる音にブレや濁りがなく透き通っていることかなと思います。もちろんKATOや星光 – Star Light、その他のイヤホンも綺麗な音ではあります。しかしKadenzを聴くとさらにブレやノイズ・濁りといったものがなく、音が滑らかですね。細かいフィルターで濾すに濾され、透き通ったように感じました。ただしそこまで劇的ではなく、聴き比べた中で感じたものなのでKadenzだけでは分かりにくいです。
音粒それぞれは滑らかで耳馴染みのよい音が流れています。解像度も十分ありますが、音のキレはあまりなく、音の繋がりもそこそこあるので分離感は低めですね。もっちりとした音がなだらかで心地よいです。
バランスとしては低・高大きな偏りはなく、ボーカルが半歩近く、中高域がちょい強めなくらいです。他の水月雨同様、中高域が伸びやかですがそこまで大袈裟ではなくバランスよく万能ですね。
音の広がりとしてはやや多めで、低域は優しげに広がり、中高域はさらに広がりがあります。これもそこまで大袈裟ではなくそこそこ広いかなくらいです。
ノズルを変えた時の印象です。ノズルA(短いノズル)に変えると、少し高域に余裕が出てきて中高域の広がりが増えます。ノズルC(長いノズル)に変えると、音が少しですがダイレクトに感じます。低域がやや強まり、音の密度が高まったようです。一方広がりは狭まります。ノズルの中では個人的にはノズルCが好みでした。このノズルも個人個人でどれがピッタリなのかは変わってきます。
バランスよく聴きやすい・万能なイヤホンかと思います。一見すると味気なさを感じてしまいそうですが、よく聴くと味付けをそこまでせずに音粒の純度を高めているといった感じでしょうか。個人的にはKATOの方が聴いていて楽しいとも思ってしまいますが、Kadenz も十分いい音です。

水月雨(MOONDROP) KATO、星光 – Star Light、final A5000との比較
Kadezと同じ水月雨(MOONDROP)で価格の近い、KATO、星光 – Star Light、追加でやや価格が上のfinal A5000との比較です。



水月雨(MOONDROP) Kadenz | 水月雨(MOONDROP) KATO | 水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light | final A5000 | |
---|---|---|---|---|
ドライバー構成 | 10mm-第2世帯ULT ダイナミック | 10mm-ULT ダイナミック | マグネシウムリチウム合金+ デュアル磁気回路 ダイナミックドライバー | ダイナミック型 |
インピーダンス | 35Ω±15%(@1kHz) | 32Ω±15%(@1kHz) | 15Ω±15%(@1kHz) | 18Ω |
音圧感度 | 122dB/Vrms(@1kHz) | 123dB/Vrms(@1kHz) | 123dB/Vrms(@1kHz) | 100dB/mw |
再生周波数帯域 | 8-21,000Hz | 10~45,000Hz | 12Hz-22,000Hz | メーカー情報なし |
付属品 | ・イヤーピース(S/M/L)各1ペア×2種 ・4.4mm to 3.5mm 変換ケーブル ・4.4mm to Type-C 変換ケーブル ・レザーケース ・ノズル3種 | ・イヤホンケース ・イヤーピース(S/M/L)各1ペア×2種 ・交換用ノズル | イヤホンケース ケーブル(Type-C) ケーブル(4.4mmプラグ) イヤーピース(S/M/L)各1ペア | シリコン製キャリーケース イヤーピース(TYPE E 5サイズ) イヤーピースケース イヤーフック TYPE B(ロック機構付き) |
発売日 | 2024/12/13 | 2021/11/5 | 2024/09/27 | 2022/12/16 |
参考価格(eイヤホン 2025/01/19現在) | ¥26,910 税込 | ¥25,443 税込 | ¥27,000 税込 | ¥32,800 税込 |
4つともダイナミックドライバー搭載のイヤホンです。KATOはKadenzと同じKシリーズですが発売は2021年です。他2つは2024年と新しめです。その間に final A5000 が2022年に発売されています。
以下、聴き比べた印象です。
水月雨(MOONDROP) KATO との聴く比べ
KATOはノズルが2種(真鍮・ステンレス)あり、それぞれで聴いてみました。
真鍮ノズルはKadenzよりも全体的に余韻が締まってスッキリ目に感じます。低音はよりパンチ・キレ・スピード感がありますね。結果、分離感は高めです。バランスとしては高域、中域、低域の順に近いですがKATOはより中低域のキレがあります。音の粒の荒さ・ブレ・ざらつきはKadenzの方がやはりクリーンで滑らかです。KadenzはKATOよりも全体のバランス・起伏がなだらかで優しげですね。
ステンレスノズルは先に書いた真鍮ノズルの音質からさらに全体のキレが高まり、低音のパンチも強めになります。中高域は伸びやかですが、Kadenz の方がまだ伸びと広がりがあります。
水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light との聴き比べ
星光 – Star Light は KATOよりもKadenzよりもボーカルが近く、音の輪郭がはっきりした濃い音です。中高域は同じく伸びやかですが細かなブレ・ノイズがKadenzよりも感じます。星光 – Star Lightは聴いていて楽しいですが、Kadenzはクリーンさが勝ります。
final A5000との聴き比べ
final A5000 を Kadenz の後に聴くと音のキレの良さ・余韻の少なさが目立ちます。全体の雰囲気はKadenzよりも繊細ですね。低域のパンチとキレはKadenzよりもあり、中高域は細やかに・スラスラっと並べていくようです。Kadenzの方がより余韻と伸びがあり表情豊か、かつ音粒がクリーンですが、音の網羅性だとか、細やかさはfinal A5000の方が勝っているかなと思いました。
イヤーピース・リケーブル例
今回はもう少し音を濃く聴きたい時のイヤーピース・リケーブルです。
イヤーピースは付属の 清泉 – Spring Tips もいいですが、他には ELETEC BAROQUE も好みでした。音の輪郭を濃くし、中高域の伸び・広がりをやや高めてくれるようです。

リケーブルは手持ちの中では SoundsGood Cassiterite が好みでした。中高域の解像度を特に高めてボーカルをさらにはっきりと感じることができます。

SoundsGoodのケーブルについてはこちらも参考にどうぞ。

水月雨(MOONDROP) Kadenz まとめ
今回のKadezはノズルで音質を微調整、3.5mm/4.4mm/USB-C それぞれに接続、アプリでイコライザー設定とあらゆる環境・ニーズに応えられるイヤホンです。音質も透き通った美しい音粒です。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !




