こんにちは ! 今回は 株式会社伊藤屋国際様 より提供いただいた、NF Audio RA15 のレビューです。株式会社伊東屋国際様には SUPERTFZ を度々提供いただいておりますが、NF Audioは今回が初めてです。筆者自身も初めての NF Audio ですので楽しみです。ぜひ最後までご覧ください。
おすすめポイント
NF Audio RA15
- コンパクトな筐体で耳が小さい方にもおすすめ
- 高い解像度・高い分離感・スッキリドライで疾走感あるサウンド
- ノズルを交換することで2つのサウンドが楽しめる
- リケーブル対応 (0.78mm 2pin)
製品情報
“WARM”と”BRIGHT”のふたつの音色を楽しめる交換式サウンドチューブ
上位モデルにも搭載されているMC2L-10Mダイナミックドライバー
より大きな駆動力を発揮する強力なテスラレベルのデュアル磁気回路
ディテール豊かな音を実現するダブルキャビティ設計
人間工学に基づき開発されたフィット感に優れた金属性ハウジング
どこでもあなたのステージに。最大-25dBの高い遮音性
交換可能な銀メッキ 5N OFCケーブルを採用
耳の小さな方も安心、XSサイズから付属する高品質イヤーチップ
主な仕様
伊藤屋国際 https://www.itohya.jp/pages/ra15 より
- ドライバー
φ10mmダイナミックドライバー (MC2L-10M)- 再生周波数帯域
10Hz~40,000Hz- インピーダンス
32Ω- 感度
108dB/mW- ケーブル
銀メッキ 5N OFC(無酸素銅)- ケーブル長
約1.3m- プラグ
φ3.5mm
一番のポイントはサウンドチューブを交換することで一つのイヤホンで2つのサウンドが楽しめるという点ですね。このノズル交換で切り替えるのは度々見かけます。本サイトでレビューした中では以下が該当します。
ダイナミックドライバー1基構成で、同じ NFAudio NA2+ に搭載しているものと同じとのことです。
後のギャラリーで見ますが、金属製の本体はコンパクトでかつイヤーピースもXSサイズが付属していたりと、耳が小さい方にもお勧めできるイヤホンです。
ギャラリー
付属品はこちらです。
- 本体
- ポーチ
- ケーブル (0.78mm 2pin 3.5mm)
- イヤーピース 4サイズ
- サウンドチューブ(ノズル) 本体装着済み含めて2種
ポーチが革製だったりイヤーピースが4サイズ付属していたりとこの価格にしては充実した付属品ですね。
イヤーピースはMS42 シリコンイヤーチップという、NF Audio独自のイヤーピースです。軸は硬め・傘は柔らかめでしっとりとした質感です。よくある付属のイヤーピースというよりは単体でも質が高いですね。
付属のケーブルは 0.78mm 2pin 3.5mmアンバランス接続のケーブルです。2pin は窪みのあるqdcタイプです。素材は銀メッキ 5N OFC(無酸素銅)でしなやかで取り回しがいいです。
こちらが本体です。本体は丸々金属製で重みがあります。(イヤーピース・ケーブルなしで片側 9g でした。) 珍しいのが、金属製のイヤホンは表面がツルツルなことが多いですが、NF Audio RA15 はざらざらとした加工がされています。指紋が目立ちにくいので気軽に持ちやすいのはありがたいですね。正面には NF Audio のロゴが印字されています。
もう一つ特徴的なのはその小ささですね。イヤホン多々見てきましたが非常にコンパクトです。これなら耳が小さい方にもお勧めできます。
裏面もフェイスプレート同様に金属製です。L/Rの表記、ベント、RA15 MUSIC SERIES の印字があります。
ケーブル接続は出っ張りのある、0.78mm qdc 2pin です。一応、0.78mm 2pinであれば、qdcタイプでなくとも接続はできます。
サウンドチューブ(ノズル)は手で回して取り外すことができ、付属の2つから選んでつけることが出来ます。ノズルは以下の2つが付属しています。
