こんにちは ! 今回は HiFiGo JP 様より提供いただいた、Kinera Celest Wyvern Qing のレビューです。本サイトでは Kinera Celest のイヤホンは3つ目になります。しかも今回はこれまでよりも低価格で手に取りやすいイヤホンです。ぜひ最後までご覧ください !
本サイトでレビューしている Kinera Celest 製品はこちらです。
おすすめポイント
Kinera Celest Wyvern Qing
- 美麗なグリーン or ブルーのクリアシェル
- 過度な偏りなくあらゆるジャンルに使いやすいバランス・滑らかな音で長時間使いやすい音
- 3.5mm マイクあり・なしのバリエーション
- リケーブル可能 (0.78mm 2pin)
製品情報
Features:-
- Specially Developed Multi-Layered PVC Decorated Faceplates.
- Backstory Inspired by Wyvern Qing: One of the Four Celestial Spirits.
- Two Beautiful Color Options.
- High-Performance Single Dynamic Driver Configuration.
- 10mm LCP Diaphragm Dynamic Driver.
- 2019 Harman Target Response Curve.
- Resin 3D-Printed Ear Shells.
- Semi-Custom Design Shell.
- Oxygen-Free Copper Cable.
Technical Information:-
HiFiGo https://hifigo.com/products/kinera-celest-wyvern-qing より
- Impedance: 32Ω.
- Sensitivity: 105dB.
- Frequency Response Range: 20hz-20kHz.
- Connectors: 0.78mm 2-Pin Connectors.
- Termination: 3.5mm.
ドライバーは 10mm LCP(液晶ポリマー)ダイナミックドライバー 1基です。前回のRelentless は1DD + 6BA、前々回の Phoenix Call は 1DD+2BA+2 Micro Planar drivers(FPD)と多ドライバー構成続きでしたが今回は1基のみです。
カラーもグリーンとブルーがあり、ケーブルもマイクあり・なしから選ぶことができ、それでいて5千円未満(2024/08/13 Amazon)ということから、初心者にも手に取りやすいイヤホンと思います。
ちなみに、Kinera Celest Wyvern というと その後に Abyss だったり Black だったり 今回の Qing だったりと似たような名前があるのですが、これらは基本的には同じ構成のもののようです。
ギャラリー
Kinera Celest Wyvern Qing は ブルー or グリーン、マイクあり or マイクなし から選択できますが、今回は グリーン・マイクなしを提供いただきました。
付属品はこちらです。
- 本体
- ケーブル (0.78mm 2pin、3.5mm)
- イヤーピース 3サイズ
- 他紙類
5千円以下とだけあってシンプルセット、という感じですね。
付属のケーブルは高純度 OFC (無酸素銅) 銀メッキケーブルです。PVC被膜ありでツルツルとした質感です。この価格帯ではよく見る標準的な質感といった感じですね。(ちなみに、マイクありバージョンだとケーブルは黒の無酸素銅ケーブルでそちらの方が質感が良さそうに思えます。)
こちらが本体です。今回はグリーンですが、全体的に青みがかったグリーンでぱっと見宝石のような美しさがあります。フェイスプレートは多層エンボス加工プロセスによるランダム模様とのことです。(個人的にこの色合い好きです。)
本体は半透明の樹脂で昨今よく見る3Dプリント加工です。画像のような出っ張りが程よく耳にフィットしてくれます。
ケーブル接続はほぼフラットな0.78mm 2pinです。出っ張り・窪みがなく使いやすいタイプですね。
レビュー
装着感
(3Dプリントシェルなんてのもここ最近は当たり前になりつつありますが)スッとフィットしてくれます。(最初は微妙だなと思っていたのですが、イヤーピースを深く刺しすぎていたことが原因でした。イヤーピースは浅めにつけると良いです。)(イヤーピースを浅めにつければ)遮音性も高いです。本体が軽い割には音漏れもそこまでしないので問題なさそうです。
音質
過度な味付けはなくやや低域寄りのバランス・低域は深みあり・ウォーム寄りで柔らか、というのが印象です。
基本的なバランスとしてはやや低域が強めに感じます。“やや”と書いたのは昨今のイヤホンに比べるとそこまで味付けなく、素直に鳴らすように感じたためです。その低域は深さとキレがあるため、低音足りなくてつまらないなんてことはありません。一方高域も物足りなさはなく十分に出ていますが、伸びはそこそこで控えめに感じました。中域・ボーカルも十分ですが、低域・高域よりも少し控えめな印象です。この Kinera Celest Wyvern Qing はどんなジャンルでもノリよく心地よく聞けるバランスかと思います。
解像度はそこそこで(個人的にはもう少しあった方が好みですが)この価格では十分かと思います。ウォーム寄りで音の輪郭も鋭さはあまりなく滑らかですね。聴き疲れしにくい、長時間聴きやすい音に感じました。解像感・分離感も十分いいですが、個人的にはもう少し欲しいかなと思いました。低域・高域がテンポが速い・トラック数が多いとごちゃつくような印象です。空間の広さは標準的で狭すぎず広くなくといったところでした。
価格的にはエントリーモデルということにはなりますが、パッと買ってみて基本的には使いやすいイヤホンだと思います。バシッと決まるというわけでもないですがこれには合わないといった場面はないんじゃないかなと思います。ここからさらにイヤーピース変えたり、リケーブルしたりしてステップアップしてくのがいいでしょう。
カスタマイズ例
イヤーピースは AZLA SednaEarfit XELASTEC II にしました。ペタっとした質感で耳にしっかりとフィットしてくれます。Kinera Celest Wyvern Qing は付属のイヤーピースだと密着しきれず低域を逃してしまうような印象なのでフィット感を高めたくこのイヤーピースにしました。買ったイヤホンがいまいちハマらないなんて時にこの AZLA SednaEarfit XELASTEC II がサポートしてくれるので常備におすすめのイヤーピースの一つです。
ケーブルは BIGMANGO 墨が好みでした。このケーブルもまた銀メッキで全体的により解像度を高めてくれる印象です。BIGMANGOの中でも約3,000円と安めということもあり、手に取りやすい、使いやすいケーブルです。
FIIO JD1 との比較
今回は直近レビューした中で価格に近い FIIO JD1 と比較してみます。FIIO JD1 のレビューはこちら。
Kinera Celest Wyvern Qing | FIIO JD1 | |
---|---|---|
ドライバー | 10mm LCP Diaphragm Dynamic Driver | ダイナミックドライバー1基 |
インピーダンス | 32Ω | 24Ω (@1KHz) |
音圧感度 | 105dB | 109dB/Vrms (@1kHz) |
再生周波数帯域 | 20Hz-20kHz | 20Hz-40kHz |
聴き比べた印象ですが、Kinera Celest Wyvern Qing の方が味付け濃すぎず聴きやすいように感じました。FIIO JD1 はレビューでも書いたように低音の重みが強く迫力があります。Wyvern Qing も一応低音強めですが FIIO JD1 ほどではなく、あっさり目で聴き疲れしにくいですね。(FIIO JD1は仰々しいとも言えるかもしれません。) 曲によるのですが、FIIO JD1 は低音と高音が分離して一体感に欠けるようなものもあったので使い所を選びそうです。(例えば、King Gnu の どろん とか) Kinera Celest Wyvern Qing はそのようなことがなく一体感がありました。
空間の広さは FIIO JD1 の方があるように感じました。左右・縦ともにFIIO JD1の方が広く、Wyvern Qing はそこそこに感じます。特に低音の広がりはやはりFIIO JD1の方がありますね。
解像度は大きな差はなく両者ともに十分あるように思いました。解像度・分離感は(大きな差ではないですが)Kinera Celest Wyvern Qing の方があるようでした。厳密にいうと、全体域でFIIO JD1 は低域の解像感・分離感が弱めですね。Wyvern Qing は全帯域でそつなくこなしてくれるような印象です。
低音の迫力がある FIIO JD1、オールラウンダーに使いやすい Kinera Celest Wyvern Qing といったところかなと思いました。
まとめ
Kinera Celest のエントリーモデルという位置付けですが、これまでのようなヤンチャな構成ではなくしっかりとまとめた優等生といった印象でした。初心者の方におすすめできる中華イヤホンの1本かと思います。ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次の記事で !