FIIO BTR17 は BTR7 の後継にあたる最新フラッグシップ Bluetooth DAC アンプです。デュアル ES9069Q DAC と THX AAA 78+ アンプを搭載し、Bluetooth・USB DAC・デスクトップモードの3通りの使い方ができます。コンパクトな金属ボディに LDAC / aptX Lossless / LC3(LE Audio)など主要コーデックへの対応、10バンドイコライザーといった充実の機能を詰め込んだ一台です。これまでの BTR7・BTR13 も使い勝手の良さと音質で人気でしたが、BTR17 はさらにその上をいきます。
本記事では実際に購入した筆者が、内容物・外観・音質のレビュー、Bluetooth・USB・デスクトップの各モードでの聴き比べについて記載しています。
FIIO BTR17 まとめ

- QFIIO BTR17 はどんな DAC?
- A
- コンパクトな金属ボディに多機能を凝縮
- Bluetooth・USB DAC・デスクトップモードで3通りの使い方
- どのモードでも情報量が多く重厚感のあるサウンド
- LDAC / aptX Lossless / aptX Adaptive / LC3(LE Audio)など全主要コーデックに対応
- 3.5mm / 4.4mm バランス両対応、10バンド PEQ 搭載
- 向いている人
- ワイヤレスでも有線でも高音質を楽しみたい方
- 多機能 DAC を使いこなしたい方
- 手持ちのイヤホン・ヘッドホンの実力をしっかり引き出したい方
- 向いていない人
- シンプルなドングル型 DAC が欲しい方
- 軽量・最小限の機能で十分な方
本サイトでレビューしている他のFIIO製品はこちらです。




FIIO BTR17 製品情報
BTR7の後継機種となる最新フラッグシップBluetoothアンプ。aptX Lossless対応、THX AAA 78+アンプ搭載、最大650mWの出力とバージョンアップ
主な特徴
- QCC5181搭載による最新鋭のワイヤレス性能でロスレスオーディオにも対応
- 外部独立電源接続用ポートにより安全かつ効率的な電源供給を実現
- 多彩な接続性と最適な電源供給を誇る3モード
- XMOS 16コア「XU316」の卓越した性能
- 詳細な音質調整を可能にする10バンドの高精細ロスレスPEQを搭載
- デュアル「ES9069Q」DACによる高品位な音質再現
- 「THX AAA 78+」アンプによる強力な出力と優れた音質
- ハイエンド相当の信号処理
- 高音質かつクリーンにこだわった精密な電源設計
- 優れたインターフェイスと高品位な立体彫刻加工
- 高品質な8芯特製ケーブルを付属
- さらなる使い方が広がる、様々な機能と付属品
- 使用感にこだわったホイールとボタンコントロール
主な仕様
FIIO Japan https://www.fiio.jp/products/btr17/ より
項目 仕様 USBインターフェースチップ XMOS XU316 USB DAC PCM 768kHz/32bit、DSD512(Native)、MQAフルデコード対応 USB DAC動作モード ・USB Audio Class 1.0モード(ドライバー不要)
・USB Audio Class 2.0モード(ドライバーインストールが必要、フルスペック再生可能)Bluetoothチップ QCC5181 Bluetoothバージョン 5.4 対応Bluetoothコーデック AAC/SBC/aptX/aptX Adaptive/aptX Lossless/aptX HD/LDAC DACチップ ES9069Q×2 ディスプレイ 1.3インチ、40×240ピクセル、IPSパネル 連続再生時間 約8時間(LDAC使用時) 充電時間 約2時間 シングルエンド出力 280mW (32Ω、THD+N<1%) バランス出力 650mW (32Ω、THD+N<1%) 周波数特性 20Hz~80kHz(<3dB) S/N比 ≥126dB(USB入力時、デスクトップモード、A特性) THD+N <0.00035%(USB入力時、デスクトップモード、バランス出力) サイズ 約16.3×41.2×86.6mm 重量 約73.4 g 付属品 専用レザーケース、USB Type-C to Type-C ショートケーブル、クイックスタートガイド、PET保護フィルム(貼付済)
BTR17 は前モデル BTR7 から大幅に進化した最新フラッグシップです。デュアル ES9069Q DAC に THX AAA 78+ アンプを組み合わせ、最大 650mW(4.4mm バランス)という力強い出力を実現しています。USB DAC としては PCM 768kHz / DSD512 対応と申し分なく、Bluetooth では aptX Lossless・LDAC・LC3 とあらゆる高品位コーデックをカバー。Bluetooth・USB DAC・デスクトップの3モードに加え、本体だけで操作できる充実のボタン類と専用アプリによる細かな設定が揃っており、接続用途を問わず活躍できる「全部入り」の Bluetooth DAC です。
ギャラリー
内容物
Blue と Black の2色ありますが、Blueを購入しました。