- WARM (左) : 真鍮製
- BRIGHT (右) : ステンレス製
レビュー
装着感
本体が非常に小さくコンパクトなため、耳が小さい人ほど付けやすいと思います。というのも筆者は耳が大きい方なため、この NF Audio RA15 の小さい本体は耳に入り込みすぎるようでした。付属のイヤーピースのLサイズでなんとかハマったかなくらいです。のちに書く、よりグリップ力のあるイヤーピースに変えたらピタッとハマってくれました。耳が大きい方(イヤーピースはいつもLサイズだとか)は別のイヤーピースを使った方が良さそうです。
金属筐体で音漏れ耐性もしっかりありますね。しっかりとはめれば遮音性も高いです。
音質
NF Audio RA15 はノズル交換により2つのサウンドを楽しめるイヤホンですので、それぞれについて記載します。
まずは2つのノズルを聴いた上で共通の印象ですが、空間が縦に広く、解像度・分離感が高いですね。のちに書きますが基本的には高域が伸びやかで詰まっている感じがありません。解像度も十分に高く細やかな音も聞き取れます。ノズルによって差はあれど分離感も高めでスッキリと鳴らしてくれます。左右への広がりはそこまで感じず、そこそこといった印象です。輪郭がキリッとしているので、長時間ゆったりとリラックスして聴くのには向いていないかなと思います。
ノズルごとの音質、まずは BRIGHT ノズルからです。高域寄りのバランス・シャキッとした高域・濃すぎず心地よい低音のアタック感・キリッとした輪郭が印象的です。女性ボーカル・ポップス等、明るめのサウンドが得意そうです。
基本的なバランスは高域寄りで“BRIGHT”の名前の通り、明るく見晴らしのいいサウンド空間です。軽やかに楽しめます。その高音はシャキッとした、キリッとした輪郭のあるサウンドで、シンバル・アコースティックギターが特にリアルですね。高音が伸びやかですがつんざくとか刺さるとか、不快な感じではなく、心地よいです。このバランスなので男性ボーカルよりも女性ボーカルの方が得意でより伸びやかですね。一方、低音は高音よりも1歩、2歩控えめです。十分な量で物足りなさはなく、優しいタッチです。
全体の輪郭がよりはっきりとした、クリアなサウンドです。この後に続くWARMノズルと比較して、他のイヤホンとも比較してキリッとしたサウンドです。音数が多くても整然と鳴らしてくれるようです。
続いて WARM ノズルです。BRIGHTノズルからガラッと変わって、厚みと広がりのある低域、変わらず伸びやかな高域、やや丸みを帯びた輪郭が印象的です。男性ボーカル・ロック等、低音よりのサウンドが得意かなと思います。
BRIGHTノズルからWARMノズルに変えると、低域がガラッと変わって厚みと広がりが出てきます。他のイヤホン含めて見ればゴリゴリの低音というほどでもなく、控えめだった低音が今度は高域より一歩前に出てきたという感じです。結果としてWARMノズルのバランスはやや低域寄りです。BRIGHTノズルでは前だった高域はWARMノズルでも十分に出ており、低域よりは半歩か一歩前かくらいです。
音の輪郭は WARMノズルに変えるとやや丸みを帯びたようで、BRIGHTノズルがキリッとしていた分、こちらは幾分か滑らかな印象です。幾分かと書いたのはこれもまた他のイヤホンも含めるとやや滑らかかなくらいだと思ったからです。NF Audio RA15 は基本的には輪郭のはっきりしたサウンドですね。
解像度・分離感が高いサウンドをベースにより明るいBRIGHTノズル、より暖かみのあるWARMノズルと、ノズルごとにそれぞれ異なるサウンドを楽しめるイヤホンですね。
イヤーピース・リケーブル例
より装着感・ホールド力を高めるイヤーピースとノズルごとのリケーブルの例です。
イヤーピースは AZLA SednaEarfit XELASTEC II にしました。本サイドでも何度も紹介していますが、ホールド力・グリップ力といったらこれですね。柔らかくペタペタとした質感で耳にピタッとハマってくれます。今回の NF Audio RA15のようにイヤホンが小さい時に重宝します。
