こんにちは ! 今回は AZLA HORIZONⅡ のレビューです。AZLA といえば SednaEarfit シリーズのイヤーピースで有名で、本サイトでも度々紹介していますが、今回はイヤホンです。イヤーピースでお世話になっている AZLA が久々にだすイヤホン HORIZONⅡは話題沸騰で筆者も購入しました。果たしてそのクオリティはいかがなものか、ぜひ最後までご覧ください。
おすすめポイント
AZLA HORIZONⅡ
- バランスよく、滑らかな繋がりでまとまった、解像度の高いサウンド
- SednaEarfit ORIGIN Black ver. イヤーピース 6サイズが付属
- 付属ケーブルは 3in1 マルチプラグ
- リケーブル対応 (0.78mm 2pin)
製品情報
– The returning Legendary Series-
10mm径ベリリウムコーティングドライバー搭載と3in1マルチプラグ採用『HORIZON II』(ホライゾン・ツー)は、2018年5月に発売し人気を博したシングルダイナミックドライバーIEM「HORIZON」のエッセンスを受け継ぎ、アルミニウムシェル、10mm径ベリリウムコーティングドライバー、3in1マルチプラグを採用したシングルダイナミックドライバーのIEMです。
【The returning Legendary Series】10mm径ベリリウムコーティングドライバー
筐体素材にアルミニウムを採用し共振抑制
優れた伝達力のプレミアムウィービングケーブル
3in1マルチプラグ採用
医療用シリコンイヤーピース「SednaEarfit ORIGIN Black」とキャリングケース付属
主な仕様
アユート https://www.aiuto-jp.co.jp/products/product_5215.php より
シェル素材 アルミニウム ドライバー ダイナミック型(ベリリウムコーティング10mm径シングルフルレンジ) ドライバー数 1DD / 1ドライバー(片側) 周波数応答範囲 10 – 40,000 Hz 入力感度 107 dB SPL/mW(@1KHz) インピーダンス 17.7Ω(±10%@1KHz) 重量 約51g(本体+ケーブル) ケーブル/プラグ 銀メッキOFCケーブル(約120cm)
コネクター:カスタムIEM 2pin(0.78mm)
プラグ(ストレート):3in1マルチプラグ(3.5mm/2.5mm/4.4mm)
ドライバーはベリリウムコーティングのダイナミックドライバーです。ベリリウムといえば直近 SIVGA Que でも採用されていました。発売時期も近く、同じ1万円台です。
その他にも、ケーブルが 3in1 マルチプラグと豪華です。バランス接続もすぐに試すことが出来ます。
さらには、イヤーピースが SednaEarfit ORIGIN の Black ver. です。単体でも発売されており人気のイヤーピースですが、Black はこの HORIZON Ⅱ 限定のカラーです。
このように、本体のクオリティもさることながら付属品も豪華なこともポイントです。
ギャラリー
付属品はこちらです。
- 本体
- ケース
- SednaEarfit ORIGIN Black ver. イヤーピース 6サイズ
- 0.78mm 2pin ケーブル (3in1 (2.5mmバランス/3.5mmアンバランス/4.4mmバランス) マルチプラグ)
- 他紙類
先にも書いたように、付属品が多めです。イヤーピースは SS/S/MS/M/ML/L の6サイズが付属しています。ケーブルも3プラグを1本で切替できるものであらゆる場面で使うことができるものです。
ケースもよくある付属品のケースとしては大きめなのも嬉しいポイントです。付属品も一緒に入れて保管することが出来ます。
イヤーピースはすでに販売され人気のイヤーピース AZLA SednaEarfit ORIGIN の Black version です。このカラーは HORIZON Ⅱに付属のものだけの限定カラーです。通常のブルーもいいですがこのブラックも他のイヤホンに合わせやすいカラーでGoodです。
イヤーピースの中では背が高めです。イヤホンや耳の形状によっては合わない場合もあるのでその場合は後の「イヤーピース・リケーブル例」で紹介するイヤーピースを試してみてください。
付属のケーブルは 3in1 マルチプラグで簡単に 2.5mm/3.5mm/4.4mm を付け替えることが出来ます。ケーブルの素材は黒銅線4芯6本、銀メッキ銅線7芯6本、中央銀メッキ銅線4芯7本です。ケーブル自体はやや硬めでしなやかとも言えず、癖がありますが通常使用には問題ないです。タッチノイズもそこまで気になりません。
こちらが本体です。黒いボディに赤い丸にAZLAのロゴが印字されている、シンプルなデザインです。昨今のイヤホンにあるようなマーブル模様だとかがなくあっさりですね。素材はアルミニウムでひんやりとしています。本体、AZLAのロゴの部分は擦ってしまうと傷がついたり、削れてしまいそうなので扱いには注意が必要です。
フェイスプレート以外も全面黒でシンプルです。滑らかな形状が耳にフィットします。大きさはやや大きめで、決してコンパクトなイヤホンではないので耳が小さめな方は一度試しておいた方が良さそうです。測ったところ重さは 9g (片側、イヤーピース・ケーブルなし)で、やや重みはあります。
ノズルは別パーツになっていますが回して取れることはありません。
ケーブル接続は浅い窪みのある 0.78mm 2pinです。0.78mm 2pinであればあらゆるケーブルと接続できます。
レビュー
装着感
付属のイヤーピース SednaEarfit ORIGIN の良さも相まって装着感は非常にいいですね ! 大きめの本体が耳にしっかりとフィットし、隙間をイヤーピースが埋めてくれるようです。6サイズもあるのでぴったりのサイズを選べば遮音性も高まります。片側 9g ですが、しっかりとハマれば重さは気になりません。本体は他のイヤホンと比べても大きめにはなるので耳の小さい方は耳からの飛び出しが大きめになりそうです。音漏れは問題ないですね。
音質
やや低域よりのバランス・際立つベース・伸びやかな高域・解像度が高く滑らかなナチュラルなつながりが印象的です。
過度な偏りはなく、やや低域よりの聴きやすいバランスに感じました。低域はしっかりと鳴り、その中でもドラムや、特にベースが際立っていました。(自分もですが)ベースの音が好きな方、ベース弾く方にもおすすめしたいですね。ボーカルもその低域と同じくらいの近さで感じられます。ボーカルは後にも書くように滑らかで優しいタッチですね。高域は中低域よりは少なめですが十分な量です。高域は中低域に比べるとやや鋭さがありますが、刺さるとかはなく、伸びやかながらも抑えられているような印象です。
つながりの滑らかさ・ナチュラルさも AZLA HORIZONⅡの特徴的なポイントです。1音1音を淡々と鳴らすというよりは音の鳴り始め・終わり・繋がりが滑らかで優しく感じられます。先に書いたバランスとこの滑らかさが相まって、テンションを上げてノリノリで聴くというよりはゆったりと流れるように聴くのにいいイヤホンかと思います。
繋がりが滑らかだからとって混ざるとかごちゃつくまではなく、解像度・分離感は高めです。滑らかながらもしっかりと鳴らし分けてくれますね。(よりモニタリング的に分離感高く、1音1音を細かく聴きたいとなると AZLA HORIZONⅡは向いてないかなと思います。) 空間もこの価格以上に広く感じられます。特に低域・高域が左右に広く感じられます。
滑らかなサウンドであるため、バランス接続(2.5mm/4.4mm)ではなくアンバランス接続(3.5mm)でもy良いかなと思います。そういった意味ではバランス接続の恩恵が薄めかなと思います。
ポップス・オーケストラなんかと相性が良いですね。アニソン等、音数が多い・テンポが速いのは(聴いていて楽しいですが)不得意かなと思います。
付属品の豪華さだけでなく、サウンドもしっかりと仕上がっていますね。滑らかさと高い解像度が共存した、耳馴染みのいい音です。何かに特化した、尖ったイヤホンというよりは満遍に楽しめる優等生なイヤホンに思いました。
イヤーピース・リケーブル例
今回は(付属のSednaEarfit ORIGINが合わない場合に)装着感を高め、よりスッキリと聴けるイヤーピース・リケーブルの例です。
(付属のイヤーピースが6サイズと豊富なこと、ケーブルもマルチプラグであることからそのままでも十分に楽しめます。)
イヤーピースは同じ AZLA の SednaEarfit XELASTEC II にしました。SednaEarfit ORIGIN も装着感はいいですが、背が高いことで耳に合わない場合があります。その場合は、背が低めのSednaEarfit XELASTEC II がおすすめです。ピタッと耳に吸い付いてくれ、より装着感を高めてくれます。
リケーブルは SoundsGood Nuada にしました。こちらは4N 純銀線でよりスッキリとした音を楽しむことが出来ます。また、今回の AZLA HORIZONⅡ の付属品と同じく3in1マルチプラグです。リケーブル後も同じ環境で使うことができるという点でもおすすめのケーブルです。
SIVGA Que との比較
今回は 1万円台・ベリリウムコーティングのドライバーといった共通点のある SIVGA Que との比較です。SIVGA Que のレビューはこちらです。
AZLA HORIZON Ⅱ | SIVGA Que | |
---|---|---|
ドライバー | ダイナミック型(ベリリウムコーティング10mm径シングルフルレンジ) 1DD / 1ドライバー(片側) | 10mm ベリリウム振動膜ダイナミックドライバー |
インピーダンス | 17.7Ω(±10%@1KHz) | 32Ω |
音圧感度 | 107 dB SPL/mW(@1KHz) | 108dB +/-3dB |
再生周波数帯域 | 10 – 40,000 Hz | 20Hz ~ 20KHz |
ケーブル | 銀メッキOFCケーブル 3in1マルチプラグ(3.5mm/2.5mm/4.4mm) | 銀メッキ⾼純度無酸素銅線 |
イヤーピース | SednaEarfi ORIGIN Black 医療用シリコンイヤーピース:6ペア(SS/S/MS/M/ML/L) | (白軸) S/M/L 各1ペア (黒軸) S/M/L 各1ペア |
参考価格 (eイヤホン 2024/09/07 現在) | ¥17,820 税込 | ¥12,980 税込 |
どちらも 10mm のベリリウムコーティングドライバー(全く同じものではない)を採用した、1万円台のイヤホンです。再生周波数帯域は AZLA HORIZON Ⅱの方が広いです。さらに AZLA HORIZON Ⅱ はケーブルが 3 in 1マルチプラグであったり、イヤーピースは6サイズだったりと、やはり付属品が多めです。
聴き比べた印象ですが、AZLA HORIZONⅡは全体がよくまとまっていて、滑らかで耳馴染みがいいですね。一方、SIVGA Que はHORIZONⅡと比べると低音と高音がはっきりしているようで、低音は深く余韻が多めで、高音はキリッとした鋭さを感じられます。SIVGA Que の方が低音と高音の再現度が高いですね。(e.x. 米津玄師「LADY」ではピアノの残響がよりリアルに感じられました。)
ただし、HORIZONⅡと比べると低音と高音がやや浮いているような印象があります。逆にHORIZONⅡはそういったものがなく、低音・高音・近めのボーカルがうまく噛み合っていますね。SIVGA Que も十分いいですが、HORIZONⅡのより違和感なく曲全体を聴けるという点がGoodポイントに思いました。
また、低音の余韻・深さのあるSIVGA Que はスローテンポな曲が得意ですが、ハイテンポな曲・ロックだともたつくような場面もあり、AZLA HORIZONⅡの方が聴きやすいですね。ただし、先にも書いたように AZLA HORIZONⅡもハイテンポな曲はそこまで得意な印象ではないので1音1音をしっかりと分けて聴きたいような場合には適さないかなと思います。
この2本では、より低音の深い・再現度の高いSIVGA Que か、より万能で聴きやすい AZLA HORIZONⅡか、どちらが好みかで選ぶと良いと思います。
まとめ
AZLA HORIZONⅡを聴いて、AZLAはやっぱりイヤーピースだけではないと、イヤホンも優秀だと思わされました。本体・付属品、まとめてクオリティ高いです。有線イヤホンの入門からさらに一歩踏み出すためのセットとしても良いですね。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。