付属品はこちらです。
- 本体
- 専用レザーケース
- USB Type-C to Type-C ショートケーブル(8芯特製)
- PET 保護フィルム(本体ディスプレイに貼付済)
- クイックスタートガイド等紙類
箱を開けると PET フィルムは既に本体に貼り付けられていました。すぐ使えるのがありがたいですね。レザーケースが標準付属なのも嬉しいポイントです。
付属の USB ケーブルは 8 芯構成で、6芯がアナログ電流伝送用(単結晶銅)、2芯がデジタル信号伝送用(単結晶銅銀メッキ)と分けられた専用設計です。長さは短めでスマホやPC脇に置いて使う用途向けですね。
FIIO BTR17 本体

本体は金属製でエッジの効いた角張ったデザイン。クールで無骨な雰囲気です。サイズは約 16.3 × 41.2 × 86.6mm、重量 73.4g と多機能ながらコンパクトにまとまっており、片手でサッと操作できます。裏面だけレザー素材で覆われており、サラサラとした柔らかな手触りです。
底面の USB ポートは2つあり、データ転送 + 電源用ポートと電源専用の POWER IN ポートに分かれています。電源供給を独立させるこだわりの設計です。

右側面にはボリュームノブ・電源ボタン・曲戻し / 送りボタン・モード切替スイッチ・D.MODE スイッチが並んでいます。各ボタンは操作に応じて複数の機能を持ちます。
- ボリュームノブ:回転で音量調整、短押しで再生・一時停止・受話・終話・メニュー決定・Bluetooth 再接続、2秒押しでメニュー画面へ・音声アシスタント起動
- 電源ボタン:短押しで画面 ON/OFF、長押しで電源 ON/OFF
- 曲戻しボタン:短押しで曲戻し、2回押しで EQ 切替
- 曲送りボタン:短押しで曲送り、2回押しで EQ 切替、5秒押しで強制ペアリング
- モード切替スイッチ:PC モード(USB DAC + USB 給電)/ BT モード(Bluetooth + USB 給電)/ PHONE モード(USB DAC・USB 給電なし)
- D.MODE スイッチ:デスクトップモードの ON/OFF。POWER IN 端子に接続がある場合に有効。スイッチ ON 時は USB 給電が無効になる
- マイク:通話にも対応しています
音量調整はスマホ・PC とは非連動で本体内部に保存されます。接続先より細かいステップで調整できるのは地味に便利なポイントです。












ディスプレイは 1.3 インチ IPS パネルで以下の情報をカラー表示してくれます。小さいながらもくっきり見やすく、接続状態が一目でわかるのは便利ですね。
- 左上:バッテリー残量(デスクトップモード有効時は追加マーク)
- 中央:イコライザー、コーデック、サンプリング周波数、Quality(PQ / HQ / SQ / HR)
- 左下:現在のモード(PC / BT / PHONE)
- 右下:ゲイン(High / Low)
このほかペアリング中・接続中・充電中など状態に応じて表示が切り替わります。
実はマイクも搭載しており、これで通話もできます。

左側面にはボタン類はなく、各種ロゴ等があるのみです。

上部にはプラグ類があります。もちろん3.5mmアンバランス・4.4mmバランスどちらも対応しています。
裏面だけはレザーで覆われており、サラサラ・柔らかな肌触りです。