BRIGHTノズルのリケーブルは SoundsGood Nuada にしました。4N純銀製で高域をより艶やかにしてくれます。NF Audio RA15 の伸びやかな高域をより伸びやかにします。プラグ交換で2.5mm/3.5mm/4.4mmに交換できるため、今回のノズル交換と合わせてさらに別のサウンドを試すことができます。
WARMノズルには SoundsGood Cassiterite が好みでした。こちらの導体は明かされていませんが、中低域が強まり、かつ余韻が広がるように感じました。ボーカルがグッと近づき、吐息がリアルですね。WARMノズルの滑らかさを活かしてくれるケーブルです。
SoundsGood のケーブルは以下の記事で紹介していますのでそちらも参考にどうぞ。
SIMGOT EA500 LM との比較
今回は、直近レビューした中で価格が近い、かつ同じノズル交換方式に対応している SIMGOT EA500 LM と聴き比べてみました。SIMGOT EA500 LM のレビューはこちらです。
NF Audio RA15 | SIMGOT EA500 LM | |
---|---|---|
ドライバー構成 | 10mmダイナミックドライバー (MC2L-10M) | 第二世代 DMDC™ 10mm デュアル 磁気回路・デュアルチャンバー ダイナミックドライバー |
インピーダンス | 32Ω | 21Ω±15%(@1kHz) |
音圧感度 | 108dB/mw | 123dB/Vrms(@1kHz 金色ノズル・赤色リング) 123dB/Vrms(@1kHz 銀色ノズル・赤色リング) 124dB/Vrms(@1kHz 銀色ノズル・黒色リング) |
再生周波数帯域 | 10-40,000Hz | 10Hz-50,000Hz |
付属ノズル | – BRIGHT : ステンレス鋼製 – WARM : 真鍮製 | – ポップ:真鍮製 – クラシック:ステンレス鋼製 – インストゥルメンタル:ステンレス鋼製 |
参考価格(eイヤホン 2024/08/19現在) | ¥13,800 税込 | ¥15,300 税込 |
どちらも1万円台でかつノズルを交換することで音質を切り替えることのできるイヤホンです。NF Audio RA15 には2つ、SIMGOT EA500 LM には3つのノズルが付属しています。
聴き比べた印象ですが、共通してどちらも解像度が高めで、余韻少なめのスッキリした音を鳴らします。パッときいたサウンド・空間の印象は近いです。
スッキリした中でも NF Audio RA15 の方がよりドライで輪郭がはっきりと感じられます。よりキリッとして疾走感が感じられます。SIMGOT EA500 LM もスッキリではありますがNF Audio RA15よりは余韻が多少あったり、輪郭が滑らかに思いました。
帯域ごとのバランスでは NF Audio RA15 がやはり高域寄りで、SIMGOT EA500 LM はそれよりやや低域よりですね。2つのイヤホンを区別するなら、NF Audio RA15 は軽やかでキレがよく、SIMGOT EA500 LM は濃厚で滑らか、といったところかなと思います。
よりスッキリな音、疾走感を求めるなら NF Audio RA15 が合うと思います。
まとめ
1万円台前半で1つのイヤホンで2つのサウンドが楽しめるイヤホンとして、NF Audio RA15 はよくまとめられているなと思いました。このノズルで音が変わるというのはたまにありますが、まだ体験したことがない初心者の方におすすめしたいです。もちろんそれ以外の方にもサウンド自体のクオリティもしっかりしているのでおすすめできます。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !