SIVGA Que サクッと見れる聴き込みレビュー この価格でこの風格、この貫禄 !

5.0
SIVGA Que イヤホン・ヘッドホン

こんにちは ! 今回は SIVGA Que のレビューです。SIVGA のイヤホンは本サイトでは初になります。このイヤホン、発売されるや否や価格に見合わぬ音質で話題となり即売り切れとなった話題になったイヤホンです。筆者も即購入してじっくりと聴きました。ぜひ最後までご覧ください。

ゆーき

社会人ソフトエンジニア&オーオタ。オーディオ沼に浸かり始めて数年。解像度の高いイヤホンが特に好み。聴く音楽はJ-POP・ロックが多め。9mm Parabellum Bullet・King Gnu・宇多田ヒカル・福山雅治等々。

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おすすめポイント

おすすめポイントまとめ
SIVGA Que

SIVGA Que

  • メイプルウッドの美麗なフェイスプレート
  • 高い解像度・余韻多めの滑らかなサウンド・広く芳醇な低音
  • リケーブル対応 (0.78mm 2pin)

製品情報

新開発10㎜ベリリウム振動膜ダイナミックドライバー

広いサウンドステージとパワフルな低音

北米産ホワイトメイプルウッド

亜鉛合金筐体

銀メッキ高純度無酸素銅線による伝送レス向上

快適な装着感

  • 接続技術 有線
  • ドライバー 10mm ベリリウム振動膜ダイナミックドライバー
  • 周波数応答 20Hz ~ 20kHz
  • 感度 108dB ±3dB
  • インピーダンス 32Ω
  • 磁気回路システム シングルマグネットデュアルキャビティ
  • 筐体材質 亜鉛合金、メープルウッド
  • ケーブル長さ 1.25m
  • ケーブル素材 銀メッキ高純度無酸素銅線
  • コネクター 3.5mm
  • インタフェース 0.78mm 2PIN
01Diverse https://01diverse.jp/products/sivga-que より

ポイントはドライバーにベリリウム振動膜を採用している点ですね。(SIVGA本家のサイト(https://www.sivgaaudio.com/product_d?id=21)では”beryllium-plated”とあるので厳密にはベリリウムメッキのようです。) ベリリウムといえば本サイトでは Kiwi Ears Cadenza (レビューはこちら)も採用していました。一般にベリリウムは振動板としては理想的な性質を持ちつつも加工が困難なため採用されるのはあまり多くありません。メッキではなくピュアベリリウムのものもありますが fianl A8000 のように高価なものになります。

それだけではなくハウジングにメープルウッドが使われているのも特徴的ですね。これにより外観の美しさだけでなく反響の抑制にも寄与しているとのことです。

ギャラリー

SIVGA Que 付属品
SIVGA Que 付属品

付属品はこちらです。

  • 本体
  • イヤーピース (2種 3サイズ (+ 本体に装着済み1ペア))
  • ケーブル (0.78mm 2pin – 3.5mm)
  • ケース
  • 他紙類

イヤーピースが2種付属しており、この価格(1万円台前半)にしては多めの付属品です。ケースを始め、付属品それぞれもクオリティが高いです。ケースは味のあるブラウンのハードケースで高級感があります。

SIVGA Que 付属イヤーピース
SIVGA Que 付属イヤーピース

付属のイヤーピース2種付属しています。どちらもシリコンタイプでしっとりとした質感です。違いは、軸の白い方が柔らかめで口径が大きめ、軸が黒い方が硬めで口径が小さめです。より黒い方がより低音を強く感じることが出来ます。

SIVGA Que 付属ケーブル
SIVGA Que 付属ケーブル

付属のケーブルは 0.78mm 2pin – 3.5mm の銀メッキ高純度無酸素銅線です。程よい太さとシルクのような艶があり、これもまた1万円台前半の付属品としてはやけにクオリティ高いです。他のイヤホンにつけるのもいいでしょう。やや硬めで、しなやかとまではいかないですがまあまあ使いやすいです。

SIVGA Que フェイスプレート
SIVGA Que フェイスプレート

こちらが本体です。先にも書いたようにフェイスプレートは北米産ホワイトメイプルウッドで温かみのある美麗な見た目です。削り出しで作られているようなのでこの木目も個体ごとに異なります。

SIVGA Que 本体
SIVGA Que 本体

フェイスプレート以外は亜鉛合金製で、ひんやりとしています。シンプルで滑らかな形状ながらもスッと耳にフィットします。L/R 表記とベント穴があります。ノズルは回して取れるようにはなっていません。