ケースに入れるとこのようになります。ボタン・端子類はそのまま使えます。ケース裏にはクリップ、側面にはストラップホールがあるのでベルト等に装着することもできます。

成人男性が持つとこんなサイズ感です。多機能ですがサッと片手で操作できるほどのコンパクトさに収まっています。

なお本体設定の CHG protection は初期状態でOFFになっていますが、ONにしておくことをおすすめします。充電を80%で停止するバッテリー保護機能で、使用時間は少し減りますがバッテリーの寿命を伸ばすことができます。
FIIO Control アプリ
他のFIIO製品同様、スマホアプリ FIIO Control で各種設定が行えます。







特にイコライザーは 10 バンドで、プリセット 7 種に加えてカスタム 10 種まで登録可能です。周波数ごとに細かく設定でき、他ユーザのプリセットをダウンロードすることもできます。いじり出すとキリがないですが、とことんこだわれるのはありがたいです。
(参考) FW update V0.6.2 の機能追加・不具合修正
発売後のFW update V0.6.2 で以下が追加・修正されました。
- ボリュームステップが 60段階 と 120段階から選べるようになりました。
- 曲戻しボタン、曲送りボタンそれぞれ機能を変更できるようになりました。
- 曲戻しボタン単押し・2回押しを 音量上げ or 曲戻し or イコライザー変更
- 曲送りボタン単押し・2回押しを 音量下げ or 曲送り or イコライザー変更
- 本体スクリーンを4方向に回転できるようになりました。
- PCモード、BTモードでかつ USB データポートのみに接続がある場合でもデスクトップモードが有効になるようになりました。
- 本体のメニューのみで設定できていた項目についてFIIO Control アプリで設定できる項目が増えました。(e.x. ゲイン, デジタルフィルター)
- 本体メニュー画面のUIを更新
- そのほか不具合修正
そのほかにも継続的にアップデート・不具合修正が行われています。
- (V1.1) USB マイク機能の追加 【2025年4月最新】
- (V1.23) ダイヤルボタンのダブルクリックで曲送りする機能を追加 【2025年6月最新】
- (V1.25) aptX Adaptive/Lossless コーデックのビットレート表示を追加 【2025年8月更新】
- (V1.27) PEQの周波数ゲイン調整範囲を-24dB~12dBに変更 【2026年4月更新】
詳しくはこちらをご覧ください。

画面を横向きにするとプレイヤー感が出ていいですね。120段階のボリュームステップも使い勝手が向上しました。
FIIO BTR17 レビュー
試聴イヤホン
有線ピヤホン5 (Hi-Unit 003-pnk)