SIVGA Que 接続部
SIVGA Que 接続部

ケーブル接続は窪みにある0.78mm 2pinです。特殊な形ではないので0.78mm 2pinであれば様々なケーブルに付け替えることが出来ます。

レビュー

装着感

装着感は非常にいいですね。ちょうど良いサイズ感と角のない滑らかな形状が耳にフィットします。やや大きめのフェイスプレートで耳が塞がるような感じになります。イヤホン本体がフィットしてくれるため、イヤーピースは小さめでも大丈夫です。遮音性は高く、音漏れも全く問題ありません。

音質

弾力と広がりがある音空間、深い底から支えるような低音、芯は解像度高くクリアな音、空気感まで鳴らす芳醇な余韻が印象的です。

一聴して驚いたのは解像度の高さと温かみのある余韻がうまく共存している点です。余韻が十分にあるがぼやけてもいないです。ベリリウムというともっとクッキリ系なのかと想像していたのですが、そうでもなくいい意味で裏切られたようです。音の芯は解像度高くしっかりとキリッとしているのですがその周辺の余韻がバランスよく、よりリアルに空気感を描いているようでした。トータル価格以上なのですがここが一番 SIVGA Que のポイントと思います。スパッと・キリッとしたクリアな音が好みの方には合わないと思いますが、そうでなければいい選択肢になるはずです。

バランスとしてはやや中低域よりで大きな偏りなく聴きやすいですね。その低域は重すぎず、深く底から鳴っているようで、弾むような弾力があり、表現力豊かです。ボーカルもリアルに感じられます。女性ボーカルだとややきつい(刺さる)かなと思う場面があり、男性ボーカルの方が安定している印象です。先に書いた余韻も相まって、息遣いもリアルですね。高域はこれらよりは控えめで、伸びやかとまではいかないですが物足りないということはありません。全体的に低域が広く深く、重めの雰囲気がありますが、高域もしっかりと鳴っています。

空間の広さは横に広めに感じます。余韻が広く包み込んでくれるようです。縦の広さは(高域の伸びがそこまでなので)そこそこかなと思います。SIVGA Que でライブ音源を聴くのも良かったです。ライブの空気感・響・広がりをしっかりと鳴らしてくれます。

芯がしっかりとしつつも芳醇な余韻で貫禄のある音だと思いました。音質の面でももう1ランク上の値段をつけてもいいのではと思います。

イヤーピース・リケーブル例

SIVGA Que の豊かな低音と臨場感を活かすカスタマイズ例です。

イヤーピースは AZLA SednaEarfit max ASMR がよかったです。メディカルシリコン素材の低刺激・低圧迫イヤーピースです。中低音の臨場感・量感をさらに高めてくれます。ASMR以外でも中低域をより濃密に聴きたい時におすすめです。

リケーブルは SoundsGood Cassiterite にしました。前回のNF Audio RA15 でも紹介しましたが、こちらもまた中低域をより濃く広く聴くのにおすすめのケーブルです。

SIVGA Que + AZLA SednaEarfit max ASMR + SoundsGood Cassiterite
SIVGA Que + AZLA SednaEarfit max ASMR + SoundsGood Cassiterite

qdc SUPERIOR との比較

今回は価格の近い、qdc SUPERIOR と比較してみます。qdc SUPERIOR のレビューはこちらです。

SIVGA
Que
qdc
SUPERIOR
ドライバー構成10mm ベリリウム振動膜ダイナミックドライバーダイナミック型(10mm径シングルフルレンジ)
インピーダンス32Ω16Ω
音圧感度108dB +/-3dB100dB SPL/mW
再生周波数帯域20Hz ~ 20KHz10 ~ 40,000 Hz
参考価格(eイヤホン 2024/09/07 現在)¥12,980 税込¥12,321 税込

どちらも1万円台前半で購入できる、ダイナミックドライバー1基のイヤホンです。

聴き比べると、どちらも共通するのは低音寄りで重みのあるサウンドです。全体的にどっしりとした空間で迫力のあるサウンドです。

ただし、この低音の質が大きく異なります。SIVGA Que が余韻多めでウォームな、弾力のある低音であるのに対し、qdc SUPERIOR は余韻少なめでクールな、スッキリとした、キレのある低音です。このためか解像度・分離感では qdc SUPERIOR に軍配が上がりますが、空間の広さ・壮大さは SIVGA Queの方が感じられます。ライブ音源等、より臨場感を求めるのであれば SIVGA Que、スタジオ音源等、よりモニタリング的に聴くのであれば qdc SUPERIOR が良いと思います。これはどちらかがいいというよりは傾向の違いなので好みで分かれる部分かなと思いました。

まとめ

本体・付属品のクオリティが価格に見合わず高いイヤホンだと思います。1万円台イヤホンの基準がまた高まってしまったとも言えるくらいですね。滑らかな音が好き・中低音が好きな方にはおすすめです。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !

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