水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light

Maestraudio MA910SR DC

使用感 : キビキビ・スムーズな動作で良好
Bluetooth・USB いずれの接続でも特に不便なく使えています。Bluetooth は電源 ON から 10 秒かからず接続完了し、聴きたいときにさっと再生できます。ボリュームノブの操作も滑らかで細かな音量調整ができ、再生制御もキビキビ反応してくれます。
強いて挙げるとすれば、画面 OFF 時にボリュームノブを回しても操作が即時に反映されず、画面点灯後に変化するという点でわずかなタイムラグを感じます。また LE Audio / LC3 を無効にできないため、接続相手によっては LDAC や aptX Adaptive が使えなくなることがあるようです。FIIO Control アプリから無効化できるよう改善してほしいところですね。全体的には快適な使用感です。
FIIO BTR17 音質 : 接続モードで3つの顔を持つ、情報量たっぷりのサウンド
試聴環境:Xperia 1 VI で接続。有線ピヤホン5・水月雨(MOONDROP) 星光 – Star Light・Maestraudio MA910SR DC の3機種を用い、J-POP・ロック・ポップスを中心に試聴しました。イコライザー・フィルターはデフォルト設定です。
音質イメージグラフ
こちらが個人的音質イメージグラフです。
比較対象製品
周波数特性
音質評価
凡例
Bluetooth 接続 : 厚みのある中低域で荘厳な雰囲気
Bluetooth 接続での第一印象は、ワイヤレスとは思えない情報量の多さと中低域の厚みです。購入して最初に Bluetooth で聴いたとき、想像以上に音が濃くて驚きました。
バランスとしては中低域にやや厚みと広がりがあり、どっしりとした荘厳な雰囲気があります。とはいえ大きな偏りではなく、各イヤホンの特性をしっかり活かしてくれます。有線ピヤホン5 や Star Light のパンチある低域がさらにエネルギッシュに鳴り、MA910SR DC の中高域の伸びやかさも損なわれません。
空間の広さも十分で、特に中低域の広がりが印象的です。下から支えるような厚い広がりがあり、音楽をスケール感豊かに聴かせてくれます。高域もしっかりとあるものの、広がりはほどほどといった印象です。余韻もそこそこあり、音数の多い曲では分離感・解像度をもう少し求めたくなることも。それは USB 接続に切り替えると変わってきます。
USB 接続 : カラッとした明るさと鋭い解像度
USB 接続に切り替えると、全体の解像度が一段上がり、音の輪郭がよりキリッとします。特に高域の伸び・広がりがグッと増し、Bluetooth 接続では重厚だった雰囲気がカラッと明るく変わりますね。ギターのカッティング、シンバルの空気感がスパッと気持ちよく出てきます。ここで Star Light の中高域の伸びが真価を発揮し、1音1音をさらに細かく鳴らしてくれました。
帯域のバランスは Bluetooth と似た傾向ながら、解像度・分離感が向上し各パートの位置がより明確になります。Bluetooth では重厚に感じていたサウンドが、USB 接続ではキレよく明るく整います。
デスクトップモード(USB + POWER IN): よりパワフルに、より艶やかに
POWER IN 端子から外部給電しながらデスクトップモードをオンにすると、全体の情報量と音粒の存在感がさらに高まります。これまで埋もれていた細かな音まで出てきて、同じ曲でも音の密度が増したように感じます。
帯域ごとのバランスでいうと低域のパンチが特に強まりますが、中高域も伸びやかさが増します。MA910SR DC で聴く女性ボーカルはさらに近くリアルに聴こえ、音に生の空気感・艶やかさが加わります。一見荒々しく感じるかもしれませんが、よく聴けば繊細な音が随所に流れてくるモードです。
情報量が多い分、長時間の試聴では聴き疲れを感じることもありました。インピーダンスの高いヘッドホンを鳴らすような用途には向いていますが、普段使いではデスクトップモードをオフにしてもじゅうぶん楽しめます。
BTR17 の音質まとめ : 接続モードで3つの顔を楽しめる
Bluetooth では重厚で濃いサウンド、USB ではクリアで明るいサウンド、デスクトップモードではさらにパワフルで艶やかなサウンド——同じイヤホンで3種類の表情を味わえるのが BTR17 の面白いところです。いずれのモードもコンパクトなボディからは想像以上のパワーと情報量を持ち、手持ちのイヤホンの実力をしっかり引き出してくれます。
FIIO BTR17 まとめ
- QFIIO BTR17 はどんな DAC?
- A
- コンパクトな金属ボディに多機能を凝縮
- Bluetooth・USB DAC・デスクトップモードで3通りの使い方
- どのモードでも情報量が多く重厚感のあるサウンド
- LDAC / aptX Lossless / aptX Adaptive / LC3(LE Audio)など全主要コーデックに対応
- 3.5mm / 4.4mm バランス両対応、10バンド PEQ 搭載
- 向いている人
- ワイヤレスでも有線でも高音質を楽しみたい方
- 多機能 DAC を使いこなしたい方
- 手持ちのイヤホン・ヘッドホンの実力をしっかり引き出したい方
- 向いていない人
- シンプルなドングル型 DAC が欲しい方
- 軽量・最小限の機能で十分な方
機能面・サウンドともにさすが FIIO といった完成度です。ワイヤレスでも有線でも上質なサウンドを聴かせてくれる、頼れる一台でした。ぜひ一度試してみていただきたいです。
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